〝真綿色した シクラメンほど 清(すが)しいものはない・・・〟
昭和世代にはお馴染み、1975(昭和50)年にリリースされた小椋佳さん作詞・作曲による名曲 『シクラメンのかほり』。
布施明さんの甘い歌声は耳触りが良く、カラオケで歌った経験のある方も多いことでしょう。
代表的な冬の花であり、今日・1月14日の誕生花なのが、その
シクラメン
和名を 『豚の饅頭』 といいます。
これはシクラメンの英名が【sow bread 】(雌豚のパン=シクラメンの球根が豚の餌になることから命名)を日本語に翻訳したものだとか。
しかし可憐な花とはあまりにミスマッチな和名ですょネ。
だから殆ど使われないんでしょうけど。
因みに花言葉は、遠慮・内気・はにかみ。
色別だと、赤は嫉妬、白は清純、ピンクは憧れ。
・・・う~ん、いずれも私とは縁遠い感じですが、実はこのシクラメンには、個人的に忘れ難い思い出があるんです。
話は今から60年近く前・・・私が幼稚園児だった頃に遡ります。
とある日曜日の午後、両親がデパートに買い物に行こうとしたのですが、何故か私には留守番のご下命が・・・。
自分もデパートに行って遊びたかった私は、何度も 「連れてって~!」 とおねだりしたのですが、あっさり却下。
まぁ今にして思えば、はしゃいで鉄砲玉のようにどこへ行くか分からない息子を連れていけば、買い物どころでなくなることは十分理解できます。
しかし当時はそんなことなど分かろうはずもなく・・・どうしてもデパートに行けないと悟った私の目に飛び込んできたのは、玄関先に置いてあったシクラメンの鉢。
ちょうど(↑)の写真のような鮮やかなピンク色のシクラメンを両親が大切に育てていたことを知っていた私は、思わずその花びらに手をかけて全部むしり取ってしまったのです。😱
急に静かになった私を気にしてか玄関に出てきた両親は、茎と葉っぱだけになった鉢を見て絶句。
私を叱りもせず呆然と足元に散った花びらを見つめる両親の姿に、私はすごく罪深いことをしでかしたことに気付いたのでした。
当然のことながら、デパート行きは中止。
その日一日は、異様な静けさが家中を支配していたことを憶えています。
それ以来、シクラメンを見るたびにチクリと心が痛む私。
しかもこの件をずっと謝らぬまま、両親は鬼籍に入ってしまいました。
今後少しでも心が軽くなるよう、この場を借りて一言。
「オヤジ、オフクロ・・・それにシクラメンさん、ごめんなさい。」
〝花びらのない シクラメンほど 悲しいものはない~〟😰