早大ラグビー蹴球部 新たに女子部が始動! | 早スポオフィシャルブログ

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女子部設立記者会見 4月18日 早稲田大学20号館

 

 4月18日、早稲田大学20号館にて早大ラグビー蹴球部女子部設立に伴う記者会見が開かれた。早大ラグビー蹴球部は今月1日に女子部設立に関するニュースを発表しており、会見には多くの報道陣が集まった。早大ラグビー蹴球部部長の恩藏直人氏、早大ラグビー蹴球部女子部ダイレクターの柳澤眞氏(早大ラグビー蹴球部OB、平15教卒)、ヘッドコーチを務める横尾千里氏(平27社卒)の3人から女子部設立に関する経緯や意義などについての説明があり、最後には入部した部員たちの紹介も行われた。

 

設立の経緯などを説明する恩藏氏

 

 女子部設立の発端は昨年5月に学生から柳澤氏への進言だった。「(女子ラグビー部のある大学が少ないために)ラグビーを続けたい女子は、勉強かラグビーかを選ばなければいけない」。学生からの話を聞いた柳澤氏は、男子にとっては文武両道を目指す環境が当たり前にも関わらず、女子がその選択をできないことに衝撃を受けた。また、早大は2022年の早稲田スポーツ発足125周年という節目に中長期スポーツ振興計画「早稲田スポーツBEYOND 125 プロジェクト」を実施しており、その中には女子アスリートの育成についての記載もある。しかし現在の早大ラグビー蹴球部はスタッフ陣を除き、女子部員はいない。そういった背景もあったことから、柳澤氏から提案をする形で早大ラグビー蹴球部に女子部設立の話があがった。そして同部内で議論が重ねられ、さらに大学との相談の上で今年4月の女子部設立に至った。恩藏氏は「女子部門を作ることによって男子部門も含めて早大ラグビー蹴球部全体の活性化につながれば、また早大にとどまらず日本全体の女子ラグビーの活性化につながれば」という思いを語った。

 

女子部設立に対する思いを話す千北主将

 

 ヘッドコーチを務める横尾氏は、7人制女子ラグビーの元日本代表でオリンピック出場経験もある早大OG。横尾氏自身も女子がラグビーをする環境がない中で、自分でその道を切り拓いて競技を続けてきた。今後は自らの経験をチームで活かしながら、早大ラグビー蹴球部女子部門をけん引する。「早大でラグビーをする意義をしっかりと考え、勉強もラグビーも大切に、早大の文化を持った部門として立ち上げたい。」と意気込みを述べた。

 

 今後の早大ラグビー蹴球部の組織体制は恩藏氏を共通の部長とし、男子部門と女子部門の2つに分かれることになる。しかし女子部はまだ正式な部門として大学から承認を得ていない。今年度からの5年間、選手を10人以上を集めて実績を残すことを条件に正式な部門として認められる。当面の間は人数の兼ね合いなどから7人制ラグビーの試合をターゲットに活動し、今年度は太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ昇格大会での優勝を目標に掲げた。

 

大隈講堂前で笑顔を浮かべる部員たち

 

 女子部設立という大きな局面を迎えた早大ラグビー蹴球部は、100年以上紡いできたその歴史に、今新たな1ページを刻む。初代主将を務める千北佳英(スポ3=東京・田園調布雙葉)は伝統の赤黒ジャージーについて、「早慶戦など数多くの早大の試合を観戦することがあっても、これまではかなり遠い存在に感じていた。男子部員150人の中で限られた者しか着られない赤黒を、女子部も身にまとうことになる。男子の歴史があってこその赤黒ジャージーの重みだと思うので、しっかりと感謝の気持ちを持って着たい。」と話した。これまで築いてきた早大ラグビー蹴球部の歴史や文化の全てを、これからは女子部も共に背負い、伝統を受け継いでいく。今回の会見はその第一歩となった。

 

(記事 濵嶋彩加、写真 渡辺詩乃)