【新歓企画】早スポ柱対談第3回 廣野一眞×飯田諒 | 早スポオフィシャルブログ

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早稲田大学でスポーツ新聞を製作する「早稲田スポーツ新聞会」、通称早スポの公式ブログです。創刊から64年を迎え、600号も発行。ブログでは取材の裏話、新聞制作の秘話、現役大学生記者の苦悩を掲載‥これを読めば早スポ通になれる!

 第3回は記録チーフの廣野一眞(商3=東京・海城)と、競走チーフの飯田諒(政経3=東京・早実)の登場です。普段からとても仲の良いお二人。息の合った掛け合いを見せながら、早スポの魅力をたくさん語ってくださいました。また、お二人とも昨年度ラクロスチーフをされていたので、これを読めばマイナー競技の魅力についても知ることができます!

 

※この取材は4月4日に行われたものです。

 

「全ての文字の責任は俺にある」(廣野)

 

得点を決め喜ぶ女子ラクロスの選手たち

 

ーー互いに他己紹介をお願いします 

廣野 飯田諒といいます。今は競走チーフをやっています。見ての通りいつもニコニコ、ニヤニヤ、ニマニマしています(笑)。学年や性別関係なくいろいろな人と仲良くしているのが印象的です。先輩からは可愛がられて、後輩からは慕われて、同期からは愛されて。求心力の塊のような人です。あと、LINEの返信が早いです。

飯田  廣野一眞くんは記録チーフをやっていて、早スポ的な面で言うと本当になんでもできる人です。私生活の面では、競馬が好きなくせに貯金しています。競馬が好きな人って普通は借金してるじゃないですか(笑)。この前もお金がないと言って早スポの春合宿に来なくて。詳しく聞いたら、貯金額が今いくつだっけ?

廣野 なんでここで俺の貯金額言わないといけないの(笑)。

一同 (笑)。

飯田  競馬をやっているのに、真面目な一面もあるという。(話が)めっちゃ浅いな(笑)。あとさっき俺が後輩と仲良いみたいなこと言っていたけど、どっちかというと廣野の方がそういうタイプで。俺はあんまり自分から話しかけるタイプではないけれど、廣野は気づいたら後輩たちに話しかけているから、これから入ってくる67期たちにとっては廣野の方が親しみやすいのかなと思います。

 

ーーお互いの印象はいかがですか

廣野 初めて会ったのは、1年生の箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝)取材の時です。1年生なのにもうカメラを買っていて、先輩とも駅伝の話題で盛り上がっていたので、同学年とはいえ自分よりもガチ勢で少しビビってました。その時はそれくらいの印象で、お互いラクロスチーフをやるようになってから話すことも多くなりました。自分が初めてチーフとして取材する時、千葉県の新検見川という場所までわざわざ一緒に来てくれて、そこから「飯田って結構優しいかも」と思い始めました(笑)。昨年の春はラクロス取材に来てくれる人があまりいなくて、大体二人きりのときが多かったですが、おかげで楽しかったです。今でも、俺の変なノリや突拍子もない会話とか何でも付き合ってくれてすごい助かってます。飯田がいると安心するし変なことを言えるので、本当に感謝です。実働してる人数が少ない65期(3年生)ですが(笑)、一緒にラクロスチーフとして、飯田に出会えたのはとても大きかったと思います。この柱対談も前から一緒にやりたいと言ってくれて、自分もそう思っていたので実現できてうれしいです。

飯田 初めて会ったのは廣野が言うように箱根取材の時です。その時に、親に早スポに入ってることを言ってないということを聞いて、やばいやつだなと思いました。それに加えて、テンション低い人だなと思っていました。というのも廣野くんは東洋大のファンなのですが、その時東洋大は最下位付近を走っていたからです。ただそのことについて当時軽くいじった記憶もあるので、最初から親しみやすい人だったと思います。あと、昨年男子ラクロスチーフを自分が、女子ラクロスチーフを廣野がやっていたので、早スポの中で一番一緒に取材をしていると思います。ラクロスのことについて話せる人は本当に少ないので、話していて楽しいです。ただ仲がいい分、誘いも断りやすくて(笑)。毎回廣野からの飲みの誘いをはぐらかしているので、そろそろ見限られそうで怖いです。今年こそはいきます。あと、テンションが上がった時に出る高い声が好きです。

 

