6月6日というと、私はオカルト(?)映画 『オーメン』を思い出すのですが、欧米の人々にとってはこの記念日として記憶に残る日なのでしょう。
ノルマンディー上陸作戦
正式名:オーバーロード作戦 (Operation Overlord )と呼ばれたこの史上最大規模の上陸作戦が南フランス沿岸で決行されたのが、今からちょうど80年前の今日・1944年6月6日のことでした。
当時ナチス・ドイツに占領されていた西ヨーロッパを奪還すべく、落下傘部隊の降下や艦砲射撃に続き、上陸用舟艇によって歩兵を上陸させるという、連合軍の大掛かりな作戦。
ちなみに、よくこの日を〝D-Day 〟と呼びますが、これはアメリカの軍事用語で重要な作戦決行日を指すものであり、必ずしもこの作戦時にだけ用いられたわけではないとのこと。
〝D〟の語源には諸説ありますが、日付を表す〝Day 〟の頭文字という説も。
でもそれじゃ〝Day-Day 〟になっちゃいますけどネ。😅
同作戦は連合国司令部によって1943年1月から構想が練られていました。
上陸地点はイギリスから最短のパ・ド・カレーが最有力でしたが、ドイツ側もそれを予想して強固な防衛体制を敷いたため、ノルマンディーに変更。
一方ドイツ側・ロンメル将軍はそれを読んで、600万個に及ぶ地雷を敷設するなど迎撃態勢を整えていました。
しかし当初決行を予定していた5日が暴風雨となったため、作戦は翌6日に変更。
ところがドイツ側はこの嵐が9日まで続くと考え、ロンメル将軍以下幹部は休暇を申請。
(偶然?にも6日はロンメル将軍の妻の誕生日でした。)
しかもイギリスBBCが間もなく上陸作戦を決行する旨の暗号放送をしたのをキャッチしたにも関わらず、ドイツ軍は迎撃態勢を取りませんでした。
それでも延べ300万人という兵力を連合国側が注いだにもかかわらず、ドイツ軍は必死に抵抗。
上陸地点のノルマンディーを制圧するのに約2ヶ月を要しましたが、この作戦によってヨーロッパの戦況は大きく連合国有利に傾く契機になったことは間違いありません。
この戦闘に関しては、ジョン・ウェインら豪華スターが出演した 『The Longest Day 』(1962年公開 邦題:史上最大の作戦。ちなみにこの邦題を考案したのは、当時FOXの広報に勤務していた映画評論家・水野晴郎さん)で詳しく描かれています。
しかし私が最も印象に残った同作戦での戦闘シーンは、S・スピルバーグがメガホンを取り1998年に公開された『Saving Private Ryan 』(邦題:プライベート・ライアン)
最も激戦を極め、生存率50%・約4,000名の戦死者を出したというオマハ・ビーチへの上陸を描いた冒頭シーンは、あまりに衝撃的。
まるで自分が兵士として参戦しているかのような錯覚に陥る程生々しいシーンの連続。
※その冒頭シーンの一部を、こちらでご覧いただけます。
史実を忠実に再現したというこの戦闘シーンでは上陸用舟艇を狙い撃ちする場面がありますが、あれで戦死した兵士などは殆ど犬死に状態。
戦没者の遺族は、ちょっと正視できないかもしれません。
国のトップが決断する戦争ですが、いつも血を流すのは名も無き兵士であり、涙を流すのはその家族・・・この映画を観るたびに、戦争の惨さを実感させられます。
〝D-Day 〟なんて言葉が、今後再び使われるような事態を招いてはなりません。