『行灯』の歴史を堪能した後、足を踏み入れたのは『印鑑』の展示場。
年代ごとに展示されていて、
印鑑がどのように変化/進化していったのかが見て取れます
もっとも古い時代のものは、文字の部分が凹んでいますし
『枠』がなかったんだそうです。
印鑑の歴史は大きく4つに大別されていて
1.官印
王、女王、官職など政をつかさどる身分の人たちが使用していたもので
南北朝時代以前はほぼこのタイプに該当します
2.魏晋南北朝官印
皇帝から外域への贈り物として作られる印鑑が増えてきた時代。
3.隋唐五代官印
この時期の官印制度に大きな変動がみられ、
政府各部署独自の印鑑があらわれてきます。
持ち手部分のデザインがシンプルになる一方で
印字面積や・デザインが大きくなり
文体は朱文小楷になりました。
この新しい印鑑制度の確立によって
秦漢印鑑制度の800年の歴史は幕を閉じました。
日本国語大辞典より
『朱文小楷』
※朱文・・・篆刻の印を彫る時の分類のひとつ。
字の周りを彫って字そのものを残すと印泥の朱が字について押したときに
字が朱色になって写るもの。 -はてなキーワードより
※小楷・・・細字の楷書。 -
4.宋金元官印
宋朝の官印は唐を踏襲しながらも、デザインに変化がみられます。
文字と枠が彫り出されており、枠線は細く、深く彫りこまれ、
後世の朝廷において使用されることになります。
さらに特徴的なのが、製造年や所属官署の刻印がみられることです
現代社会で、ハンコ文化が根強く残っているのは日本くらいかな、という
勝手な思い込みが私の中でありまして・・・。
なんせ海外で銀行口座を開いたこともありませんし。
もちろん、古代中国では重要だったことは想像できます。
『玉璽/ぎょくじ』は皇帝の権力を示すものですし
かの西大后も東大后の印なくしては政治的決定を下すことができなかったようですから。
たかが印鑑、されど印鑑。
いずれにしても日本では印鑑登録制度がありますので
『たかが』では決してないですけれどもね
↑参考になりますっ
デザインの合理化がすすみ、正方形にまとめられ
丸みをおびた流暢な文体になってきています