異 才 | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

少年時代から漫画大好きな私・・・『巨人の星』 ・ 『あしたのジョー』 に始まり、現在も連載が続く 『ゴルゴ13』 に至るまで、数え切れない作品を読んできています。


その中でも、ストーリーは関係なく画風のみで強烈に印象が残っている漫画家がひとり・・・それは


 谷岡 ヤスジ さん


今日は昭和時代に圧倒的な異才を放った、この漫画家の命日にあたります。

 

     

 

谷岡 (本名・泰次) さんは戦時中の1942(昭和17)年に、愛媛県宇和島市で生まれました。

幼少期から漫画家を志していたそうで、東京の進学校・保善高等学校の面接を受けた際には、志望動機を聞かれて

「漫画家になりたいから」

 

と即答し、赤胴鈴之助の模写を手渡したそうですが、面接官の教師から 「うちは漫画家を養成する学校じゃないから」 と返されてしまったものの、結果は無事合格。

しかもその教師は谷岡さんが高校を卒業する直前、「君は10年後面白い漫画家になる」 と高く評価したそうですから、彼の父親に天才と言わしめたのも頷けます。

実際、『やっちゃん』 という漫画で高校在学中にプロデビューを果たしていますし・・・。


しかしすぐ有名になったわけではありませんでした。

当初は無難なサラリーマン漫画を描いていたところ、「そんなありふれた漫画は売れない」と雑誌担当者に言われたことで、作風は激変。


1970年から週刊少年マガジンに連載された 『ヤスジのメッタメタガキ道講座』 が大反響を起こし、一躍売れっ子漫画家の仲間入り。


当時同誌を愛読していた私は、最初にこの漫画を読んだ時はド肝を抜かれました。


何たって、いきなりマス目いっぱいに広がる〝鼻血ブーッ〟ですもんネ。

   

 

あと忘れられないキャラといえば、〝ムジ鳥〟。(

 

     ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-アサー

 

無地な鳥だから・・・が名前の由来だという正体不明の鳥(?)が、「アサ~」 とか 「ヒル~」 等とビルの上で雄叫びを上げるナンセンス・シーンは、それまでに見たことがない強烈なキャラでした。


学校でクラスメートとこのムジ鳥を如何にうまく描けるか競争したものですが、おかげで今でもこのムジ鳥は結構うまく描けるんですョ。


その後一時期スランプに陥ったそうですが、私が社会人になってからも定食屋さんにおいてあった大人向けコミック誌・漫画サンデーに連載していた 『アギャギャーマン』 も楽しませてもらいました。


基本的に4コマ漫画だったと思いますが、登場キャラには何故か牛・馬・犬などの動物が多く、彼らが日本語で会話する事が多かった気がします。


雰囲気的にいえば、かつてお笑い番組に登場していた、両手に牛クンとかえるクンの人形をはめて一人コントしていたパペットマペットっていう芸人さんがいましたが、彼のギャグを漫画にしたようなもの・・・といえば少しは理解いただけますでしょうか?

 

描く漫画はハチャメチャですが、谷岡さんご本人は至極まとも(失礼!)な方。

 

はらたいらさんの代役で 『クイズダービー』 にも出演されましたが結構イイ男でしたし、周囲の人々の人物評は 「優しくて子煩悩な人格者」 だったとか。

 

そんな谷岡さんが56歳の若さで喉頭がんによりこの世を去ったのは、21世紀を半年後に控えた1999(平成11)年6月14日のこと。

 

昭和時代に異彩を放った谷岡漫画・・・刺激が強い現代に生きる少年たちが読んだら、どんな感想を持つのか? ちょっと聞いてみたい気もしますネ。

 

あらためて異色の漫画家のご冥福をお祈り致します。笑3


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