コーナーキックから3得点 圧倒的な攻撃力を見せつけたア女が勝利を掴み取る | 早スポオフィシャルブログ

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第38回関東大学女子サッカーリーグ 5月4日 日本体育大学横浜・健志台キャンパスサッカー場

 

 

 関東大学女子サッカーリーグ(関カレ)の第4節。ア式蹴球部女子(ア女)は、敵地で日体大との一戦に臨んだ。27分にMF築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)のヘディングシュートでア女が先制。その後相手に追いつかれるも、40分、42分にMF福岡結(スポ1=岡山・作陽)が2点を挙げる。50分にはMF大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディベレーザ)のコーナーキックがそのままゴールイン。65分にはFW﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)がダメ押しとなる5点目を決める。攻撃力が爆発したア女が今期初の連勝を達成した。

 

ドリブルを仕掛ける福岡

 

 序盤は押し込まれる展開が続いたが、時間が進むにつれア女が試合を支配していくことに。すると27分にMF宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)のコーナーキックに築地がヘディングで合わせる。相手との競り合いに勝ち切り、ボールへと飛び込んだ築地のシュートで先制に成功する。しかし、38分にコーナーキックから相手に同点弾を許す。試合を振り出しに戻されたア女だったが、40分にハイプレスから相手キーパーのパスをカットした福岡がそのままシュート。キーパーの動きを見て冷静にゴールへと流し込み、すぐさま勝ち越す。続く42分にもコーナーキックからのこぼれ球を福岡がゴールへ詰め込み、3点目。前半のうちに2点のリードを確保して、試合はハーフタイムへ突入した。

 

コーナーキックを蹴る宗形。精度の高いキックでチャンスを演出した。

 

 後半に入っても攻撃の手を緩めないア女。すると50分にまたしてもコーナーキックから得点が生まれる。キッカーの大山が相手ゴールへ直接迫るクロスを送ると、ボールはそのままゴールへと吸い込まれる。大山の精度の高いキックが追加点につながった。62分には左サイドをドリブルで駆け上がった福岡がミドルシュートを放つ。ゴールへと迫るシュートだったが、惜しくもポストに弾かれる。続く65分に大山が相手ディフェンスラインの裏へスルーパスを送る。このパスに反応した﨑岡がボールをキープしてシュート。﨑岡が冷静にシュートを決め、勝利を決定づける5点目に。90分にコーナーキックから失点を許したが、試合はそのまま終了。5得点とア女が圧倒的な攻撃力を発揮した試合となった。

 

パスを出す大山

 

 コーナーキックだけで3得点とセットプレーでの得点力を見せつけたこの試合。宗形、大山と正確なキックを誇る選手がいることでセットプレーが確実に得点につながっている。しかし、守備では不安定な対応が続いている。2試合連続でコーナーキックから失点しており、この日の失点も共にコーナーキックからであった。「失点をしっかり分析して改善したい」と後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)が言うように課題は明白である。この課題を伸びしろと捉えることで更なるレベルアップへと結びつく。試合を重ねるにつれ成長を見せ、出場する選手全員が活躍している今期のア女。気温も上がり、タフなコンディションでの試合が続くなか、チームの総合力を武器に戦っていく。

 

(記事 荒川聡吾、写真 勝野優子、河邨未羽)

 

スターティングイレブン

 

早大メンバー(数字は背番号、◎はキャプテン)

GK 1 石田心菜(スポ4=大阪学芸)

DF 3 杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)

DF 5◎田頭花菜(スポ4=東京・十文字)

DF 28 佐溝愛唯(社1=大阪・大商)

MF 2 新井みゆき(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)

→76分、三宅万尋(スポ1=東京・十文字)

MF 10 築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)

MF 11 宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)

MF 14 大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディベレーザ)

→70分、白井美羽(スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)

MF 27 福岡結(スポ1=岡山・作陽)

FW 7 﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)

FW 15 千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)

→76分、米村歩夏(スポ1=宮城・聖和)

 

 

コメント

後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)

――試合全体を振り返りいかがでしたか

 入り少し悪いところはあったんですけど、課題もありつつ、強度高い相手に対して収穫もたくさんありつつ、選手たちは本当にこの暑い中とにかく頑張ったと思います。それが1番よく頑張ったところだと思います。

 

――ボールを保持してくる日体大に対して、どのように対策して試合に臨みましたか

 ポゼッションしてくるというよりは、強度が高いので、やっぱり自分達の時間が少なく、多少相手の時間があるかなという予測ではあったんですけど、自分達がどこで奪うかという整理を、(選手たちが)しっかりと体現してくれました。最初にやられてた部分は個の部分で軽く足先で行ってしまった軽い守備に対してスルスルと行かれて、ピンチを作っていたような場面で、崩されたということではないので、全体的に良い守備ができてたんじゃないかなと思います。ただ、やっぱり相手にスルスルと行かれたところは、うちの課題だと思っています。

 

――コーナーキックから3得点となりましたが、何か準備はされてきましたか

 セットプレーは年間を通して、セットプレーだけを練習するというわけではないんですけど、グランドマネージャー隊を中心となって攻撃に関するデザインをしていくのでそれがしっかり結果になって結びついたのは良かったなと。ただセットプレーの守備のところで点が入ってしまったところもそうなんですけど、その前の攻撃が大事で、1本目2本目に由真(﨑岡由真、 スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)とか梨々(千葉梨々花、 スポ2=東京・十文字)が抜け出して自分達の時間を押し戻したところがあってからの部分だったと思うので。得点も良かったですけど失点をしっかり分析して改善したいと思います。

 

