【自転車】明暗分かれた2日間 | 早スポオフィシャルブログ

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全日本学生選手権ロードタイムトライアル 6月1・2日 埼玉県加須市+羽生市・利根川上流域

 強風吹き荒れる利根川上流域でことしも全日本学生選手権ロードタイムトライアルが2日間に渡って開催された。1日目のチームロードタイムトライアルには大中巧基(スポ4=京都・北桑田)、有我行人(スポ3=早稲田渋谷シンガポール校)、佐々木勇輔(教3=埼玉・早大本庄)、谷口雄太郎(スポ3=東京・昭和一学園)が出場し、4位入賞を果たした。2日目の個人ロードタイムトライアルでは優勝を狙った佐々木がクラス1で10位と満足のいかない結果に終わり、明暗の分かれた2日間となった。

$早スポオフィシャルブログ「ただいま取材中!」-チーム一丸の走りを見せたチームロード

 各大学4人で力を合わせて1周約30kmのコースを計3周、94kmを走りきりタイムを競うチームロードタイムトライアル。先頭を走る選手は風による空気抵抗が大きいため、いかにうまくローテーションをするかがカギとなる。昨年、1周目を抑えすぎてタイムが伸びなかった早大。しかし、最初から突っ込むことは考えず「前半でスピードを上げすぎずにちゃんと3周目でスピードが乗るように徐々に上げていく」(大中)ことを意識した。ことしも他大学と比較すると遅いペースだが、1周目を昨年より約40秒速いペースで通過する。2周目も43分と順調にレースを進め、迎えたラスト1周。1人脱落し3人で走行する大学が多い中、4人で走りきった早大は2時間7分7秒でゴール。ワセダの持ち味である後半伸びのあるレースを展開し、チーム一丸の走りで4位入賞と満足のいく結果を残した。

 2日目にはロードレース・カップ・シリーズ(RCS)第3戦である個人ロードタイムトライアルが行われた。30.8kmの平坦な道のりを走る今回のレース。選手たちは一人ずつ間隔をあけてスタートし、ゴールまでのタイムを競った。実力者が集まるクラス1には佐々木と有我の2名がエントリー。まず出走したのは、試合前日に「優勝を狙う」と語っていた佐々木。しかし「走り出してから、調子が良くないなと思った」と、どこか自分の走りがうまくはまらない。終わってみれば昨年の自身のタイムよりも約40秒遅い42分29秒で10位。悔しさの残るレースとなった。また、「きのうのチームロードタイムトライアルで(力を)使い切ってしまった」という有我は、向かい風となった後半疲労から思うようにスピードが上がらず、記録は44分44秒で23位に沈んだ。今回優勝したのは全選手の中で唯一39分台をマークした山本元喜(鹿屋体大)。今レースで最も衆目を集めた山本に対し佐々木は「思った以上に力の差があった」とその実力を認めながらも、「(自分が)ロードレースで優勝を狙えるところにいるということは事実。十分チャンスはある」と次戦での巻き返しを誓った。

$早スポオフィシャルブログ「ただいま取材中!」-ラストスパートをかける佐々木

 完全燃焼とはいかなかった今大会。次戦はインカレ前哨戦とも言える全日本学生選手権個人ロードレースだ。個人ロードに懸けている大中と、優勝を狙う佐々木は昨年入賞した実績も持ち、相性の良さをのぞかせる。そしてロードの柱の一人にまで成長した有我。3人を軸としエンジの戦士が好走を見せることができるか――。火ぶたが切られる瞬間を見逃すな。

(記事 目良夕貴、末永響子 写真 北田ゆず、目良夕貴)


◆結果
▽チームロードタイムトライアル
早大(大中、有我、佐々木、谷口) 4位

▽個人ロードタイムトライアル
クラス1 佐々木 10位、有我 23位
クラス2 谷口 8位、伊藤 11位、関 43位、足立 52位、三浦 DNS
クラス3 手嶋 25位、森 47位、金子 DNF

