【連載】早慶レガッタ直前特集「俺がやる」第1回 猪野日向子×仙田早紀 | 早スポオフィシャルブログ

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第1回は女子エイトの猪野日向子(スポ4=岐阜・加茂)と仙田早紀(文4=埼玉・浦和一女)にお話を伺った。早慶戦への思いや、早慶戦女子34連覇へのプレッシャーについて迫る。
※このインタビューは3月24日に行われたものです。

 

「みんなで日本一を目指すという熱さにひかれた」(仙田)

 

笑顔で質問に答える猪野(写真左)

ーー自己紹介をお願いします
猪野 猪野日向子です。加茂高出身です。
仙田 次4年生になる文学部の仙田早紀です。高校は埼玉県の浦和一女高で、同じくボートをやっていました。漕ぐ人じゃなくて、コックスっていう舵取りとかやっている人です。お願いします。

ーー漕艇を始めたきっかけは
猪野 日本一になっている先輩の姿がかっこよくて、私も日本一を取りたい、世界も目指したいという思いでボートを始めました。
仙田 私は小学生の時に、祖母が私の高校のボート部をモデルにした小説をプレゼントしてくれて、それを読んだ時に、今までは個人競技しかやったことがなかったんですけど、みんなで日本一を目指すという熱さにひかれて、高校に入って挑戦したという感じです。

ーーお互いの印象はいかがですか
猪野 まず優しくて、コックスっていうこともあって周りがすごく見えているなと思います。一人一人の良いところや、課題をちゃんと的確にアドバイスしてくれて、レースの時にはみんなを盛り上げてくれます。力が湧き出てくるようなコールをしてくれるのがすごく頼もしいです(笑)。副将としても本当に私を支えてくれて、とても助かっています。
仙田 ありがとうございます(笑)。(猪野選手は)本当に優しいし、優しい中でもすごく芯があります。目標に向かって頑張ったり、おーって引っ張る感じではないけど、みんなを包んで一緒に頑張るっていう持っていき方をしてくれるのが本当に頼もしいです。今年日本代表になったんですけど、自分の目標に向かってひたむきに努力できるところが本当にすごいなと思って尊敬しています。

ーープライベートでの交流は
猪野 同期がもう一人いるんですけど、たまに一緒にカラオケに行ったり…。
仙田 遊園地に行ったりとか。ディズニーとか。
猪野 ご飯食べに行ったり。仲良しです(笑)。

 

「プレッシャーはすごく感じている」(猪野)

 

質問に答える仙田(写真右)

ーー昨年の1年間を振り返って
猪野 早慶戦は33連覇をつなぐことができて良かったです。インカレは総合優勝を狙っていたんですけれど、シングルスカル、一人乗りは優勝で、他は3位とか4位という結果になってしまって、結果として総合優勝はとれなかったので、悔しかった思い出です。
仙田 あと一歩のところで勝ち切れずにみんな悔しい思いをしたので、今年は他大と比べて課題だったフィジカル強化とかを頑張って、早慶戦や夏に向けて準備しています。

ーー昨年の早慶レガッタを振り返って
仙田 今年は9人乗りなんですけど、去年は種目が5人乗りだったので、舟が違うと異なる難しさがあります。去年はバランスを重視して練習して、本番でも荒波の中で漕げたっていうのは良かったかなと思っているので、今年も漕ぎでバランスを取りつつ、力強く、スピードを求めていけたらいいなと思っています。

ーー今年も女子の種目は変わったが、そのことについて
猪野 去年までは仙田ちゃんしか隅田川を経験していないということで、最初は不安もあったんですけど、今の練習では結構スピードを求めているというところで自信もついてきて、クルーの一体感もだんだん高まっているなと思っています。出られる人数も増えたし、花形というところで、盛り上がるなというのはあるので、率直にうれしいというのがあります。全員で勝ちにいく、多くの人数で勝てるというのがうれしいことだなと思います。
仙田 5人は5人でぎゅっと固まっていて良かったんですけど、9人いると、声の大きさとか、盛り上がった時の「行くぞ」っていう熱気がより多く感じられて、私としても掛け声に反応してくれていたりとか、「揚げよ」って言った時に、バッて揚げる感じとかがそろってきて、乗っていて楽しいなと思います。レースも楽しみにしています。

