関東学生春季リーグ 5月5日 東京・日本女子体育大学体育館
前日の快勝で勢いに乗る早大は、日体大との一戦を迎えた。上位進出が決まるまで残り2試合となった春季リーグ。上位争いが拮抗(きっこう)する中、落とすわけにはいかない対戦となった。キーパーの好セーブやボールカットなど多彩なディフェンスで前半から失点を最小限に抑える。オフェンスでは、セットオフェンスと速攻を巧みに使い分けながらリードを広げる。後半も両サイドやディフェンス陣の活躍で日体大を圧倒。そのまま逃げ切り、34ー21と前日に続いての快勝となった。これでここまでの春季リーグ4勝1分3敗とし、目標とする上位進出が目前に迫った。
パスを巧みに回す井橋
開始2分、鶴田文乃副将(スポ4=山梨・日川)のサイドシュートが決まり、大きなガッツポーズで幕を開ける。しかしそこからは、開始6分で1ー1というロースコアの展開に。ディフェンスで相手のボールを奪うものの、うまく攻め込むことができない時間もあったが、井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)、里村采音(商2=岩手・不来方)、山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南) の順のパス回しで相手を翻弄(ほんろう)。山野の得点から早大ディフェンスが上昇気流に乗り、速攻で得点を量産する。そしてここから、右サイドの鶴田が無双状態に。自身は「決めきれるところを外してしまったのでそこは反省点」と厳しく振り返ったが鶴田はこの日、チーム最多得点をマーク。その活躍もあり20ー9というスコアで前半を終えた。
好セーブを連発した堀内
11点リードという余裕ある状態で開始した後半は、早大のディフェンス力が光った。GK堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)が前半に引き続きスーパーセーブを連発。逆速攻から一対一対決となりながらも、相手の動きを読んで得点を阻止した。そして杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)が相手ディフェンスに接触しながらシュートを狙い、7メートルスローを後半に2度獲得。木村百花主将(スポ4=東京・白梅学園)、井橋がそれぞれ着実に成功させた。また逆速攻になりかけた場面では、山田梨央副将(スポ3=千葉・昭和学院)が体を張って対抗。さらに春季リーグ、ディフェンスでの出場が多い大野蒔絵(スポ2=埼玉・市立浦和)も期待通りの堅い守備を見せる。終了間際には江頭理沙(スポ2=東京・ICU)が駄目押しの2点を追加し34ー21で試合終了。前日と同様、大差での勝利となった。
4月から始まった春季リーグもすでに8戦を終えた。メンバーが少ない分、選手らの負担は大きくなるが疲れを感じさせることなく、回を追うごとに選手それぞれの進化が表れている。次戦で一次リーグは終了し、上位リーグ進出のチームが決定する。この日の勝ちで大きく近づいた早大の上位進出。次戦で確実なものとすることができるか、注目だ。
(記事 大村谷芳、写真 渡辺詩乃)
結果
早大34ー21日体大
前半
早大20-9日体大
後半
早大14-12 日体大
スタメン
GK 堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)
LW 里村采音(商2=岩手・不来方)
LB 山野紗由(スポ3=北海道・釧路江南)
PV 杉浦亜優(スポ3=愛知・名経大市邨)
CB 井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園)
RB 山田梨央副将(スポ3=千葉・昭和学院)
RW 鶴田文乃副将(スポ4=山梨・日川)
コメント
鶴田文乃副将(スポ4=山梨・日川)
ーー上位リーグ進出をかけた大事な試合、どのような気持ちで試合に臨みましたか
目標の上位リーグに進出するには絶対に落とせない試合だったので、勝ちだけを目指して臨みました。
ーー試合を振り返って
内容的にも安定したゲーム展開だったと思います。キーマンに対して想定通りアタックにいけたり、けん制を狙いにいけたりとチームの約束事をしっかり守れていたと思います。シュートミスや簡単な判断ミスなどはやはり課題だとは思うので、1次リーグラスト1試合に向けて修正していきたいです。
ーーサイドから大量得点されました、ご自身のプレーを振り返って
シュートの本数自体は多かったかもしれませんが、やはり決め切れるところを外してしまったのでそこは反省点です。シュート確率をもっと上げて、バック陣の攻撃の幅を広げなければと思います。
ーー井橋萌奈(スポ2=東京・白梅学園) 選手からのパスがよく通っていました
バックはどこのポジションでも得点を狙える強い3枚が揃っています。今回は萌奈がパスをより多くさばいてくれました。萌奈が狙っているからこそ、私が空いてシュートにいけると思うので、継続して力強く行って欲しいと思います。私自身も任せてもらえるように努めます。
ーー次戦への意気込みをお願いします
来週は日女体大戦、何度も練習試合を行っていて、お互いの手の内は分かりきっていると思うので、やるべきことを行い、自分たちの1番良いプレー、そして勝ちで試合を終えられるように調整していきたいです。
堀内雪羽(スポ1=千葉・昭和学院)
ーー今日の試合を振り返って
今までのリーグ戦の中でもいちばん良い雰囲気でやれた試合ではないかなというふうに思います。最初から最後まで流れが続いたというのもそうですし、(流れが)切れた時でも全員が下を向かずにずっと前を向いてディフェンスもオフェンスもできていたのがすごく次につながる試合だったのではないかなと思います。
ーー逆速攻から一対一対決になるシーンで止める場面がありました、自身のプレーを振り返って
前半は、割とディフェンスが守って守って、最後に守り切るという場面が多かったのでそこは今後も続けていきたいと思います。後半は、一発目の逆速攻のシュートを止めることができたので、後半の雰囲気、流れを作る中で自分が関与できているということはこれからも試合に出ていく中で続けていきたいと思います。
ーー前半に点差が大きく開きました、心境は
最近は前半で点差を広げたら後半でもその流れを持っていけるという試合がすごく多かったので、勝ちパターンのようなものが少しずつ見つけられているのかなという感じがします。そういった意味では点差があって良かったです。ホッとした感じですね。
ーー上位進出も見えてきました、チームの雰囲気を振り返って
初週に勝ち切れない試合が続いてしまったのはリーグ戦の流れとしてあまり良くなかったかなと思いますが、前半戦に筑波大に勝てたというのは本当に大きかったと思っていて。そこがチームの中でも大きかったと思います。
ーー次戦に向けて意気込みをお願いします
来週の試合で上位か下位かということが決まると思うのでとにかく1点でも勝ちにこだわって、自分が出た時は1点でも多く守り切るということに全てを懸けて頑張りたいと思います。