皆さんが学校で音楽を習う時、音符は〝ド・レ・ミ・・・〟で教えられたと思います。
実際にはこの音階、日本には雅楽で使用する『五音音階』などがあるように世界各国で様々なものがあります。
その中で現在最も普及している、この1オクターブを7つに分ける階名表記を今からちょうど1,000年前の今日・1024年6月24日に考案したといわれているのが、
グイード・ダレッツォ(991 or 992 - 1050)
Guido d'Arezzo
というイタリアの修道士・音楽教師でした。
カトリック教会に属するベネディクト会の修道士であったグイードは、聖歌隊がグレゴリオ聖歌を暗記するのに苦労していたことから、それを短期間で覚えられる方法を模索。
当時は旋律を表記する方法が確立されておらず、聖歌隊のメンバーは曲を耳で覚え、それを歌い伝えるしかありませんでした。
それゆえ覚えるのに時間がかかった上、歌い方にズレが出たり年月を経て曲自体が変わってしまう弊害が。
そこでダレッツォは4本(現在は5本)の線を引いた紙の上に四角い音符を書くという、現在の楽譜表記の原形を考案したのです。
これにより、聖歌隊は曲を正確に覚え記録し後世に伝えることが出来るようになりました。
彼が暮らしていたアレッツォの自宅入口には、それを記念した銘板が嵌め込まれています。(↓)
左端の〝ド〟が〝Do〟ではなく〝Ut〟になっていますが、これは発音しにくいため後に「主」を示す〝Dominus〟の頭を取った〝Do〟に変更されました。
(※フランスでは、現在もウトゥと発音するそうです。)
また当初の音階はラまでの6つでしたが、後に『聖ヨハネ聖歌』 の最後の歌詞から〝Si〟が加えられ、現在の7音階になったそうな。
因みに、この7音階の発音は各国で違いますが、主だったものは下記の通りです。
イタリア Do Re Mi Fa Sol Ra Si Do
米 ・ 英 C D E F G A B C
日 本 ハ ニ ホ へ ト イ ロ ハ
もちろん現在の楽譜では半音が間に入った12音階を使用していますが、なぜ1オクターヴの中に半音(黒鍵)が7つではなく5つなのか・・・不思議に思ったことはありませんか?
その辺の答えを探るのに、面白い本があります。
『音律と音階の科学』
(小方 厚・著 講談社ブルーバックス・刊)
この著者は音楽関係者ではなく、プラズマ波のフーリエ解析 (って何のことだか私には分かりませんが 😅)で学位を取った科学者。
なんでそんな畑違いの人が・・・と思いますが、実は現在一般的に使われている1オクターブ12音階の基礎は、かの有名な数学者・ピタゴラス (B.C.582-B.C.496) だと言われているのです。
従って、芸術たる音楽の基礎は、科学から解き明かさないといけない・・・というわけ。
普段なにげなく使っているドレミファソラシドが、どういう構造になっているのか?・・・興味のある方はご一読ください。