ーー早スポに入った経緯を教えてください 

廣野 小学生の頃から箱根駅伝が好きで、高校3年の年末に箱根駅伝の情報をSNSで探している時に、早スポの記事を見つけたんです。早稲田にこんなサークルがあるんだと思ってそれを見た瞬間に入ると決めました。野球とかスポーツを見るのも記事を書くのも好きだったので、自分にすごく合っているなと思いました。

飯田 そもそも自分が早スポを知ったのは中学2、3年の頃で。

廣野 マウント取られた(笑)。

飯田 早稲田の駅伝が好きで、箱根駅伝前の対談を毎年追っていました。当時は早スポがサークルだと知らなくて、面白いことをやっている人たちがいるなという認識でした。それで大学入学前にマイルストーンを見たら、サークル紹介の欄に早稲田スポーツ新聞会の名前があって。サークルだったんだ、自分も入れるんだと思って新歓に行きました。その時に髙田さん(髙田凜太郎、商4=東京・三鷹中教校)と話したのを覚えています。すごく場を回している人がいるなみたいな。楽しかったなと思って、そのまま入会しました。

 

ーー初めて行った取材を教えてください

廣野 1年生の夏に競走部の早大競技会(早稲田大学競技会)に行きました。その時は同期が1人もいなかったし、他も全員女子の先輩だったので、すごく緊張しました。ほぼ何もしゃべらずに見学して帰りました(笑)。

飯田 俺も初の取材はほぼ何もしていなくて。京都まで競走の全カレ(日本学生対校選手権)を取材しに行ったんですけど、3日間でやったことが字起こしだけで(笑)。先輩がインタビューしているところにくっついて行っただけでした。全カレは運動会を全大学の規模でやるみたいな感じで、応援も楽しくて盛り上がっていたのが印象的です。初めての取材の印象としては、俺って何にもできないんだなって。

廣野  絶対いらないよ最後の一言(笑)。

 

ーー早スポに入って良かったことは何ですか

廣野  同じ趣味を持つ人に会えたのが一番大きいと思います。野球とか競走とかいろいろなスポーツが好きな人がたくさんいるので、そういった人たちに出会えたことが良かったです。 

飯田  選手と話すというのは早スポに入っていないとできないことだと思っています。もちろん早稲田大学にいるから頑張れば話しかけられるけど、それとはまた違った接し方を大学のサークルの身分の中でできます。友達としてではなくて、礼儀やマナー、リスペクトを持った上で話せるのは早スポに入って良かったことだと思います。いつもはテレビとかに出ている人と生で話せるというのは早スポでないとできないことだと思います。

 

ーー早スポの魅力を教えてください 

廣野  ほとんどのサークルは、そのサークル内で交流が完結してしまいます。ただ早スポは、部活動の選手や社会人などサークルの外の方々と接する機会もあり、サークルの中で完結することなく、いろいろな方向につながりを持てるところが最大の魅力かなと思います。

 

ーーお二人は昨年度にラクロスチーフをしていましたが、その中で楽しかったことや苦しかったことを教えてください

廣野 自分は高校の時にラクロスをやっていたという、つながりだけで女子ラクロス部のチーフになりました。最初は誰も知らない状態だったけど、3回目くらいの取材からすごく情が湧いてきて。勝ってほしいな、とか。一人のファンとして気持ちが引き込まれるくらい、良いチームを取材させてもらったなというのが印象に残っています。選手も本当に優しくて、こんなやつにも明るく話しかけてくれました。対談とかで無駄話をできたのも良かったと思っています。この前、昨年の主将の卒業記念記事を書いたら、主将から「素敵な記事をありがとうございます。1年間取材してくれてありがとう」というメッセージが来て。それを見たときに、1年間やってきて良かったなと思いました。きつかったことは…特に(笑)。

飯田 ラクロス(チーフ)って楽だからね(笑)。

廣野  本当に楽だからね。ただ、負けて選手が泣いてしまっている時も取材しなければいけないので、そこの狭間で(インタビューに)行って良いのかなというのはありました。あとチーフとして2回目の取材が1人取材で、その時に初めて1人で選手にインタビューすることになって。不審者みたいに話しかけました(笑)。それが強いて言えば大変な部類に入るかなと思うけれど、全部が楽しかったです。 

