おまけ1:プレゼンで最も重要なこと | 国家試験後の臨床 書籍化しました! (旧)研修医が学んでおくべき100のこと

国家試験後の臨床 書籍化しました! (旧)研修医が学んでおくべき100のこと

一人の内科医が研修医時代に書き溜めた記事を再構成しています。
全ての医療者にとって、医学を理解する手助けになれば幸いです。

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毎年4月になると慣れていない新研修医がプレゼンに困っている姿を目にします。特に苦手な人は頭を抱え、本を読んで勉強したりもします。僕はそういった本を読んでいないのですが、研修医の時には人並みに悩みました。

 

僕は研修医に、絶対守って欲しいプレゼンのルールを1つだけ徹底してもらっています。プレゼンの作法は色々あると思うのですが、本当に大事なのはこれだけです。

 

一行目に病名を言う

 

「85歳の男性で、肺炎の方です」と言う具合に。これだけを徹底すれば、情報の伝達は劇的にうまくいきます。プレゼンはもちろん教育上必要ですが、本来の目的は情報の伝達です。一番重要なのは病名であり、間違っても主訴ではありません。こんな言い方をすると眉をひそめる先生もいますが、あえて言い切ります。

 

 

病名を言わないプレゼンだとこんな感じになります。

「85歳男性で、施設入所中の方です。発熱と意識障害を施設職員が気づいて、経過を見ていたんですけど往診医の指示で救急要請となりました。既往には脳梗塞が…」

 

聞いてる方は結構疲れます。他の医師のプレゼンを聞いてもらえれば、必ず最初に病名を言っているはずです。診断がついていなければプロセスは重要ですが、胸部X線で診断が確定した肺炎を主訴から説明する必要があるでしょうか。研修医が上級医に診断クイズを出すようなプレゼンは避けましょう。

 

診断がついていなければ、その情報も一行目に盛り込みます。「70歳女性で原因不明の意識障害の方です」みたいな感じに。そんな風に言われると、聞き手もどこに注意すべきかがわかります。

 

 

結論ですが、上手いプレゼンをしようと思わず、最も重要な情報をきちんと伝達することを心がけてください。しかしそうは言っても、人によって求めてくることが違うので、その辺りは適当に合わせてください。