FW崎岡の芸術先制弾も 筑波大にドローで関カレ連勝ならず | 早スポオフィシャルブログ

早スポオフィシャルブログ

早稲田大学でスポーツ新聞を製作する「早稲田スポーツ新聞会」、通称早スポの公式ブログです。創刊から64年を迎え、600号も発行。ブログでは取材の裏話、新聞制作の秘話、現役大学生記者の苦悩を掲載‥これを読めば早スポ通になれる!

 

 

第38回関東大学女子サッカーリーグ 4月21日 筑波大学第1サッカー場

 

 

 関東女子サッカーリーグ(関カレ)は前期第2節、ア式蹴球部女子(ア女)は筑波大学第1サッカー場に乗り込んだ。22分にFW米村歩夏(スポ1=宮城・聖和)のクロスに、FW﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)が合わせ先制する。しかし35分にミドルシュートで失点し、試合は振り出しに。後半は互いが攻め合ったが勝敗は決せず、1-1の引き分けとなった。

 


最高学年となったGK石田心菜(スポ4=大阪学芸)。守護神としての立場は確固たるものに

 

 ア女が主導権を握った前半、6分にいきなりチャンスが訪れる。右サイド前方で崎岡が収めると、MF築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)がサポートに。ボールを引き取った築地が中にグラウンダーのクロスを送ると、フリーとなっていたMF大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)がゴールを狙うが、シュートは相手GKに阻まれた。スコアが動いたのは22分。相手のロングボールをカットしたところから、築地、米村、MF宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)とスムーズにつなぎ、エリア付近で再び米村へ。ドリブルで中に切り込んだ米村がマイナスにパスを送ると、走り込んだのは崎岡。テクニカルなチップキック気味のシュートで相手GKの頭上を抜き、2戦連続弾となるゴールを決めた。しかし35分、中盤でのパスを奪われると、そのままミドルシュートを決められ1-1。試合は振り出しに戻り、勝負の行方は後半へもつれ込んだ。

 

右CBで先発のDF杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)。印象的なロングフィードも

 

 再びリードしたいア女は、前日の関東女子リーグ前期第2節・東洋大戦で2ゴールのFW千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)を投入。68分には、宗形の右サイドへの正確なロングボールに、MF新井みゆき(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)、千葉とつなぎ、再び受けた新井が縦に仕掛けて、浮き球のクロス。逆サイドからゴール前に走りこんできた、途中出場のMF福岡結(スポ1=岡山・作陽)が合わせるが相手GKに阻まれ、こぼれ球に反応した千葉のシュートも、相手GK正面に飛んだ。直後の70分には、杉山のバックパスが弱くなったところを狙われ、ピンチに。しかし守護神・石田が巧みに距離を詰め、クリーンなタックルでシュートを防いだ。72分、左サイドで仕掛ける福岡を追い越した崎岡から、鋭いグラウンダーのクロスが上がる。逆サイドから走りこんできた新井が合わせるが、わずかに枠を外れてしまう。85分にもピンチを迎えるなど、一進一退の攻防は終盤まで続いたが、試合はそのまま終了。1-1の痛み分けとなった。

 

ドリブルする築地。2024ア女の「黄金の中盤」を構成する1人

 

 昨季は関カレ、関東リーグを合わせた4試合を全て勝利した筑波大を相手に、引き分けとなった。試合後の後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)は「他の大学の試合を見ても、やはりスコアは拮抗している。年々戦術的にも徹底的なことをしているチームが増えてきている」と表情を引き締める。確かに関カレ全体の実力拮抗、レベル向上感は否めない。しかし「王座奪還=日本一」を掲げる以上、このリーグをただの”前哨戦”にしてはいけないのは、昨季の王者が結果をもって証明している。2戦連続弾の崎岡は「色々な選手が、様々な角度からシュートを積極的に狙っていくべき」と課題を述べた。チームのポテンシャルは絶大だ。「爆発」の日を待ちたい。

                                               (記事 大幡拓登、写真 熊谷桃花)

 

 

スターティングイレブン

 

早大メンバー(数字は背番号、◎はキャプテン)

GK 1 石田心菜(スポ4=大阪学芸)

DF 3 杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)

DF 5◎田頭花菜(スポ4=東京・十文字)

DF 6 木南花菜(スポ4=ちふれASエルフェン埼玉マリ)

MF 2 新井みゆき(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)

MF 10 築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)

MF 11 宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)

MF 14 大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)

→82分、白井美羽(スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)

MF 24 三宅万尋(スポ1=東京・十文字)

→HT、福岡結(スポ1=岡山・作陽)

FW 7 﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)

FW 26 米村歩夏(スポ1=宮城・聖和)

→58分、千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)

 

 

コメント

後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)
――筑波大学相手にどのような意識で試合に臨まれましたか 

 (開幕戦の)国際武道大さんよりもう1つ2つフィジカル・強度が上がってくる相手だったので、前線からプレスをかけてくるっていうところも含めて、しっかり準備、対策をして臨みました。

 

――試合全体を振り返りいかがでしたか
 失点シーンに関しては、相手の狙いを準備していたにも関わらずやられてしまった部分でした。ただ相手を引き出しながら繋いでいくサッカーをする上では、ああいったリスクはある上での戦い方なので、そこに対してもっと相手を、出し手も受け手も見られることだったり、そういう質の部分みたいなところを改めて求められる失点だったなと思います。後半に関してはうちがある程度ハーフコートで押し込むような状況ではあったんですけど、最後はやっぱり得点まで行けないっていうところが、シュートも打てているようで、やっぱりゴールの枠外だったりキーパーの正面だったり、クロスもそうですけど最後のところがあまりにも質が低いという部分を、改めて練習の中から準備しなければいけないなと感じました。 

 

――シーズン2戦目でアウェーでは初戦だと思いますが、チームの仕上がり的にはどのように感じていますか
 まだ2戦目の段階で、まだまだかなり伸び代のある状態だなと思います。

 

――次節以降に向けて最後に意気込みをお願いします

 他の大学の試合を見ても、やはりスコアは拮抗していますし、年々戦術的にも徹底的なことをしているチームが増えてきていると思います。自分たちがそれを上回れるかというところが、本当に毎試合毎試合、楽な試合は1試合もないっていうところを改めて私自身もそうですし、選手自身も痛感したんじゃないかなと思います。次の試合も、今回の引き分けをいかに生かすかというところだと思うので、次に生かしたいと思います。


FW﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
――試合を振り返っていかがでしたか
 
攻める時間が長かった中、相手の体の張った守備を破りきれずに同点という結果で終わってしまったことはすごく悔しいです。

 

――ご自身の得点シーンは振り返っていかがですか

 ゴール前だったので、歩夏(米村歩夏、スポ1=宮城・聖和)が良いタイミングで落としてくれたのでしっかり決め切ることができて良かったなと思います。
 

――2試合連続得点となりましたがそこについてはいかがですか
 フォワードとして去年とは違ってもっと怖い選手になって、チームを救う選手になりたいと開幕から強く思って臨んでいたので、2戦連続でゴールを決められたことは嬉しいですね。
 

――前半特になかなかシュートまで行けない時間帯も続きましたが、プレーしていてどのように考えていましたか
 リズムよく崩せている中でシュートまで打ち切れていないというところがあったので、もっと次戦からは得点を増やすためにも色々な選手が様々な角度からシュートを積極的に狙っていくべきだと感じました。 

 

――最後に次節以降の意気込みをお願いします

 今回はとても悔しい結果だったので、次は絶対に勝ち切れるようにまた良い準備をして臨みたいなと思います。