飯田  楽しかった取材を1日だけ挙げるとするなら、夏に行われた1年生のためのサマー(新人戦サマーステージ)という大会です。4試合あって、全て1点差で勝ったんですよ。サッカーとかならあるかもしれないけれど、ラクロスでは基本そのようなことは無いです。加えて、全ての試合の展開がすごくて、大逆転で勝利したり、試合終了間際に追いつかれたり。いろいろなパターンの試合を、それも1点差の勝利で味わえて、なおかつ優勝できて。当時は知らなかったけれど、早稲田はこの時4連覇が懸かっていたんです。選手たちがものすごいプレッシャーを感じていたことを後から知ったというのも含めて、印象に残っています。記者としてではなくファンとして楽しい取材だったなと思います。つらかったことを挙げると、ラクロスは夏に大会があるから基本暑いところです。会場は屋根も無いし雨が降っていてもラクロスはやるので、天候的なところで苦しい部分はありました。メンタル的に苦しいことは無かったかな。基本は楽しい取材でした。

 

ーーメジャー競技が注目されがちですが、ラクロスをはじめマイナー競技を取材してきた中で気づいた魅力を教えてください

廣野  自分は今こうやって1つのサークル活動をしながら大学に通っていて、それでも少し大変だなと感じる時があるのに、部活に所属している選手たちはそれとは違って練習とか試合があって。ラクロス部なんて全員が朝から始発で練習場に向かって、オフの日も自主練するくらいみんなストイックにやっています。大学4年間の全ての時間を競技に費やす選手たちを見てすごく応援したくなるし、競技関係なく尊敬しています。

飯田 ラクロスの魅力は取材に来たら分かる。激しさ、スピード感、試合展開含めて全てが面白い。競技としてそれが一番の魅力なのかなと思います。あと早稲田の男子ラクロス部は、取材に行ったらメッセージ付きのお菓子をくれます。メジャースポーツでそういうことをしても、部の人はあまり認識してくれないんですよ。例えば競走部の記事を書いたらファンの人は応えてくれるけど、部の人たちには伝わりにくい。どうしてかというと、そもそも部として人気があって早スポだけでなくいろいろなメディアから取材を受けているから。その点でラクロスはそこまで他のメディアが取材していないので、取材した分だけこっちに返してくれるところが魅力だと思っています。

 

「尊敬すると、その先輩の後ろしか歩けないから超えられないんです」(飯田)

 

東京六大学対校でアベック優勝を果たした、早大競走部男女マイルメンバー

 

ーー印象に残っている取材を教えてください

廣野  全部話したい(笑)。

飯田 俺は箱根駅伝を話しとくか。今まで箱根駅伝は家で一人で見るものだったけど、早スポに入ってから取材のために電車に乗って追いかけるという経験をしました。その時に初めてみんなで駅伝を見て、一人で見ているとつまらなくなる展開でもみんなで見ていると楽しいんだなと思ったのが印象的でした。それと、箱根駅伝の人気をテレビからではなく実際に(現地に)行ってみて体感しました。写真を撮るために沿道に出なければいけないんだけど、駅に近いところは人が多すぎるから遠くまで歩かなければいけない。東京に近づくと観客の列が2層、3層にもなっていて、箱根駅伝ってすごいんだなと感じました。 

廣野 自分はやっぱりラクロスの早慶戦です。女子はもともと慶大が強いので、前半が終わったくらいで5点ほどリードされてしまい正直厳しいかなと思っていました。そしたら最後の10分間で4点取って、1点差まで追い詰めて。結果としては1点差で負けてしまったんですけど、5000人の観客が一挙手一投足で歓声を上げたり、選手たちが生き生きとプレーしていたりするのを見ました。それがラクロスの記者から一歩越えて、ファンになった瞬間だと思っているので、印象に残っています。

 

ーー早スポの活動の中で意識していることや大切にしていることはありますか

廣野 あまり意識していないというか、思うがままに(笑)。

飯田 何その天才肌みたいな(笑)。

廣野 意識というか当たり前のことですが、カメラをやる時に、(試合を)見たいんだけど、我慢してファインダーをのぞくというのはあります。本当にその瞬間でしか見せない表情とかプレーとか仕草とか、その一瞬を見逃さないようにというのは、カメラをする時に意識してます。

飯田 記事を書くうえで意識していることならば、僕らは試合をもちろん見てるから、記事を書くのは別に難しくないけど、自分で書いてると自分は試合展開を見てるから、内容が足りなくても勝手に頭の中で補足できてしまう。1度書いただけだと、内容が足りないこともあります。でも記事を読む人って(取材に)参加してる人じゃなくて、試合を見ないで試合展開を知りたい人が読んでるわけじゃないですか。映像を見てない人でも、内容をわかりやすく、理解できるように書くことは心掛けているかなと思います。

 

 

 

対談中のお二人

 

ーー現在の役職について具体的に教えてください

廣野 今は記録チーフという役職をしてます。仕事としては紙面に載る記事に、誤字脱字がないか、表記が正しいか、読みやすい記事になってるかというのをチェックする作業をしています。

飯田 競走チーフは、競走部の取材をしています。合ってるよね(笑)?

