世界記録を集めたギネスブックには何人もの日本人の名が掲載されていますが、その中にあって風変わりな競技や参加人数の多さなどコロコロ変わるものではなく、シンプルかつ凄い記録として掲載されている項目の一つに、〝世界最高齢〟があります。
その男性部門の第1位として現在でも登録されているのが、
木村 次郎右衛門 さん
今日は、この記録保持者の命日・没後5周年にあたります。
「あれっ、泉重千代さんじゃないの?」
と仰る方もいらっしゃるでしょう。
私も以前120歳まで生きたとされる彼の記事を掲載しました。(↓)
しかしその後2012年に、ギネスブックは重千代さんの兄と記録が混同しているとして認定を取り消したのです。
残念ではありますが、それでも日本人が引き続き第1位の座に君臨(?)しているのは喜ばしい限り。
※因みに存命中の男性で今年4月に最高齢とギネスに認定された男性も日本人で、北海道足寄町にお住まいの野中正造さん(112歳)。
木村さんは1897(明治30)年に京都府で三宅家の6人兄弟姉妹の3番目として生まれ、跡取りとして木村家に婿入りし、9代目・次郎右衛門と名乗るように。
20歳から45年間郵便局に務め、一時期日本統治時代の朝鮮で政府の通信部門にも勤務した経験があったとか。
晩年は孫の奥さんと2人暮らしで、毎朝5時半起床・午後8時就寝という規則正しい生活を続け、食事は朝ヨーグルトやさつまいも・梅干、夜は牛乳を飲むのが日課だったとか。
また好きなテレビは国会中継と相撲。
なんでまたそんなお堅い番組を・・・と思ったら、ご本人曰く
「時代についていけないようではいけない。」
とのこと。 また新聞も天眼鏡を使って毎日2,3時間かけて読んでいたそうですが、おそらくそれも同じ動機だったのでしょうネ。
長寿の秘訣を聞かれて、
「好き嫌いなしに、控えめに食べること」
と仰っていましたが、それに加えて常に時事問題などに興味を持って脳を刺激していたことも大きかったのではないでしょうか?
それに以前重千代さんが長寿の秘訣は「年上の女性と付き合う事」と仰っていましたが、木村さんも国内最高齢になった時には取材陣に
「サンキュー、ベリマッチ!」
とおどけたそうですから、ジョークも大事な要素かもしれません。
ギネスブックから男性の世界最長寿の認定を受けた翌年の2013(平成25)年6月12日に亡くなられた木村さんの認定長寿記録は、116歳と54日。
ただ重千代さんの時にも問題になりましたが、木村さんの戸籍に関しても1955年の自治体合併に伴う個人データ統合時に、担当者が誤って誕生月を1ヶ月遅く記入しており、もしこれの修正が認められれば、記録は更に伸びていたとのこと。
う~ん、もったいない。 でもきっと木村さんご自身は、
「たかが1ヶ月くらい、気にしない、気にしない。」
とあの世でにこやかに笑っていらっしゃるかも。
末永く世界最長寿記録保持者としてその名が残るよう祈りつつ、ご冥福をお祈り致します。