上棟式を迎える直前のことでした。
BESSの営業から電話があり、問題発生の報告を受けました。
内容は、「近隣から排水について苦情を受けている」というものでした。
私が購入した土地は下水道が整備されていない地域です。
その為、浄化槽を設置して排水を奇麗にし、放流します。
問題はその放流先で、私達の家はすぐ脇を通っている道路側溝に放流することになっていたのですが、近隣の方から河川に放流するように要求されたということでした。
近隣の方々は、皆さん河川に放流しているのだそうです。
苦情の経緯も説明を受けたのですが、
「最初はお隣の方が現場に苦情を言ってきたが、後日『勘違いだった』と言ってきたと聞いている。」
「ただ、それとは別で、地元の市議会議員から電話で苦情を受けており、強く対応を求められている。」
「前後関係が分からないので、ひょっとしたら解決している問題かもしれない。」
ということで、いまいち要領を得ない説明でした。
詳細な説明を求めてもそれらの前後関係も曖昧で、解決しているのか、していないのか、苦情元は誰なのかもはっきりしません。
河川へ放流しなければならない理由についても、BESSが言うには「おそらく匂いが気になるとか、そんなことだと思う」という、曖昧な説明でした。
全容が、まったく掴めません。
BESSは苦情を受けての対応について
「河川へ放流するには、追加工事が必要になり、お金も時間もかかる」
「工事をする以前に、まず県に許可を取らなければならず、それが可能かどうかも分からない」
「こちらの手続きには全く問題はないので、そのまま続けることもできるがどうするか?」
と言ってきました。
私達にとっては、全くもって寝耳に水の話です。
苦情の背景も実情もはっきりしないし、そもそも何が原因でそんな問題が起きたのかも分かりません。
設計も申請手続きも全てBESSに任せていて、私達は排水先について選択肢など与えられてはいません。
BESS富士の説明は
「道路側溝へ放流するのが普通で、当たり前」
「自分たちの手続きに問題はない」
「河川への放流を事前に検討することはあり得ない」
というものでしたが、両隣も、そのまた先の隣も、全ての住宅が河川に放流しているにも関わらず、それが事前の検討で挙がってこないなんてことがあり得るの?
検討不足だったのでは?
それなのに、排水先を変えるために追加工事でお金が必要?
釈然としません。
少なくとも、まずはしっかりヒアリングして状況把握が必要なのでは?と思い、BESSの営業に伝えましたが、
「自分たちは市から許可を受けて工事をしているので、自分たちに責任はない」
「自分たちの責任ではないので、自分たちは動けない」
「ヒアリングも説明も、市からしてもらうべき」
として、動いてはくれませんでした。
自分たちに責任が無いのなら無いで、そう説明するのが普通の対応だと思うのですが、BESSは「自分たちはそうは思わない」と主張して動こうとしません。
色々と納得いかない所はありますが、ここでBESSと揉めていても仕方がありません。
まずは苦情に対応することの方が先決だと思い、その時点ではあれこれ言いたいことも我慢して飲み込みました。
当たり前のことですが、住み始める前から近隣の方々との関係悪化は、絶対に避けたかったのです。
私は、BESSに河川へ放流する方法を検討するようお願いしました。
検討結果が出るまでには1カ月ほどかかり、その間に上棟式がありました。
私は仕事で参加できず妻だけが参加したのですが、妻は今回の排水問題について、BESSの現場監督から
「住み始めてから何か言われるかもしれませんが、『問題ない』って言っておけば良いんですよ」
「こっちは何も悪くないし、おかしいのは向こうなんですから」
と言われたそうです。
耳を疑いました。
おかしい。
そんな訳ないでしょ。
初めの問題報告を受けた時から、その言葉の端々や対応に、何か違和感を感じていました。
そして、その違和感は徐々に不信感へと変わっていきました。
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