 

ーーなぜこの役職を選んだのですか

廣野 記録と取材で何が違うかというと、取材は部の試合に自分たちが合わせて取材をしに行かないといけないです。だけど紙面制作に関しては、自分のタイミングで自分の好きな時間に好きなペースでできるので、それがすごい自分の性格にあってるなって思ったんです。それで、よく2年生の頃から記録の作業に行ってました。同期の中で自分が比較的記録の作業に行っている方で、記録の作業についても自分が一番わかってるなという認識があったので、自分がやらなきゃという責任感を感じてやりました。

飯田 競技チーフって、取材を統括するから部に絶対に詳しくなきゃいけないと思うんですよ。だからと言って、一番詳しい人がなるべきって言いたいんじゃなくて。なんで競走チーフついたかっていうと、僕は一番詳しくなりたいからチーフに就きました。チーフになったら、取材するために自分が書かない記事でも、班員が書いた記事を自分が添削しなきゃいけないから(競走について)詳しくなきゃいけない。ある意味自分を追い込むという意味で、もちろん競走部は好きだったから、じゃあ自分が一番詳しくなれば良いんじゃないと思って、競走チーフになれば競走に一番詳しくなれるからなりました。(早スポに)入った時、駅伝については詳しいって思ってたのに、当時(競走チーフ)の及川さん(及川知世氏、令6文構卒)とかの方が詳しいっていうのを目の当たりにして、自分が一番だと思っているのに勝てないんだって。俺がその時思ったのは、チーフだから詳しいっていう一面もあったのかなと思って競走チーフになりました。

 

ーー新聞制作を行っている東日印刷所はどんなところですか

廣野 早稲田以外にも明大スポーツや慶應スポーツ、スポーツ法政など他大学のスポーツ新聞団体も一緒に作業してて、他にも芸能誌などの一般紙もそこで同じ紙面のデザインを作る作業をしています。魅力としては、プロの人達が使うパソコンとかの機械を、自分たちも使わせてもらって同じレベルの新聞を作ることができるので、今まで何もしたことがない人でも普通のスポーツ紙に負けないくらいの新聞を作れるとていうのは、新聞制作の魅力かなと思います。

飯田 早スポの取材って、1日で完結しちゃうんですよ。けど新聞制作っていうのは早スポとして唯一何日間もやる、時間をかけた分だけの達成感を味わえるのは他の取材では味わえないことなのかなって思います。

 

ーー1年の新聞制作の流れを教えてください

廣野 編集長に代わって言います(笑)。通常だと、代が変わって1月号を作って、2月に卒業記念号。3月に新歓号を作って4月に早慶レガッタに合わせて作って5月に春の早慶戦に合わせて早慶戦号を作ります。夏は7月号を作って今年はパリ五輪があるのでそこに合わせて、パリ五輪号を作って、途中でア式の早慶戦号を作って、その後に10月号と秋の早慶野球号を作って、11月にラグビーの早慶号と早明号を立て続けにつくって、最後12月に箱根駅伝号を作って終わりです。

飯田 だいたい13回くらいです。

 

ーー記録チーフのやりがいを教えてください

 

廣野 やりがいというよりも、一般の人に拡散される記事だから、早スポとして恥ずかしくないレベルを保たないとという責任を持ちながら、それを原動力にやっています。

 

ーー今までで一番印象に残っている紙面を教えてください

廣野 今まで箱根駅伝号を2回と、ラクロスの記事広告面の面担をやらせてもらいました。特に最後のラクロス記事広告面は、記録チーフをやりながらっていう、今までにないくらい怒涛(どとう)だったけど、でもそれは自分からやりたいって言ったことなので。さっき言った通り、ラクロスが好きでラクロス部の力に少しでもなれたらなって思って志願させてやらせてもらったんですけど、デザイン自体、自分で言うのもなんですがすごく納得できるものも作れました。編集長(濵嶋彩加、社3=東京・早実)とか副編集長(小島大典、政経3=千葉)も褒めてくれたし、自分としても納得したものが制作できてよかったです。

