先日、エネゴリ君の店にいた時のこと。 私はいつも最初に
「今日は他のお客さんの予約入ってるの?」
って聞くんです。
だって、もし他のお客さんが来店している時に彼をイジるとテンパッちゃって料理作りにミスが出たら、そのお客さんに迷惑かかるかもしれませんから。
すると、彼は
「いやぁ、ホントは入ってたんですけど、今日になってドタキャンされちゃって・・・。」
「あれま、それって最近ネットで問題になってるような大口予約のドタキャン?」
「いえ、大口じゃないんですけど、ボクの知り合いなんです。」
「何だョ、酷いな。 友達のいる店をドタキャンするなんて。」
「いや、友達じゃなくて単なる知り合いですから。」
「ふぅ~ん・・・じゃあ聞くけど、キミにとって友達と知り合いって、どう違うの?」
「どうって言われても・・・。」
「だって、たった今自分で区別したじゃないの。
何か判断基準があるんだろ?」
「う~~~ん・・・。」
と唸るだけの彼に、更に聞きました。
「じゃあさ、オレはキミにとって友達?知り合い?」
「そりゃ、知り合いですョ。」
と即答された私は、大ショック。
「何だょ、10年近く月に何度も店に来てるオレは、単なる知り合いってか?」
「だって、渡辺さんとボクじゃ歳が離れてるじゃないですか。」
(ここで、バイトの女の子が 「ブッ」 と噴き出す。)
「ってことは、お前さんの友達と知り合いの差って、年齢の違いなのか。 じゃあ、どれくらいの範囲内だと友達なんだョ。」
「う~んと、プラスマイナス5・・・いや、3歳ですかネ。」
(ここで、バイトの女の子が再び 「ププッ」 。)
「それじゃ、殆ど友達いないってことになるだろ。」
「えぇ、だからボク、友達少ないんです。」
「少ないのは、別の理由だと思うけどなァ・・・ま、それはともかく、こんなにお前さんを可愛がってるのに単なる知り合いって言われたから、もう食欲なくなっちっゃた。 今日は帰るワ。」
と言って席を立とうとしたら、
「えっ、マジっすか?」
「あぁ、マジっすょ。」
「あっ、渡辺さんは単なる知り合いじゃないです。 し、師匠です!」
・・・許す。