こんにちは!棟田です。
だいぶ春めいた日も増えてきましたね。
公園では半袖の子供が走り回り、花はほころび、なんだか頬も一緒にゆるみます。
もう少しすると、また道端でダンゴムシを見つけては止まって、ちっとも先に進めない季節が始まりそうです。
先日図鑑でアルマジロを見つけた長男の、「これなにー?」が始まりました。
「アルマジロだよ。皮が硬くて、ダンゴムシみたいに丸まって、敵から身を守るんだよ」と伝えたところ、
「じゃぁ、コンクリートを食べるの?」と聞かれました。
確かに、ダンゴムシはコンクリートに含まれるカルシウムを摂取して、殻を固くするらしく、
思わず、子供らしい素晴らしい返しに感嘆しました
もちろんその後は、「何をたべるの?」「敵ってなに?」「肉食ってなに?」「なんでなの?」
の終わらない質問フルコンボでへとへとになります。
私は皮膚科医なので、動物でも、「皮」について説明するとき、少し熱くなってしまいます。
例えばカバは皮膚がとても厚く、ゾウやサイなどよりも厚いのに、
保護機能が脆弱で、すぐに乾燥してしまいます。
なぜか皮脂腺や汗腺はなく、かわりにピンクの粘液をだして、乾燥を防ぎます!
なんとなくカバがピンク色っぽく描かれるのは、このためなんですね
(カバの写真はなかったのでサイ。お尻のくぼみにしっぽがピタッとはまるところが好きです)
でもどうしてアルマジロの皮が厚いのか調べてもよくわかりませんでした。。
分厚い層は角質なのかしら??
誰か知ってたら教えてください
ということで(?)、今日は赤ちゃんの肌について説明してみようかと思います
(頬が荒れて赤くなってるのも可愛いとか言ってちゃいけません)
赤ちゃんの肌って、つるつるすべすべで、思わず触りたくなりますよね。
いわゆるキメが細かいので、皮膚の凹凸がなく整って見えるためです。
麻の布と絹の差って感じですかね、細かいからきれいに見えます。
しかし、まだ伸ばされていないだけで、汗腺や脂腺の数は大人と同じだけ最初から装備されています。
なので、大人にくらべると同じ面積あたりの汗腺の数は6倍以上あり、汗も2-3倍はかくとされています。たまに寝てたところがびっくりするほどビショビショのことがありますよね。
水分がなくなりやすいので、暑いときの水分補給はとっても大切です。
汗にくらべて、アブラ、いわゆる皮脂はホルモンの影響で発達するので、少な目です。
生後すぐはお母さんからのホルモンの影響で過分泌ですが、4か月くらいからガクンと減って、思春期まで少ないまま。
水分(=汗)はあっても、油分(=皮脂)が少ないと、乾燥しやすくなります。
また皮脂を皮膚の常在菌が分解することで、皮膚は弱酸性になり、感染防御やバリア機能として役立ちます。
つまり赤ちゃん肌ってつるつるしてきれいだけど、
汗ばっかかいて、水分はなくなり、
乾燥しやすいし、バリアがうまく働かない!!
汗と皮脂、この二つのバランスをいい感じにしてあげることが、赤ちゃん肌を守るために必要なことになります、
①ですぎた汗はきれいにあらう
やはり汗がたまったままだと雑菌がふえたり、汗の穴が詰まって出せないと、アセモになります。石鹸は液体石鹼を直接使うと濃度が濃すぎるので、泡ででるタイプ、もしくはよく泡立ててから、使いましょう。
でも、何度もいいますがアブラは少ないので、水で洗い流すだけでも8割の汚れは落とせます。生後4か月くらいまではしっかり石鹸を使った方がよいですが、
私の印象としては、3歳から6歳くらいまでは逆に洗いすぎに注意。
この年代になると親ではなく、子供自身が身体をあらうことも増え、遊びで何度もあらったり、こすりすぎたりして、洗いすぎなことも多いです。屋外で目いっぱい遊んだ日は石鹸を使い、
屋内で遊んだだけだったりしたら、頭と手足と陰部だけ石鹸、くらいでもよいと思います。
②保湿する
保湿は大切。これは今どの親御さんにも常識になってきています。素晴らしいことです。
ただ、毎日きちんと行うのは本当に骨がおれることなので、できるだけ無理のない方法を模索しましょう。とくにワンオペで複数人の子供と入浴する場合は、大変です。
パジャマを着せてからだと塗るのが大変、だけど裸にしておくわけにもいきません。
親の身体だって拭いたり服をきたり保湿したりしなければいけないわけで。。
私のおすすめは、1歳以降は子供用のバスローブをとりあえずきせること。
洗濯は面倒ですが、親の時間は確保できるようになります。
もし病院にかかっている場合は、保湿剤の形状をドクターと相談するのもよいでしょう
③皮膚になんかできていたら早めに皮膚科に行く
子供の皮膚はうすく、バリアも弱いので、湿疹などができた場合も広がりやすいです。
昨日の夜はきれいだったのに、朝ちょっと赤くて、夕方にはひろがった!みたいなことがよくあります。逆に返すと、適切な治療をすれば治るのも非常に速いです。
ちょっとかぶれたと思っていたら、いわゆるトビヒで、市販薬ぬったらじゅくじゅくになっちゃった!ということもありますので、行けそうなら早めに皮膚科で相談するといいでしょう。
でもそんなこと誰だって思ってますよね。わかってても、子連れで病院は大変だし、予約、受診、処方をもらうまでが遠すぎることは、私も子供の通院で痛感しています。
なるべくアクセスを楽に!できるように、私の皮膚科では頑張ります!!
2022年7月に銀座線外苑前駅徒歩1分のところに開業予定
皮膚科専門医 女医による丁寧な診察を行います!
よろしくお願いします。