▽女子個人ロードタイムトライアル
合田 4位

◆コメント
(1日目)
大中巧基(スポ4=京都・北桑田)
――きょうのレースを振り返って
めちゃくちゃきつかったです。ただ、4年目にして一番いい展開で計画的に走れたかなと思います。
――良い展開とはどのような展開ですか
計画通りにちゃんとトラブルなく最後まで予定通り走れたかなと。
――きょうのレースプランはありましたか
前半でスピードを上げすぎずにちゃんと3周目でスピードが乗るように徐々に上げていく感じです。アベレージをだいたい45分とかで固定して、一定で走れるように計画して、だいたいその通りに行けたのでいい感じで走れたかなと思います。
――4位という結果についてはいかがですか
やっぱり表彰台は狙いたかったんで3位以内に入りたかったんですけど、今のチームのこれが限界かなと思います。
――風の影響はありましたか
ことしはいつもに比べたら風は緩いほうなので、いつもよりかは楽だったかと思います。
――いつもはもっとひどいのですか
いつももっとひどいですね。きょねん、一昨年は爆風でした。
――補給で何か声を掛けられていたと思うのですが
補給で手間取ったのがあって…。それがタイムロスになったので、早く補給してくれよみたいな会話がありましたね。
――前を行く明大が早々と3人になりましたが
折り返しとかで前の大学が見えていたので、他の大学がどのくらいで走っているのかを見ていたんですけど、3人の割に全然追いつかないのですごいなーと思いましたね。まあでも、最後の1周で3人だとやっぱり疲れが出てくると思うので最後まで逆にそれを諦めないで粘れたかなと思いますね。目標にして走れました。
――次戦に向けて一言お願いします
個人戦ロードに懸けています。あのコースはそんなに上りもきつくなくて、結構得意なほうです。きょねん5位と上位でゴールできたのでことしは表彰台狙って頑張りたいと思います。

佐々木勇輔(教3=埼玉・早大本庄)
――だんだん順位を上げてのレースになりましたが、振り返っていかがですか
ペース配分は基本的に大中さんに任せていました。大中さんは配分がうまいので。昨年は最初に抑え過ぎたのでそれも考えましたが、やはり突っ込み過ぎずに抑えて最後まで4人で行くことを一番意識しました。あとは最後に余裕があれば上げるという感じですね。平坦は僕が引けるので、僕と大中さんが少し長めに引きました。ちゃんと最後まで4人で走れたことが、順位を上げられた原因だと思います。
――前を走っていた鹿屋体大、明大などは早々に3人でのレースになっていました
リザーブを見ると、このチームTTは例年、突っ込んでタイムを落としながら走るチームが多いです。僕らは鹿屋や中央ほど一人ひとりが強くはないので、4人で行くことが前提でした。他のチームが早めに3人になったのは予想通りだったので、それを見ながらいまの順位は負けているけど最後は逆転できるぞ、というのが割りと支えになって、中盤は走れました。
――4人のチームワークはいかがでしたか
全員がやりきったことをお互いに思えるチームロードだったんじゃないかと思います。
――Uターンがありましたが、コースはいかがでしたか
ターンだと、1回目のターンで滑って危ない目にあったりはしました。道はど平坦ですが、行きと帰りでは全然風が違うんですね。行きは50キロ近く出ますが、帰りは40キロちょっと出すのが精一杯でした。平均速度が10キロくらい違ってくるので、気持ち的に難しいです。行きに飛ばし過ぎると帰りに疲れてしまうので、同じ力を出しても向かい風区間では差がついてしまいます。いいタイムを出すには、向かい風区間で頑張ること、そのためにも行きで頑張り過ぎないという工夫が必要です。
――あしたの個人TTに向けて
昨年は総合で個人TTは12位だったのですが、僕は平坦が得意な選手なので、あすの個人TTと2週間後の個人戦ロードが1年の中で一番順位が狙える大会だと思っています。優勝を狙って走ります。

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