B40 | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

・・・といっても、爆撃機のことではありません。

分厚くて重い装丁本ではなく、文庫本と並んでコンパクト。 

電車等の移動時でも気軽に読める・・・そう〝新書〟のサイズ(判型)なんです。

日本でこの新書を初めて発刊したのは

 

 岩波新書

で、今から85年前の今日・1938(昭和13)年11月20日のこと。

これより遡ること11年前に創刊された岩波文庫(↓)が古典などを中心に収めているのに対し、書き下ろしで〝現代的な教養〟を培うための一般啓蒙書を廉価で提供することを目的として創設されました。

 

 

※イギリスのペーパーバック 『ペンギン・ブックス』 を参考に岩波新書のサイズは173×105mmと決められましたが、後発の新書にはこれと若干違うサイズのものもあり、一般的な〝B40〟は182×103mm。

 

この年23点の新刊が発売され、その後終戦前後はさすがに殆ど発刊されなかったものの、現在まで累計約3,000点以上が出されている同新書・・・実は表紙の色が歴史と共に変わっています。

初出版から1946年までの101点が赤。

戦後再スタートした1949年から1,000点までが青。

 

1977年から創刊40周年を記念して黄色になり、これが396点。


そして1988年からは新赤版、2006年からは色を変えずツヤ消しにしているそうです。


ちなみに、私が初めて買った岩波新書が、こちら。(

 

     ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草

 

『零の発見』 という名著なのですが、本のウラにしっかり買った日付を入れてまして、これが1973年8月・・・ちょうど50年前、中学3年生の時。

表紙下部に(通し番号)〝49〟と印刷されていますから、当然表紙は赤。

しかも昔懐かしい薄いパラフィン紙で包まれ、高級感があります。

 

ただ文字は現在よりもかなり読みにくく、老眼になりかけの私にはちょっと読み返すのは辛そう。😣

 

さて出版業界では、この岩波新書と中公新書(創刊1962年)、講談社現代新書(同1964年)を〝新書御三家〟と呼ぶそうな。

これに対して、内容が御三家に比べて柔らかくなったちくま新書(1994年)と光文社新書(2001年)、更に2003年の創刊時に 『バカの壁』 でいきなりミリオンセラーを出した新潮新書が〝新御三家〟。

更に朝日新書・幻冬舎新書など新規参入が相次ぎ、現在では20社以上の出版社から40レーベル以上、年間1,500冊以上の新書が刊行されているといいます。

なるほど、書店サーフィンをすると新書コーナーには新刊書が山積みされているのも頷けます。

ただ(旧)御三家と比べると、内容は啓発書というよりは生活ガイドブック的にかなり柔らかくなっています。

 

更に言えば、一発当たった題材を追っかけた2匹目のドジョウ的新刊も多く見受けられ、〝教養〟という言葉からは離れつつある感が拭えません。

 

活字離れが叫ばれて久しい昨今、出版社が売上第一主義にならざるを得ない事情も分かりますが、出来る限り新書の中身は厚さ同様薄くなって欲しくない・・・本好きの私としては、それが率直な願いではあります。


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