 

ーー新聞で注目してほしいところはありますか

廣野 記事を見てほしいのもそうだし、やっぱり凸版と呼ばれる大きな見出しっていうのは、面担者がデザインとか大きさとか字体とかすごいこだわって作ったものだし、その他にも一つ一つの文字にこだわって作ったので、すべての文字を見てほしいです。全ての文字の責任は俺にあるわけだし。

 

ーー次に競走班の魅力を教えてください

飯田 例えばラクロスだったらラクロスしか取材できないけど、競走っていろんなのを見れるんですよ。種目がいっぱいあるから、自分に合った種目を見れるっていうのが1度で何度も美味しいみたいなのが魅力なんじゃないかなって思います。取材の中で競走が一番忙しいと思ってて、どの取材よりも出場する選手がたくさんいるから、写真もいっぱい撮らなきゃいけないし、種目も多いから、その分の記事も書かなきゃいけないし、でも求められてるから早く記事を出さなきゃいけない。SNSも選手の一人一人の結果を全部更新しなきゃいけないし、めちゃくちゃ大変なんだけど、その分やりがいがあるかな。

 

ーー短距離取材の魅力を教えてください

飯田 単純に足が速い人って憧れるじゃないですか。そういう人たちでも勝てないもっとすごい人を取材できる。(中学校や高校時代の)クラス対抗リレーで走っててかっこいいなって思ってた人よりも足が速い人を取材できるのはすごいことなのかなって思うのと、あと時間が(短い)。駅伝とか長距離のトラックって時間が長いから、展開がないところもありますが、短距離は一歩一歩に展開があって飽きがないっていうのがめちゃくちゃ面白いかなって。だから駅伝好きじゃない人でも短距離のほうが、面白いんじゃないかという風に思います。あと身体。短距離のほうが筋肉もかっこいいから、写真も様になる。国立(国立競技場)でかっこいい写真が撮れる。短距離は本当に短い距離だから一回しかチャンスはないけど、頑張ればいい写真が撮れるというのは魅力なんじゃないかなって思います。

 

ーー競走部で注目している選手を教えてください

飯田 まず短距離から2人挙げると、寺澤大地(スポ3=京都・洛南)選手と盛岡選手(盛岡優喜、スポ3=千葉・八千代松陰)です。2人ともこの春に3年生になったのですが、早稲田の短距離は長距離と比べて3年生から本格化するみたいなのがあって。寺澤選手の方は、専門が200メートルとかだけど100メートル、200メートル、400メートル全部走れるという点で注目しています。昨年、西裕大選手(令6教卒)というめちゃくちゃすごい選手がいたんだけど、その人は200メートルで「三冠」(日本学生陸上競技個人選手権、関東学生陸上競技対校選手権大会、日本学生陸上競技対校選手権大会の3大会で優勝すること)して、なのに4×100メートルリレーも出て、4×400メートルリレーも出て本当にマルチな選手でした。(寺澤くんも)そういう選手、競走部の中核を占める選手になれるんじゃないかなと注目してます。盛岡選手は何で注目するかというと、インタビューがすごく丁寧で優しかったので個人的に応援したという気持ちがあるからです。まだ2年生は対校戦に出ていなくて、3年目で満を持して登場するというところで 。2年の秋に行われた関東新人大会(関東学生新人陸上競技選手権)の400メートル障害で優勝して、110メートル障害で2位になりました。関東新人で活躍した選手が翌年に出てくるってのは、競走部あるあるなんですが、そのレールに乗ってるので注目してほしいかなと思います。長距離は伊福さん(伊福陽太、政経4=京都・洛南)という人がいるんだけど、ゼミの先輩です。普通、大学生ってマラソン走らないんだけど箱根駅伝後の2月のマラソンでも優勝して、それがサブ10。サブ10って2時間10分以内に完走することなんだけどそれで優勝して、早稲田歴代1位のタイムを出した。昨年とか一昨年は、駅伝シーズンにやっと調子が合ってきたみたいな感じなんだけど、今年は春から活躍してほしいなと思います。

 