――気温も高いコンディションのなか、選手交代も今日されていましたが、チーム全体の底上げはどんな状況ですか

 今年は1年生にタレントがいるので、前線に関しての交代はすごく昨年に比べてもありがたいなと。ただ、うちの中盤は強度も高いし運動量も高いし負荷が高いので。その中でハイプレスとディフェンスラインのカバーまでやってくれてるので。前線に関しては色々と見通しがついてきてる部分があるんですけど、中盤にもうちには良い選手がいるので、どんどん宗方とか築地とかそういう選手達を脅かすような存在が出てくることが1番チーム力としての底上げかなと思います。

 

――次戦の帝京平成大戦に向けて意気込みをお願いします

 監督が代わられて、今年どういうチームになっているかが読めない。なので、しっかりスカウティングして準備していきたいなと思います。

 

 

MF築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)

――今日の試合を振り返りをお願いします
 得点も危ないシーンも多く、なかなか安心できない試合でした。良いところも悪いところもはっきり出た試合だと思っています。

――おっしゃられた失点のところ、セットプレーからでしたがどのような課題を感じますか
 ずっと去年からセットプレーは自分の武器にしている部分で、ファーにすごく良いボールが来たので、あとは押し込むだけだと思いました。相手が目の前にいましたが、飛び込めるのが自分の良いところなので、しっかり触り切って押し込めて嬉しかったです。ポストに当ててしまって入らなかったのは、悔しかったですけど(笑)。

――セットプレーから3得点となったが、どういった準備してきましたか
 去年セットプレーを徹底しようとなってから、グラマネという役職を作って自分たちの分析をしたり、練習で改善すべき点などを細かく説明したりしたことで、シーズンの入りからみんなに詳細が行き渡っていることが良いことかなと思います。守備はまだまだ改善点が多いですが、こうやって今日の試合で成果が出たことも1個良いところだと思いました。

――最後に次戦に向けて意気込みをお願いします
 次はホームグラウンドで、去年前期には大敗している帝京平成大戦なので、勝つことを意識しつつ、自分たちのやりたいことをできるようにしていきたいです。やっぱり今日は守備のはめどころというか、人が変わった時にどういった連携をとるのかというところがもうちょっと良くできたかなと思う部分なので、そこを1週間いつもの繰り返しで修正しながら、みんなでいい試合にできたらなと思います。

 

 

MF大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 この気候で試合をするのは初めてだったので、この天候の中でどう試合を運んでいくかはチームとしても考えていたんですけど、最初は相手に押されてしまった部分がありましたが、上手く先制点を取れてその後も自分たちのサッカーをちゃんとできたところが、同点に追いつかれても逆転できた点かなと思います。

 

――ご自身の得点シーンを振り返ってください

 その前にもコーナーから点が入っていたので、チャンスなのは分かってましたし、コーナー蹴るところに立った時に、(ゴールを)狙おうと思っていたので、思った通りのボールが蹴れたかなと思います。

 

――セットプレーから3得点となりましたが、どういった準備をしてきましたか

 特に今までと変わりはないんですけど、その中で大事な試合で点が取れたのは、自分たちに取って大きな収穫だと思います。

 

――ご自身のコンディションは今どうですか

 まだアジア予選から帰ってきて、試合出たり離脱したりで、100%は戻ってきてないんですけど、ここからはちゃんと離脱しないで上げていけたらいいなと思っています。

 

――大山選手にとっての今シーズンの目標を教えて下さい

 個人としてはワールドカップがあるので世界一を奪還するために、選ばれるかはわからないですけどそこで力になること。ここ(ア女)が本当に主に活動する場所なので、ア女では、去年目の前で日本一を逃しているので、若葉さん(後藤若葉、 令6スポ卒=現三菱重工浦和レッズレディース)にも言われましたし、日本一をとりにいくために全力を尽くしたいと思います。

 

――次戦に向けて意気込みをお願いします

 リーグ戦で1位になるためには、次の相手は絶対勝たないといけないと思うので、しっかりチーム全体として試合をちゃんと振り返って、良いイメージで臨めるように頑張ります。

 

 

MF福岡結(スポ1=岡山・作陽)

――今日の試合を振り返って

 気温も高く暑かったなかで、相手が前からプレスをかけてくるチームで、そこをはがすのに運動量が必要になるきつい試合になりました。全員で最後まで集中して勝ち切れたことは良かったと思います。

 

――ご自身の1点目を振り返ってください

  由真さん(﨑岡由真、スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)がキーパーまでプレスをいってくれて、相手のセンターバックに出るなと思ったので、そこを狙いしっかりと決め切れて良かったです。

 

――コーナーキックから3得点となりましたが、どういった準備をしてきましたか

 キッカーがみなみさん(宗形みなみ、スポ3=マイナビ仙台レディースユース)と愛笑さんがすごくキックが良い選手なので、コーナーを強みにしたいなかで3点取れて良かったです。

 

――ご自身の2点目を振り返ってください

 密集の形でこぼれを押し込みたいなかで、うまくこぼれてきてしっかりと押し込めて良かったです。

 

――ウィングバックでの出場が多いですが、自分の特徴をどう生かしたいですか

 サイドの裏に蹴ってくれる選手がたくさんいるので、そこで受けてシュートに持っていったり、チャンスメイクしていきたいと思います。

 

――高校サッカーと大学サッカーの違いは感じていますか

 1体1の強度やもう一歩出てくるフィジカルが自分には足りていないですし、周りの大学生はそこでひとつ上にいるので追いつけるように頑張りたいと思います。

 

――次戦に向けた意気込みをお願いします

 次戦もしっかりと打ち切れるようにチームとして集中して個人としても結果が残せるように頑張りたいと思います。