13点差を追いつかれたものの、関西の強豪相手に価値ある引き分け | 早スポオフィシャルブログ

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第79回早関定期戦 5月11日 関西大学中央グラウンド

 

 

 関西の強豪・関西大学との早関定期戦が、関西大学中央グラウンドで行われた。第1クォーター(Q)にWR平田裕雅(文4=東京・早実)のフィールドゴール(FG)で先制すると、DB塚田隼也(商4=東京・早大学院)のパントブロックリターンからのタッチダウン(TD)で追加点を挙げるなど13点を獲得し、前半を終える。後半は関大に2つのTDで追いつかれ、13―13の引き分けとなった。

 

TDを決め喜ぶDB塚田

 

 早大レシーブで試合開始。ファーストオフェンスシリーズではQB八木義仁副将(政経4=東京・早大学院)からWR吉規颯真(政経3=東京・早大学院)への2連続パスで1stダウンを更新するが、続くシリーズでは更新できず攻守交代。最初のディフェンスは関大の反則もあり、得点させず敵陣30ヤード付近からの攻撃となる。この攻撃でWR平田がFGを決め、3点を先制する。続く関大のオフェンスをLB原康介(法3=東京・早大学院)のQBサックもありスリーアンドアウトに抑えると、DB塚田がパントをブロック。そのままボールを拾い上げ、独走のTDを決め追加点を挙げる。第2QではWR角井春樹(文構4=東京・早大学院)が約20ヤードのパントリターンを見せ敵陣からオフェンスを始める。さらにQB八木副将からWR入江優佑(商4=大阪・関西大倉)へのパスプレーで15ヤード前進すると、TDは奪えなかったもののWR平田が2つ目のFGを決め、13―0と関大を突き放す。その後は互いに得点できず一進一退の攻防が続く中で、DB木村大地(法4=東京・早大学院)が自陣5ヤード付近でインターセプトに成功。関大のTDを防ぐスーパーキャッチを見せた。第2Q終了間際にはDL齋藤菜穂都(政経4=東京・早大学院)が2プレー連続でQBサックを決め、無失点のまま試合を折り返した。

 

QBサックを決め、ほえるLB原

 

FGを蹴るWR平田

 

 後半は早大キックで試合が再開した。キックオフリターンで30ヤード以上進められ自陣からのディフェンスになると、次のプレーでも20ヤード以上のランを許す。レッドゾーンに侵入された後、関大に4thダウンギャンブルを成功させられ、自陣7ヤードからのディフェンスに。最後も関大のRB前川礼男(2年)のランプレーを止められず、TDを決められる。後半最初のドライブでこの試合初めての失点を喫し点差は6に縮まる。後半、早大はオフェンスでなかなか前進できず、ディフェンスでは第3Qの終盤、関大に再びレッドゾーン内に進まれる。その後のFGのプレーの際には早大の反則を取られオートマチック1stダウンになってしまう。自陣10ヤードからのディフェンスになるが、LB原のロスタックルもありTDを防ぐと、関大がFGを失敗し、リードは6点に保たれる。

 

 第4Q最初のドライブでは、後半初めての1stダウンを更新するも、QB八木副将からWR角井へのパスをインターセプトされてしまい、痛恨のターンオーバー。それでも続くディフェンスでは関大をスリーアンドアウトに抑え、攻撃権を得る。自陣中央からのオフェンスで、QB八木副将からWR髙橋晟希(商4=東京・早大学院)へのロングパスが通り、敵陣中央付近へ進む。しかし、次のプレーでQB八木副将がQBサックで10ヤード以上失い、得点につなげられず。直後のディフェンスでは3つのパスプレーを連続で決められ、レッドゾーン付近まで進まれる。試合残り約80秒となったところで、RB前川へのスクリーンパスが通り、そのままエンドゾーンまで走られTDとなり、同点に追いつかれる。しかし、関大がポイントアフタータッチダウンを失敗し、勝ち越しは免れる。その後のオフェンスでは残り時間が少ない中でパスWR吉規とWR角井への2連続パスで一気に前進。残り2秒、敵陣25ヤード付近で早大はFGを狙う。決まれば劇的勝利だったが、WR平田のキックはわずかにゴールポストの左に外れた。FG失敗となり、試合は13―13の引き分けで終了した。

