膝に三つ目の鬼です
今日問い合わせで
「和彫りと洋彫りの違いは何ですか?」
って質問がありました
え~~~~~っとですねぇ
凄く難しいんですけど、例えば上の画像はモチーフが「鬼」で回りに波を絡めているので和彫りと言えなくもないのですが、鼻の立体感や眉間などの皺の作りが洋彫り的な技法で表現されているので、これは洋彫りとも言えます
で、その表現方法の基準が各彫師さんでまちまちなので、色んな意見が出てきちゃいます
伝統刺青の彫師さんから見れば上の画像は洋彫りだと言うはずです
で、海外の彫師から見れば日本人が彫ったんだったら和彫りだろって言います
ちなみに僕は、この作品は和風の洋彫りだと思います いわゆる「ガイジン彫り」ってやつですね
でも日本の彫師でも「コレくらいなら和彫りって言っても良いんじゃない」って言う人もいます
なので、、、、 好みのデザインを彫れば良いんじゃないでしょうか???
ちょっと毒吐くと、筋彫りなんかを海外のマシンで彫って海外のインク使って「伝統刺青」って言うの違和感あります
ボルネオなんかの彫師は、どんなに線が歪もうが全て手彫りだけで仕上げますよ それが「伝統」だから、、、
マシンの方が綺麗に彫れるからって、それじゃ伝統捨ててる様な気がしますが?
まっ、人それぞれ感じ方が違うので強くは言いませんけど
最終的には気持ちの問題ですかねぇ
っと、これじゃ答えになってませんね
僕は現在の和彫りには大きく別けて三つのスタイルがあると思います
1:和彫りらしい和彫り
2:浮世絵寄りの和彫り
3:洋彫り技法の和彫り
1の和彫りらしい和彫りって言うのは、「原色刺青大鑑」に載っている様な筋彫りぼかし全て手彫りで彫られている作品の事です とても大胆でフラットなのが特徴ですね
2の浮世絵寄りと言うのは、実際に浮世絵を見てみれば分かると思いますが、実は全て手彫りで彫るには細か過ぎる絵なんです(不可能ではありませんが) 近年マシンが使用される様になって浮世絵の様に彫る事が簡単になってきて増えてきた作品です
3は既存の和彫り技法を洋彫りの技法に置き換えて作られた作品です 特徴は斬新な色使いや本当に飛び出しているかのような立体感などなどです
で、大体10年以上前は1と2の違いで和彫りかどうかなんて議論されたりしてました
今は2と3の違いで和彫りかどうかって意見が別れてます
どこで区切って和彫りかどうか言うのは、それぞれ彫師さんで違います
でも「伝統刺青」って意味なら1だけじゃないでしょうか
広義の和彫りって意味なら全部和彫りで良いんじゃないでしょうか
ただ個人的には「もうどうでも良いじゃん 面倒臭いよ」って思ってます
お客さんが望んだ物を望み通りに彫る コレが一番重要ですから
んー、なんかややこしいですね
凄く面倒くさい話なので、あんまり話したくないんですが頑張って書いてみました
少しは参考になれば幸いです
あっ、一口に浮世絵って言っちゃいましたが、コレも国芳か北斎かとかで意見が(ry
ホント面倒くせっ