GKヒル袈依廉のJ1・サンフレッチェ広島への2025シーズン加入が内定! | 早スポオフィシャルブログ

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 27日、J1・サンフレッチェ広島は、GKヒル袈依廉(スポ新4=鹿児島城西)が2025シーズンより加入内定したことを発表した。ア式蹴球部(ア式)からは今季第一号、またア式のGKとしては、福島ユナイテッドFCに加入したGK上川啄(令4スポ卒=現横河武蔵野FC)以来、3年ぶりのプロ内定となった。



 ヒルの持ち味は何と言っても、194センチと生まれ持った手足の長さを生かしたセービング能力や、ハイボール処理だ。大学入学直後からコンスタントに出場機会を得ると、ア式の守護神として幾度となくチームを救ってきた。加えて、昨年ア式の監督に就任した兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)の攻撃的なスタイルの下、足元の技術にも磨きをかけてきたヒル。「(兵藤監督が)失敗してもいいから自信を持ってやってくれと声を掛けてくれたことで、恐怖心がなくなりチャレンジできた」と、キック精度やビルドアップ能力など攻撃の起点としてのGKの役割も理解し、プレーの幅を広げてきた。


1年時の大学選手権でPK戦に臨むヒル


 ヒルが内定したサンフレッチェ広島は、J1を3度制した経験があり、ここ2年はいずれも3位フィニッシュを決めている強豪クラブだ。ミヒャエル・スキッベ監督体制3年目の今季は、開幕から2勝2分で2位(第4節終了時)と好調を維持。指揮官が志向するハイプレスのスタイルがチームに浸透し、ゴール期待値やシュート数はリーグトップクラスの数字を記録するなど、リーグ屈指の完成度を誇っている。実際に練習参加をしたヒルも、「この選手たちを相手にするのは本当に酷なことだと感じた」と、選手やサッカーのレベルの高さを改めて実感したそうだ。

 今回の決断に当たって、複数クラブからオファーがあったこともあり、「本当に最後の最後まで悩んだ」というヒル。そんな中で、GKコーチの内田謙一郎氏(平11卒)とミーティングの度に話し合い、「自分次第、自分が活躍したいところに行く」という決断を下した。そして、主将の佐々木翔選手を中心に、練習参加の立場にも関わらず積極的に自身を巻き込んでくれたサンフレッチェ広島というクラブの雰囲気。また、同郷であり幼少期からの目標でもある大迫敬介選手という日本代表GKの元で、挑戦しながら様々なことを学び、選手として成長していきたいという思いがヒルの決断を後押しした。また、現在広島でGKコーチを務めている菊池新吉氏が、中学の頃から自身のプレーを気にかけてくれたという縁もあり、最終的にサンフレッチェ広島への加入に至った。


3年時のリーグ戦でゴールキックを蹴るヒル


 そんなヒルが目指すのは、オールマイティーなGK。「シュートも止める。ハイボールも空中戦も強く、攻撃の起点にもなれる足元のある選手。どの監督になっても使われるようなキーパーにはなりたい」と自身の理想像を語ってくれた。ゆくゆくは目標である大迫選手の牙城を越え、日本代表、世界を舞台に活躍できる選手になるために。まずは「ア式の守護神」から「広島の守護神」へと成長を遂げた姿を見せてくれることに期待したい。

(記事 髙田凜太郎 写真 山崎航平氏、大幡拓登 扉絵 和田昇也)

 

加入に先立って、自由なテーマでプロへの意気込みを書いていただきました!

 

◆ヒル袈依廉(ひる・かいれん)

2002(平14)年7月9日生まれ。194センチ86キロ。鹿児島城西高出身。スポーツ科学部新4年。関東大学サッカーリーグ1部通算23試合出場。2部通算18試合出場。