FW千葉が試合終了間際に劇的ゴール! ア女が関カレ3連勝を達成 | 早スポオフィシャルブログ

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第38回関東大学女子サッカーリーグ 5月11日 東伏見サッカーグラウンド

 

 

 前節、日体大相手に快勝を収め首位に浮上したア女はホームで帝京平成大との一戦に臨んだ。序盤から相手に押し込まれる展開が続き、シュートチャンスをつくれずに前半を終える。後半からペースを掴んだア女は前半とは一転してチャンスをつくることに。するとアディショナルタイムにFW千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)が待望のゴールを決める。試合終了間際のゴールでア女が劇的勝利を掴んだ。

 

左サイドを駆け上がるDF佐溝愛唯(社1=大阪・大商)

 

 

 前半は相手ペースで試合が進んだ。序盤から相手のタイトな守備に遭い、ボールをキープできないア女。相手のディフェンスラインの裏を狙う姿勢を見せるもパスがつながらず、相手のショートカウンターを食らう展開に。それでも、DF田頭花菜主将(スポ4=東京・十文字)を中心とした粘り強い守備で相手にゴールを与えない。そのままスコアレスで前半を終えた。

 

ドリブルを仕掛ける三宅

 

 

 

 後半に入ってからボールを保持する時間が増えたア女は徐々に試合のペースを握る。73分にはMF福岡結(スポ1=岡山・作陽)が、FW生田七彩(スポ3=岡山・作陽)へクロスを送るが、惜しくも合わない。87分にはMF宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)が、相手ディフェンスライン裏へ抜け出しキーパーと一対一の場面を迎えるが、シュートは相手にセーブされる。着実に決定機をつくり、ゴールへと迫るア女。すると試合終了間際の91分、この試合最大のチャンスをつくる。右サイドでボールを受けたMF三宅万尋(スポ1=東京・十文字)が中央へドリブルを開始。相手を引き付けて、サイドの生田にパスを出す。パスを受けた生田がペナルティエリア内へグラウンダーのクロスを送ると、後ろから走り込んできた千葉がいち早くボールに反応する。千葉のスライディングで放ったシュートでゴールネットを揺らし、アディショナルタイムにア女が勝ち越しに成功。千葉の今季初ゴールが劇的勝利をもたらした。

 

ゴールを喜ぶ選手たち

 

 

 前半は相手の縦に速い攻撃に苦戦したア女だったが、終始集中した守備を見せた。苦しい時間帯であってもボールにアタックし、シュートを打たせない粘り強い守備で今季初のクリーンシートを達成。「練習の中でもクロスを跳ね返す練習をしていて、そこが特に後半の最後の方ですごく出た」と主将の田頭が言うように、失点が続いていた前節から成長した姿を見せつけた。粘り強い守備が後半の勝負強さに結びついている。開幕戦や第3節の十文字学園女子大戦のように苦しくても確実に点を奪い、勝ち切る強さが目立つ今季のア女。これで4勝1分けと負けなしで最初の5戦を終えた。毎試合進化した姿を見せるア女はこの勢いのまま目標の「日本一」へと向かっていく。

 (記事 荒川聡吾、写真 勝野優子、熊谷桃花、井深真菜)

 

スターティングイレブン

 

早大メンバー(数字は背番号、◎はキャプテン)

GK 1 石田心菜(スポ4=大阪学芸)

DF 3 杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)

DF 5◎田頭花菜(スポ4=東京・十文字)

DF 28 佐溝愛唯(社1=大阪・大商)

MF 2 新井みゆき(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)

→87分、三宅万尋(スポ1=東京・十文字)

MF 10 築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)

MF 11 宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)

MF 14 大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディベレーザ)

MF 27 福岡結(スポ1=岡山・作陽)

FW 7 﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)

→70分、生田七彩(スポ3=岡山・作陽)

FW 15 千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)

 

 

コメント

後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)

ーーまずは試合全体の振り返りをお願いします
 帝京平成大学さんの狙いがはっきりしていたので、前半はそれに対して受けてしまったというか、押されてしまった部分があったんですが、それをしっかりハーフタイムで気持ちも共に切り替えて、最後点をとって勝ち切ったところが何よりもいちばんの収穫かなと思います。

ーー前半は相手がプレスしてきて、ア女がなかなか前進できない場面が多くありましたが、どういった難しさがありましたか
 基本シンプルにルーズボールというか、とにかく前のスペースへ(ボールを運ぶ)というような、雑だろうがなんだろうが前へというそういうシンプルさが(相手は)あったので。そうすると、個と個の球際の勝負になってくるので、そういった部分の難しさはあったんですけど、自分たちが今この試合中に急にフィジカルがつくかというとそうではないとなった時に、自分たちが出来ることがなんだろうと。1発では跳ね返せないかもしれないけど、2枚目3枚目がプレスバックに来るなら、1枚目がなんとか触ったものを後ろのカバーが拾うなり、じゃあ運動量でカバーするとか、ボール保持をするとかに簡単にロストしないとか、そういったところを後半しっかりできたところが難しかった部分を変えれたんじゃないかなと思います。

ーー後半徐々にボールを奪うようになって、2列目の選手が裏を抜けたりという場面が見えたのですが、それはハーフタイムにそういう指示がありましたか
 前半からその狙いはあったんですけれど、守備の段階で圧をかけられてたところから3枚でボールを回す立ち位置が悪かったので、前線の選手たちはその狙いを持って、動き出したりはしていたんですけど、後ろの立ち位置を変えたというのが修正になります。