ーー早スポで憧れの先輩はいますか

廣野 1学年上に髙田さんと結月さん(荒井結月、商4=神奈川・厚木)という商学部の先輩がいらっしゃって。それこそさっき言った記録チーフを、昨年はその2人が中心となってやっていました。一緒に作業することが多かったし、それ以外にも飲みに何回も行かせてもらって、いろんなことをおしゃべりしたくらい、すごい仲良くさせてもらった先輩です。今でも尊敬しています。2人とも自分の15倍くらいシゴデキだし、他の人と比べて、いろいろな角度から広い視野で早スポのことをよく見て考えているのはすごいなと思って尊敬してました。

飯田 尊敬すると、その人の後ろしか歩けないから超えられないんです。尊敬しちゃうと、その人の真似、その人が自分の教科書になってしまって、その人の教科書の中でしか動けないから。だから尊敬してる先輩はいないって言ってきたけど、2個上の競走チーフの及川さんは尊敬の域を超えちゃってます。素晴らしい先輩です。何がすごいかって、競走部の全てを知り尽くしててかつ記事も上手いし、写真もできるし、ちゃんと仕事も振れるっていうので、本当にすごい先輩でした。俺が1年生の時に(2個上の先輩として)3年生の及川さんを見ていたから、余計に(すごいと)感じちゃうんだろうけど、そうとは言いたくないくらいすごい先輩です。

 

プライベートでも仲がいいお二人

 

ーー早スポの同期はどんな存在ですか

廣野 一番はみんな優しいです。みんな真面目だし、個性があるのはもちろんなんだけど、その個性がぶつかり合わず、邪魔にならないように、みんな周りのことを見て、周りの意見を汲みながら行動しているので、とてもありがたいし、居心地がいい同期かなと思っています。

飯田 刺激になる存在かなと思っています。例えば同じ日にやった取材で先に記事が上がっていたら悔しいなと思うし、いい写真を撮っていたらいいなと思うし、いい紙面を作ったらいいなと思う。先輩がそれをやっていても、先輩だからって自分に言い訳できちゃうけど、同期だからこそ言い訳できない。自分を高めてくれる存在だなと思います。

 

ーーラストイヤーの抱負をお願いします

廣野 自分たちの代が中心となって新聞制作をするようになってまだまだ足りてないところはいっぱいありますけど、それでも自分たちの力で新聞を作るってすごいことだと思うので 、みんなと協力して、一つでも印象に残る新聞を作っていけたらいいかなと思ってます。

飯田 65年以上の歴史があるサークルで、それを、バトンミスしないでつなげるように、繰り上げスタートにならないように。66期(2年生)にバトンをつなぐというのがまず大前提としてあって、その中で65期の先輩はこういうことやってたよね、みたいに少しでも語り継がれるような先輩になりたいです。あと、67期の柱対談で憧れって言ってもらえるように頑張ります(笑)。

 

ーー最後に新入生へのメッセージお願いします

飯田 もう早スポに入ろうって決めてる人がいるんだったら、競走班は、男子は俺がチーフでやってるけど、班員は女子ばっかだから男女問わず来やすいと思うし、こんな感じの性格だから怖い先輩ではないんじゃないかな(笑)。なので競走班の取材にぜひ来てほしいです。早スポに入るのか迷ってる人は、どのサークルでも言われると思うけど、一回入ってみてから考えればいいかなと思う。それで、もし早スポが合わなかったら辞めればいいし、本当に気軽な気持ちで入ってくれたらいいなと思います。ぜひ競走班で待ってます。

廣野 早スポに入ったからこそできること、早スポならではのことがいっぱいあるので、それをぜひ体験しに来てほしいです。

 

ーーありがとうございました!

 

 

(取材・編集 石渡太智、勝野優子、佐藤結、三浦佑亮)

 

◆廣野一眞(ひろの・かずま)(※写真左)

東京・海城高出身。商学部3年。記録チーフ。プロ野球・日本ハムのファンでもある廣野さん。推しは元選手で現コーチの谷内亮太氏で、ユニホームや応援タオルもそろえているそう。華麗な守備とイケメンな顔立ちが魅力だと語ってくださいました!

 

 ◆飯田諒(いいだ・りょう)

東京・早実高出身。政治経済学部3年。競走チーフ。ジム通いが趣味だという飯田さん。休日は、朝食を挟んで二度寝をしてからジムに行くそう。胸筋を鍛えるのがルーティンだそうです!