日韓新人戦王者による日韓戦が開催!国を代表しての戦いは引き分けに終わる | 早スポオフィシャルブログ

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 昨年の12月に第7回大学サッカー新人戦を制したア式蹴球部(ア式)。日本代表として韓国の地で開催されたDENSO CUP SOCCER 第2回日韓大学新人戦に参加し、韓国の新人戦王者の龍仁大学校と対戦した。試合前には日本国国歌も流れ、国を背負う代表として試合に臨んだア式。試合が始まると先に主導権を握ったのはア式だったが、得点を奪うことはできず。19分に相手のミドルシュートが決まり先制を許してしまう。それでもア式は再び流れを掴むと、38分、45分とMF谷口航大(社3=山梨学院)の連続得点で前半のうちに逆転に成功する。後半、追加点を奪い勝負を決定づけたかったア式だったが、なかなか相手ゴールに迫れず。75分には再び相手のミドルシュートが決まり同点に追い付かれる。最後まで3点目が奪えないまま試合は終了、大会規定により今大会は両校同時優勝という結果に終わった。

 

この試合2得点の谷口(左)

 

 立ち上がりはア式がボールを持つ展開になったが、なかなかシュートに結びつかない。17分に相手のコーナーキックでピンチを迎えるが、ここは凌いだア式。しかし19分、相手の最終ラインから前線へ長いボールが送られると、走り込んだ中盤の選手が頭で後ろに落とす。そのボールを拾った相手がペナルティーエリア(エリア)外から左足で強烈なシュートを放つとGK海本慶太朗(スポ2=大宮アルディージャU18)の頭上を通りゴールへ吸い込まれていき、先制点を許してしまう。すぐに追い付きたいア式は27分、左サイドでボールを持ったMF山市秀翔(スポ3=神奈川・桐光学園)が斜めにパスを入れると逆サイドで待っていたDF佐々木奈琉(社3=新潟・帝京長岡)の足元にボールが渡る。エリア内に走り込んだMF本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18)にパスが渡るとそのままラストパス、最後はゴール前のFW鈴木大翔(スポ2=ガンバ大阪ユース)が合わせたが、枠を捉えることができなかった。その後は相手にペースを握られる展開が続く。それでも38分、エリアの外でボールを受けた本保がふわりと浮かせたパスをゴール前に入れると反応したのは谷口。ワンタッチで合わせて同点に追い付く。一気に試合をひっくり返したいア式は前半アディショナルタイム、エリア外右サイドでボールを持った谷口が遠目からゴールを狙うとそのままゴールに吸い込まれていき、前半のうちに逆転することに成功する。

 

運動量が目立った山市

 

 後半、追加点を獲得したいア式。立ち上がりは一進一退の攻防が続く。58分には途中出場のMF柏木陽良(スポ2=鹿島アントラーズユース)がシュートを放つも枠を捉えられず。やや押され気味のア式は74分に相手のクロスから危ないシーンを迎えると、続く75分にまたも遠目からのミドルシュートを決められてしまい、同点に追い付かれてしまう。勝ち越しを狙うア式は84分、鈴木のパスを受けて途中出場のFW伊藤猛志(スポ2=ジュビロ磐田U18)が抜け出したが、ここはシュートを打つことができなかった。終盤は相手に攻め込まれたア式、それでも海本が連続で好守を見せこれ以上の得点を許さず、試合は2ー2の引き分けに終わった。大会規定により延長戦は行われず両校同時優勝いう結果に終わった。

 

優勝トロフィーを受け取った増田(左)

 

 国を背負って戦うという独特の緊張感に包まれた試合で二つのスーパーゴールを決められながらも負けなかったというのは評価できる材料だろう。しかし、実力を発揮しきれなかった選手も多くいたと兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)も振り返る。彼らが今シーズンここからトップチームで活躍するためには、数段階の成長が求められるだろう。得られた結果は自信に変えて、浮き彫りとなった課題や思い通りにいかない悔しさは日々の取り組みの原動力に変えて、彼らがトップチームで躍動する姿が見られることを期待したい。


