警官が犯罪の被害者になった場合、警察はその威信をかけて全力で捜査にあたる・・・と、よく言われます。
確かにその通りだと思いますが、それでも犯人を100%検挙できるとは限りません。
中には逮捕どころか特定さえできず〝お宮入り〟してしまうケースも。
そのひとつが、今からちょうど30年前のバレンタイン・デーに起きた
東村山警察署旭が丘派出所警察官殺害事件
別名・清瀬市警察官殺害事件ともいわれるこの事件は、1992(平成4)年2月14日午前3時20分頃、東京都清瀬市旭が丘2丁目にある警視庁東村山警察署旭が丘派出所で警察官が血を流して倒れているのを新聞配達員が発見したことで発覚しました。
中央が派出所の位置
倒れていたのは、大越晴美巡査長(当時42歳)。
巡査長は首や胸などを刺されており、病院に救急搬送されたものの午前4時頃に死亡が確認されました。
(巡査長は当日2階級特進して警部補に。)
通常の交番勤務は警察官2人1組で行っていますが、この時はもう一人の警察官が通報案件処理のため外出しており、派出所には大越巡査長1人。
派出所の机上には管内の住所が書かれた警察参考簿が出ており、道案内の地図も書かれていたことから、犯人は巡査長が一人になったところを見計らい道を尋ねるふりをして襲撃したと推測されました。
事件当時の旭が丘派出所
また犯人は鋭利な刃物で巡査長の頸動脈を切るなどした他に、紐を切って拳銃を強奪。
事件当日に服に血が付いた2人組の男を見たという目撃証言がありましたが、単独犯か複数犯かは判明せず、また犯人の遺留品なども見つかることはなく捜査は行き詰りに。
2006年には懸賞金300万円をかけましたが、有力な情報はなく・・・2007年2月14日を以って公訴時効を迎えてしまいました。
犯人特定すらできないという残念な結果に終わりましたが、この事件はまだ終わったわけではありません。
というのは、奪われた実弾5発が入った拳銃S&Wチーフスペシャルが未だ発見されていないから。
当該事件の3年前に練馬区で発生した中村橋派出所警官殺害事件の犯人が、「拳銃を奪って強盗をするつもりだった」と供述していたことから、警視庁は事件当初から拳銃を使った事件発生を恐れていました。
幸い現在までこの拳銃が使われたと思われる事件は起きていませんが、未だその所在は不明のまま。
拳銃が発見・回収されれば、大越警部補も安心して眠りにつけるでしょうが・・・。
もう公訴時効が確定しているのですから、犯人が自ら出頭して返却してくれれば良いのですが、拳銃不法所持の現行犯で逮捕されるでしょうから、それはまずないでしょう。
S&Wチーフスペシャル
万一、(↑)のような拳銃を見つけたら、
〝拳銃110番〟 0120-103774(ジュウミナナシ)
に通報を。 もしかしたら報奨金10万円を受け取れるかもしれませんョ。
もちろん、見つけても絶対に試し撃ちなどしないように!