行事の多い3月 | 渡辺やよいの楽園

渡辺やよいの楽園

小説家であり漫画家の渡辺やよい。
小説とエッセイを書き、レディコミを描き、母であり、妻であり、社長でもある大忙しの著者の日常を描いた身辺雑記をお楽しみください。

眠り
 仲良し。

 日本の3月は、学校関係の行事が多い。
 春休みもある。息子はお弁当だ。
 来年は娘の保育園卒業と小学校入学。
 ああ、早い早い。泣きたいほど早い。
 子どもはあっという間に大きくなっていく。
 それだけ自分の人生も残り少なくなるんだなぁ、と、しみじみ。
 若いお母さんにはこういう気持ちわかりにくいかもしれないけれど、遅い子どもをもつと子どもに望むことはあまりない。ただ、自分が一日でも元気で長生きできますように、子どもが独り立ちできるまで、どうにか生きていられるとこんなにありがたいことはない、と、思ってしまう。
 私の座右の銘は
「生きているだけで丸儲け」
 10代20代の頃は、
「生きていることに意味なんかあるのか」
 と、思いがちだ。自分の残りの人生年月を数えると気が遠くなり、しんどい位置にいると、それが永遠に続くんじゃないかと思い、耐えられなくなる。
 でも、まあ、生きてごらんなさいよ、と、ここまで生きてきたものは思う。
 こんなにも生を惜しみもったいなく思う時も来るのだ。

 そうなると、自分にさえ高望みはしなくなる。とても肩の力が抜ける。