 

ボールを持つQB八木副将

 

 惜しくも勝利を手にすることはできなかったが、2年連続で敗れていた関大と互角に渡り合った早大。「自分たちがやってきた方向性は間違っていなかった」(小林亮生主将、先理4=埼玉・早大本庄)と手応えを感じた一方で、「まだ最後13点のリードを守れない甘さなどがある」(LB原)と、課題も浮き彫りとなった。次週からは4週連続で春季オープン戦が行われる。来たる秋のリーグ戦に向け、毎試合ごとに課題を修正していきたい。

 

(記事 沼澤泰平、写真 河邨未羽)

 

 

◆コメント

髙岡勝監督(平4人卒、静岡・聖光学院)

ーー引き分けという結果についてはどのように感じていますか

部員にはこの試合勝負にこだわって個人でもチームでも勝つんだ、ということでやってきましたが、やはり勝てなかったのはチームとして悔しい試合でした。

 

ーー試合を内容を振り返っていかがですか

オフェンス、ディフェンス、キッキング、いろいろな部分でできたこと、できなかったことがはっきり出た試合でした。

 

ーーここから毎週末に試合がありますが、どのようなマネジメントを意識していますか

試合後に部員にも言いましたが、どうやって成長していくのか、試合を通じて強くなっていくのかということをみんなで考える、ということで取り組んでいきます。

 

ーー中大戦への意気込みをお願いします

春は一つ一つ勝っていくという目標があるので、中央さんの試合のデータが無く、どうアジャストできるというところで取り組みは難しいですが、適応力を秋に向けてつけていかなければならないので、そこを重点的にやっていきたいです。

 

OL小林亮生主将(先理4=埼玉・早大本庄)

ーーチームとして関大戦に臨むにあたって2週間どのような準備をしてきましたか

関大戦の位置付けとして本当に春の大一番というか、唯一関西とできる試合なので、絶対に勝とうという気持ちを持ってオフェンス、ディフェンス、キッキングともにスカウティングから始まり、しっかり準備しました。

 

ーー試合を振り返っていかがですか

自分たちのファンダメンタルやスキルが関西の選手に通用するところもあり、ただフィジカルやスピードといった部分で負けているというところももちろんありました。そういったところはこれから強くなっていかなければいけないですが、自分たちがやってきた方向性は間違っていなかったと感じました。オフェンスに関しては、隊形ミスやコミュニケーションミスといった技術以外のミスが多く、そういうミスをしたら絶対に勝てないと。早慶戦のときと同じ振り返りになってしまいますが、そういうチームの取り組みの悪さが出たかなと思いました。

 

ーー中大戦への意気込みをお願いします

中大戦に限らずですが、この春の残された期間をチーム全員で徹底的にやって、秋で関西に勝つという気でまず1週間しっかり準備して、全員で倒して勝ちたいと思います。

 

LB原康介(法3=東京・早大学院)

ーーディフェンスのユニットとしては、どのようなテーマでこの試合に臨みましたか
ディフェンスとしては、春の総本山として関西大学を捉えていたので、絶対関西大学に勝つということをディフェンス全体で目標にしていました。

ーーQBサックやロスタックルを多く決めましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
冬から春にかけて練習してきたラッシュが関西相手にも通用したというのは、自分の自信にもなり嬉しかったです。

ーーディフェンスとしてはこの試合での手応えや収穫はありましたか
サックも3回以上できましたし、ゴール前でも良いプレーが沢山出ていたので、ディフェンスとしては関西の大学が相手でも最低限通用はしたなという印象があります。ただ、まだ最後13点のリードを守れない甘さなどがあるので、それを秋に向けて修正していきたいと思います。

ーー中大戦への意気込みをお願いします
中大戦は今日勝ちきれなかった思いなどもぶつけて、ディフェンスは0点で完勝できるように頑張りたいと思います。