相変わらず、国際社会の意向に反しミサイル・核開発を止めない、北朝鮮。
過去に複数回領土・領海上空にミサイルを飛ばした同国の存在は、日本にとって最も頭の痛い存在です。
かの国の指導者の暴走がいつ始まるか全く不透明な中、国防能力・体勢の充実を望むところですが・・・今からちょうど20年前の今日、その北朝鮮と一触即発の事態を迎えたことがありました。 それは
九州南西海域工作船事件
この海上保安庁の巡視船が初めて逃亡する不審船に銃撃を加えた出来事を、ご記憶の方も多いと思います。
2001(平成13)年12月18日、在日米軍から防衛庁(当時)に不審船の情報がもたらされ、それを元に海上保安庁は東シナ海の公海上で船体に 『長漁3705』 と書かれた国籍不明船を発見。
無許可操業の疑いがあったため強制捜査を行うべく停船を命ずるも、同船はこれを無視して逃走。
数日間追跡した末の12月22日、巡視船は機関砲による船体砲撃を敢行。
銃弾が燃料に引火し火災を引き起こしますが、船員がこれを鎮火。
続いて巡視船が接舷を試みようとしたところ、突然乗組員が小火器や対戦車ロケット弾を使用して反撃。
巡視船はやむなく応戦して激しい銃撃戦となるも、不審船は自爆とみられる爆発を起こして自沈。
この交戦で海上保安官3名が負傷、不審船乗組員は10名以上が死亡したとみられます。 (後に8名の遺体を確認。)
この追跡・交戦映像(10分)を、是非こちらでご覧ください。(↓)
映画やドラマのようなフィクションではなく、実弾が飛び交うリアルな映像に、思わず身体が硬直してしまいます。
この不審船は、北朝鮮・支那に配慮する一部左翼勢力の反対を当時の小泉首相が押し切って引き上げを決定。
沈没地点が支那の排他的経済水域であったため同国と粘り強い交渉の末、1億5千万円の謝礼金を支払って翌2002年9月11日、引き上げに成功。
遺留品の鑑定及び発見された遺体の検死結果から、同船を北朝鮮の工作船と断定。
同船は検証後スクラップにされる予定でしたが、日本船舶振興会(現・日本財団)が経費を全額負担して東京に移送・展示されました。
実は私、展示開始直後に女房共々見学したんです。
朝一番に行ったら、開館前から長蛇の列・・・まるで上野動物園のパンダ見物のようでしたが、船体に残された機関砲による銃痕の大きさと数の多さに、戦慄で体中の毛穴が開いたことを今でも鮮明に憶えています。
そして現在も、この工作船を見学することが出来ます。 展示場所は
『海上保安資料館 横浜館』
所在地は神奈川県横浜市中区新港1-2-1・赤レンガパーク隣
そう、観光名所・赤レンガ倉庫のすぐそば。
開館時間は10:00~17:00 月曜定休
但し年末は12月29日~1月3日まで休館とのこと。
入場無料ですので、観光等で横浜に行かれる方は是非足をお運びください。
※同館HPは、こちら。(↓)
領土・領海を護るために海上保安官や自衛官が命がけで職務に取り組んでいることを、きっと実感できると思います。
特に普段TVゲームのバーチャル世界でしか戦闘を知らない子供たちには、是非見学させて欲しいもの。
末筆となりましたが、普段暖房の効いた部屋でヌクヌク暮らし平和にクリスマスを楽しむ私たち国民を守るため、寒風吹きすさぶ荒海で監視活動等を命懸けで行っている海上保安官や自衛官に対し、心より敬意を表し、かつ感謝する次第です。