ーー連覇へのプレッシャーは
猪野 プレッシャーはすごく感じています。ですが、みんながいるので。みんなでそのプレッシャーも力に変えて、プレッシャーも楽しんで勝ちにつなげられたらいいなと思います。
仙田 私もプレッシャーは感じているんですけど、それが達成できたらその分うれしいし、みんなで喜べるかなと思うので、それを楽しみに、あまり気負いすぎずにみんなで頑張っていけたらいいかなと思います。

ーー早慶レガッタへの思いは
猪野 ずっと私たちが生まれる前から勝ちがつながれてきたものなので、絶対勝たなければいけないと思っています。今の練習では良い感じのスピードになってきているので、あと1カ月もっとスピードを追い求めて、一体感をレベルアップさせて絶対勝ちたいなと思います。
仙田 私個人としては2年生の時から出場させていただいて、2年生の時は男子の方で負けちゃって、去年は先輩たちと勝って、今年は同期と後輩と、という新たなメンバー構成で挑むので、またみんなで勝ちの喜びを共有できたらいいなと思うのと同時に、女子、男子、セカンド男子、対抗って続くので、まず最初に勝って早慶戦も勢いづけたいし、女子みんなで勝って、この先の全日本、インカレに向けても自信を持つきっかけになるような大会にできたらいいなと思っています。

ーー早慶戦で注目度も高いが、観客の存在について
猪野 うれしい。
仙田 うん、うれしい。

ーー他の大会とは雰囲気が違いますか
猪野 そうですね。多分ボートも知らないような人たちも見に来てくれるので。
仙田 お祭りみたいな感じ。人がいてくれて明るい雰囲気があるなって去年思ったので、そこはうれしいし、楽しみです。

ーー応援があった方がやりやすいですか
猪野 燃えます(笑)。
仙田 燃える(笑)。

ーー女子エイトでの自身のポジションは
猪野 私は仙田ちゃんと対面になるような位置で、ストロークという一番前でリズムを刻むポジションです。
仙田 私はコックスっていう、選手とは逆の進行方向を向いて、舵取りと声でみんなに状況やポイントを伝える司令塔のような役割をしています。


ーーここまでの仕上がりはいかがですか
猪野 (100点中で)70、80くらい?
仙田 そうだね。
猪野 80点くらいですね。

ーー残りの期間で詰めたい部分は
仙田 長い距離をずっと同じスピードで漕ぐ時に、力みが出ちゃってのびのび漕げなくなってしまうところがあるので、長い距離を漕ぐ練習だったり、来週1000メートルのレースに出場するので、緊張する中でもパフォーマンスを発揮するという練習ができたらいいかなと思います。
猪野 先週、隅田川で初めて漕いでみたんですけれど、うねりだったり、波の影響でオールを波にはたいてしまうところがあったので、そういうラフコンディションの中でもしっかり漕ぎ通せるようなスピードを出せる漕ぎができたらいいなと思います。長く、大きく漕いでいけたらいいと思います。

ーー最後に早慶戦への意気込みをお願いします
猪野 早慶戦は本当にOB・OGの方々、保護者の方々だったり、特にマネジャーさんには、その方の支えがあってこその早慶戦だと思っているので、感謝の気持ちを忘れずに、女子は必ず34連覇につなぎたいと思います。
仙田 『One WASEDA』というフレーズがあるんですけど、自分たちでも頑張るし、一緒に戦ってきた仲間たちで、OB・OGの方たちとも一緒に頑張るという気持ちを持って、先陣切って勝てるように頑張りたいと思います。 

ーーありがとうございました!
(取材、写真 小島大典、西本和宏 編集 権藤彩乃)

 



猪野 日向子(いの・ひなこ)(※写真右)岐阜・加茂高校出身。スポーツ科学部4年。
仙田 早紀(せんだ・さき)(※写真左)埼玉・浦和第一女子高校出身。文学部4年。