(記事 和田昇也、写真 荒川聡吾)

 

 

試合後インタビュー

兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
ーー試合を振り返っていかがでしたか

実力不足ですね。シンプルに前半で逆転できたことは良かったのかなっていうところですけど、 脳震盪疑惑だったり、足がつったりとのところで、イレギュラーもありながら、ただ交代選手で出したやつらがパワーを出せないっていうところでは、チーム力でまだまだ積み上げないといけないっていうところが1番じゃないですかね。

ーー後半は物足りなかったですか
そうですね。 やり方含め変えたわけじゃないっていうところでは、結局その人がいないとチームが機能してないってところでは、人依存になってるってところで、代わりに出た選手がプラスアルファの仕事をもうちょっとできなかったのかっていうところを踏まえて、そこのところの同じ役割だったり、そのポジションのやらないといけないことっていうところの整理が多分できてなかったりっていうところも多分あるのかなっていうとこですけど、そこら辺を自分で考えれるのか、しっかりこっち側から提示しないといけないのかっていうところの 判断をしないといけないなっていうところあるのかなと思いますけど。ただそのままだと考えてサッカーするっていうところまではたどり着かないので、そこを今回いい経験として次に繋げていくこと大事なのかなと思いますし、今回多分自分たちが1番感じてるところではあると思うので、今日出たメンバー全員がトップチームに当然行くわけじゃないって中では、それぞれのカテゴリーで何を積み上げられるのかっていうところをしっかりと かやっていくしかないのかなと思います。

ーートップチームを突き上げる個々の意識とか力みたいなところがもう少し欲しいですか
そうですね、このメンバーでほんとにじゃあ日本一になったのかと言われると、いやまぐれでしょとしか思われないようなチームだったと思うので、その時点で実力はないと思います。多分日本一は1回くらいなら奇跡でも取れる可能性はあると思うんです。けど、これを続けていくことが難しくて、勝ち続ける難しさだったり、日本一にふさわしいようなトレーニングだったりゲーム内容だったのかっていうところ踏まえると、日頃からまだまだ積み上げられてないなってところで、厳しい状況だったり、海外で試合する経験含めて、しかも日本を代表して今日国歌まで流れてという経験はなかなかできない中では、それを経験できたことはポジティブかなとは思うんですけど、これをバネにどれだけしっかりと反発して上がってきてくれるのかというのは、こちらも促しますけど、それはもうその人たちの感じ取り方だったりというところでもあるので、 これじゃダメだよというのを、トップチームで勝つってこういうチームだよっていうのは体現できるように。新人戦のメンバーも日本一、その学年でたまたま取れたかもしれないけど、実際に早稲田のトップチームに入って、この中で何人が試合に出られるのと言われたら全然出られないんで。そういうところの自分たちの目指す先ってそんなとこじゃないよというとこだったり、新人戦の優勝はインカレの優勝にほんとに繋がんの?というところだったり、もう1回追求して、毎日やり続けるしかないですね。

ーー新人戦を去年から戦ってきたこのチームのメンバーにこれから求めていきたいことはどのようなことですか
全国大会終わった直後に、日本一だけど、本当の意味の日本一じゃないというところは伝えていて。1、2年生の本当に優秀なやつはインカレに出てるので。インカレで抜けたメンバーがいる中でのたまたま優勝できたっていうところでは、自分たちがやったっていう自信を持ってもらいたいながらも、過信になってほしくないなという風にも思っていて。まだあくまで日本一じゃないっていうところをしっかりと自分たちのことを見つめ直して、本当の意味での日本一とはなんなんだっていうのを全員でまた追求してやっていくしかないのかなと思います。そこに対して自分って何ができるんだろうという、自分の個性だったり、チームっていうところに自分の個性を載せながら、自分の役割と個性っていうのをどう共存させていくかっていうところを全員で積み上げていきたいなと思います。