市を訪問してから1週間が経っても、何の返事もありませんでした。
BESS富士へ聞いても「返事はありません」というだけで、何も動こうとはしてくれません。
市が動かないのなら、自分達だけでも動くしかありません。
私は、まずは一刻も早く、利害関係者に河川への放流ができないことを説明する必要があると思い、
「利害関係者をリストアップし、話し合いの場をセッティングすること」
「これまでの経緯を整理してまとめること」
等を、BESS富士に依頼しました。
以前から何度もお願いして、ずっとなおざりにされて来たのですが、いよいよ時間がないことを伝えて、強く対応を求めました。
引き渡しまでは、残り3ヶ月を切っていたのです。
BESS富士は問題発生からの経緯をまとめてくれはしましたが、話し合いの場のセッティングは勿論のこと、利害関係者のリストアップにも動いてはくれませんでした。
お願いをすると、表面上は受け取ってくれるのですが、状況を確認すると、のらりくらりとはぐらかされ、いつまで経っても動きがないのです。
そういった対応に更に不信感を募らせていた中、BESS富士がまとめてくれた経緯には、最初の苦情で
「工事を止めてくれ」
と言われていたことなど、またも新たに知らされる内容が含まれており、一層BESSへの不信感を強めることになりました。
何も進捗がなく時間ばかりが過ぎ去っていく状況に、焦りが募りました。
私は、
「せめて現状把握のために、苦情元に聞き取りくらいはして欲しい」
「苦情元に、現状の説明をして欲しい」
と依頼しました。
BESS富士の当初の報告では、「既に解決している問題かもしれない」という話でしたが、市役所を訪問して聞いた話から、それはないことが判明しています。
ですから、まずは正確な現状把握が必要ですし、苦情元にも、現状の説明が必要だと思ったのです。
最初の苦情から既に2ヵ月以上、苦情元からすれば、説明もなくずっとほったらかしの状態だったのです。
ですがBESS富士は
「自分たちに問題はなく、自分たちの責任ではない」
「それは市が対応すべき」
という、当初から変わらない回答に終始しました。
苦情を受けておいて、説明すらしないの?
自分たちに問題が無いなら無いで、それを説明するのが普通じゃないの?
それを繰り返し訴えても、BESS富士は
「自分たちはそうは思わない」
と回答するのです。
BESSや市に対応を求めても、都合の良いようにはぐらかされるだけでした。
それは、なぜか。
自分が無知だからです。
殆どの人が同じだと思いますが、マイホームを建築する機会なんて、人生の中でそう何度もないでしょう。
建築関係の仕事に就いている人であれば話は別ですが、専門じゃない人には、当然ながら何が正しいのか分かりません。
だから、ハウスメーカーや市の対応、主張に疑念を抱いても、それが間違っているのかどうか判断できないし、指摘もできない。
何を主張してもまともに対応してもらえない。
そして、知らないうちに都合良くやられてしまう。
この問題には、そういう背景があるのだと思います。
私は、自分の意見を主張するために、関連する法規・制度を調べました。
建築基準法、下水道法、浄化槽法、その他諸々。
BESS富士と取り交わした契約書も、改めて吟味しました。
担当営業から土地調査や申請時の書類などを取り寄せ、これまで聞いた説明や対応も合わせて、BESS富士の主張が正しいのかどうか調べました。
私としても、なんでもかんでも誰かに対応させようなどと、自分だけに都合の良いことは考えていません。
本当にBESS富士の主張が正しく、誰も悪くなかったのだとしたら、それは私が負担を負うことになるのも当然だと思います。
BESS富士の説明はあまりにも根拠が希薄で、到底納得いくものではなかったのですが、ユーザー目線ではそうでも、それが正しいこともあり得ます。
ですから、自分で調べることで「仕方のないことだ」と納得できれば、自分が抱えている疑念も晴れて前に進めるだろうという気持ちもありました。
ですが、調査を進めて分かったのは、私の疑念が正しかったということでした。
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