ーー後半の最後の方で勝ち切るという試合ができてる中で、無敗でここまできて、チームとして手応えはどうですか
 1試合1試合の積み重ねだと思っているので、まだ5節ですし、全然前期は終わっていない段階なので、積み重ねはしっかりできているかなと思います。もともとうちの選手たちは後半しっかり強い部分が、前から良さとして強みとしてあったので、そこをしっかり体現できてるところは非常に評価しているんですけど、自分たちがリズムを作るというところに対して、前期のうちに修正改善していくことっていうのが必要になってくるかなと思います。

ーー4勝1分という結果になりましたが、チームとしては想定内か、想定以上でしょうか
 リーグが始まる前に4年生の目標として、前期のところでしっかりと首位を狙っていく部分がプレシーズンの時にチーム全体に提示されているので、想定通りというか順調に積み重ねられているのかなと思います。

ーー次戦に向けての意気込みをお願いします
 自分たちの課題ははっきりしているので、勝ち点だったり、結果というところはとても大事なんですけど、内容というかそこのプロセスの部分にどれだけこだわりを持ってまた1週間積み重ねられるかが大事かなと思っています。

 

 

DF田頭花菜主将(スポ4=東京・十文字)
ーー試合全体を振り返っていかがでしたか

 去年前期0-4で負けていて、ここまで戦ってきた中で一気に強度が上がる相手でした。その中で、ゼロで抑えてチームとしても勝てたというのが、率直に個人的にはすごいうれしいです。

ーー帝京平成大との試合は拮抗した展開になることが多いですが、どのような試合展開を想定してましたか
 スカウティング通り、(相手が)結構ハイラインで、試合前は2列目からの飛び出しを増やしていこうという話をしていましたが、前半はあまりなかったです。後、相手としても自分たちの背後の処理がウィークだから狙っていこうという感じで入ってきて、そこは戦っていかなきゃいけない中で、後ろとしてしっかり準備してきた部分ではありました。点が入らないなというのは思っていたので、耐えて耐えて最後の時間帯ですごく良かったなと思います。

ーー前半なかなか攻めの糸口がつかめない中で、想定していた2列目からの飛び出しを増やすなど、ハーフタイムから修正した部分はありましたか
 前線の動きがあまりなかった理由としては、後ろの持ち方が分かりづらい部分もあって、ボールがあまり動かせなかったので、そこは簡単に私たちでどんどん(ボールを)動かしていって、タイミングをつくろうという話をしていました。

ーー無失点試合は今季初ですが、ディフェンス面での手応えはいかがですか
 練習の中でもクロスを跳ね返す練習をしていて、そこが特に後半の最後の方すごく出たと思います。しっかり積み重なってきてるなという印象もありますが、自分らが目指してるとこというのはここじゃないので、まだまだ貪欲にやっていかなきゃいけないと思います。

ーー今季は終盤に点を取り切って勝つチームの強さ現れてると思いますが、そこについてはいかがですか
 しっかり前半から走って戦ってくれている分、後半入ってくる選手っていうのがすごい活躍してくれる、チームとしてはすごくいい競争ができていますし、交代選手たちが結果を残しているのはすごくプラスなことだと思います。

ーー次戦以降の意気込みをお願いします
 勝ち点3を着実に積み上げていくということがリーグの中で大事だと思うので、次の試合も勝ちながら成長していきたいです。

 

 

FW千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)
ーー試合全体を振り返っていかがでしたか

 押し込まれる時間も多くあった中で全員でしっかり守り切れて最後点を取って勝ち切ることができたので良かったですけど、修正する部分もたくさんあると思うのでそこはしっかり次に向けて修正して、良かった部分は続けられるようにしたいです。

ーー修正する部分としてはどのようなところが挙げられますか
 前回の試合になっちゃうんですけど、前回決定機を自分自身ちゃんと決めれなくて悔しい思いをしたので、今日の試合ではそこをしっかり決め切ることができてよかったです。だけど今日の試合だけで言えばシュート1本っていうところでフォワードとしてもっと自分で打ち切れるところを作りたいので、そこは次の試合に向けて自分で打開できる選手になりたいと思います。

ーー今日のゴールは、試合を決める劇的ゴールでした。振り返っていかがですか
 下からちゃんとビルドアップしてつないで、サイドでフリーを作れて、練習の時からクロスの入り方は意識して取り組んでたし、木曜日の練習でもクロスゲームがあったりとかで、クロスの部分っていうのはチームとしてもこだわっていたところだったので、その形で点が取れたことはすごい良かったかなって思います。

ーー試合中プレスを積極的にかけたり、ハードワークが目立ちましたが、ご自身の中でどういう役割と考えてプレーされていましたか
 フォワードはすごく層が厚いので自分が90分持たせるというよりは、その場その場で自分ができることを100%やって、切れちゃったら次の人がいるっていう気持ちで全部やってたのと、自分的にはそんなに上手な選手ではないからこそ泥臭く局面局面で戦える選手になるためにやれることをやれたかなっていうふうに思います。

ーー次戦以降の意気込みをお願いします
 2連勝でいい流れが続いていると思うのでそれを途絶えさせず、反省すべき点はしっかり反省してもっと積み重ねていけるように頑張りたいです。