精進料理の食文化をオーストラリアのビーガン市場に紹介します | オーストラリアで夢を叶える女性起業家の話

オーストラリアで夢を叶える女性起業家の話

2歳児の母、マーケティング会社経営10年目、オーストラリア国立工科大学(UTS)大学院で移民法を学ぶ1年目の三足の草鞋を履いています。
2024年「修練の年」

日々感じることをゆるやかに更新しています。

コロナのロックダウン期間から半年間、ある料理人・レストラン経営者がキッチンでただ一人、レシピを作り続けていました。
コロナがなかったらこんな機会は得られなかったと言われるのは、Tokyo Laundryのエグゼクティブシェフ、柴田氏。
オーストラリア初の精進料理フルコースのご紹介です。
 

オーストラリアのビーガン市場と日本の精進料理食文化

50万人規模と言われているオーストラリアのビーガン市場。今後広がる可能性は、ビーガン予備軍であるベジタリアンの数をみればわかります。ビーガンとベジタリアンを合わせると、300万人規模の市場です。

 

本来のビーガンの定義

ビーガニズムとは、動物を食べない選択をしている主義の人たちです。人間のために動物を使用しない、地球環境を考えて牛を食べないなど、日常生活を送る上で動物を食べないことを選んでいる人々です。植物性食品ダイエットの人をビーガンと考えられている方もいますが、本来はもっと哲学的な、動物を人間のために使わないという思想をもった人々です。

 

この定義が、私は日本の精進料理の起源にとても繋がると思うのです。

日本の精進料理の歴史と定義

仏教伝来以前にも神道の「潔斎:肉と魚を食べるのを避けて身も心も清らかにする」という考えがありました。その思想が本格的に精進料理食文化として確立するに大きく貢献されたのは、曹洞宗の道元禅師です。日常行為すべてが尊い修行であると説いた禅師は、毎日の暮らしに欠かせない食事を大切な修行であると説かれました。その後760年に続く精進料理では、食材を生かし、無駄を出さない工夫と技が磨かれています。

この精進料理とオーストラリアのビーガニズムは、潔斎・動物保護の観点で共通すると思います。精進料理は自然の恵みである旬の食材を調理技術によって最大限に生かすための食事方法なのです。

 

豪華絢爛な食材ではなく、旬の食材を見た目も美しい料理に仕上げる精進料理の調理技術が、ファッション性のあるビーガン市場に受け入れてもらえやすいのではないかと願っています。

 

精進料理(Japan's sophisicaed buddhist cuisine)

日本料理の基本ー五味五色五法ーは、素材を生かす精進料理ではとても大切です。

五味
甘い【Sweet】酸っぱい【Sour】鹹かん【Salty】苦い【Bitter】辛いを旨味に変えて【Umami】
 
五色
青(緑)【Green】黄【Yellow】赤【Red】黒【Black】白【White】
 
五法
生【raw】煮る【simmer】焼く【grilled】揚げる【(deep)fry】蒸す【Steam】

 

前菜:ごま豆腐

胡麻と豆乳を食物繊維たっぷりの寒天で固めたクリーミーなごま豆腐は、甘い味噌と柚子との相性が抜群です。オーストラリア人からすると、甘いプリンのような見た目と食感だけれど甘くないのが驚きのようです。日本人にとっては間違いない第一皿目。

 

造里:季節の野菜を刺身に見立てた一皿

ビーガンの人にとってはもちろん、生魚の食べられない方も楽しめる一品です。蒸したかぶの食感は驚くほど柔らかく、刺身としてというよりもお野菜の美味しさを引き立てる食べ方です。手作り味噌やわさび醤油など、様々な味を楽しめるのも嬉しいです。

 

焼き物:うなぎの蒲焼きもどき

中はふっくら、外はカリッと、鰻の蒲焼きを思い起こさせるお料理は、豆腐とマッシュルームとレンコンで作られています。食感がなんとも言えない絶品です。

 

 

 

煮物:雁擬きと野菜の炊き合わせ

鶏肉団子に見える雁擬きは、豆腐と枝豆、人参、椎茸で風味豊かなお団子に。彩り美しく別々に炊き合わされたお野菜が優しいお味に仕上がっています。

 

揚げ物:ゆばと野菜の天ぷら

白身魚に見える天ぷらは、食べごたえのある湯葉。天ぷらの衣と特性胡麻ソースが絶妙なバランスです。

酢の物:季節野菜の芥子酢味噌あえ

リフレッシュメントとして最高のタイミングに出される芥子酢味噌和えは、野菜のシャキシャキ食感を楽しめます。

飯物:握り寿司

高野豆腐が寿司になると、こうなるのです。パプリカやマッシュルームなど、それぞれの素材の繊維を手間を加えて寿司のネタにされています。野菜のお出汁が優しい味噌汁と塩麹の香物と一緒にお腹を満たしてくれます。

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水物:さつまいもの巾着饅頭

スイートポテトは自然の甘みが優しいデザート。着色料などを使わなくても、素材の色で見て楽しめる日本らしさです。ビーガンやベジタリアンに不足しがちなビタミンB12や鉄分、亜鉛なども、調味料などを工夫しながら補われています。

 

 

上記の精進料理に合わせて、マッチング酒もご用意されています。
コーシャというユダヤ教の清浄な食品認定や、ビーガン認定は、そもそも日本酒ってなに?という外国人を対象に販売戦略を立てる上でとても有効です。これらの認定を取得されている南部美人、獺祭、八海山がマッチング酒として選ばれました。

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Tokyo Laundryの柴田氏よりお話をお伺いした時、このオシャレな内装のTokyo Laundryに

ドレスアップをして精進料理を食べにくるビーガンの方々の姿を夢見ました。

美しい彼女達がお箸を使って、野菜の寿司を食べながらビーガン認定の日本酒を楽しむ姿です。

ゼロの認知をイチに広げる上で、インフルエンサーの力が絶対に必要です。

私の頭の中には、フード関係のインフルエンサーの顔と名前がデータベース化されています。6年間かけて築き上げたフレンドシップです。頭に思い浮かんだのは、フォロワー数が多く幼少時期からビーガンの元祖ビーガニズムのエデンと、モデル顔負けの美の秘訣をビーガンフードだというブレアです。

彼女たちのSNSでビーガンフォロワーに向けて精進料理を紹介してくれること、そしてWashoku Loversでも日本食好きなメンバーに向けて記事を発信すること。そして映像で精進料理とは、精進料理を楽しむシーンを想像させることができればと思っています。

 

これから更に拡大されるといわれているオーストラリアのビーガン市場へ

760年の歴史がある日本の精進料理が、地球に優しく体に優しい料理として認知されることを願っています。

 

ご予約はこちらから

 

Tokyo Laundry

LEVEL 1 03/04, THE GATEWAY PLAZA,
1 MACQUARIE PLACE, SYDNEY