以前拙ブログでは、ハドソン川に見事緊急着陸して乗客・乗員全員の命を救った機長のエピソードを記事にしました。(↓)
この美談は映画化もされましたが・・・残念ながら、こういう事例はごく一握り。
同じように川に着水(というか墜落)しても、こちらは悲惨な結末を迎えてしまいました。 それは、36年前の今日・1982年1月13日にアメリカで起きた
エア・フロリダ90便墜落事故
同日午後4時頃、ワシントン・ナショナル(現・ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル)空港を、エア・フロリダ90便(B737)が猛吹雪の中をフロリダ州タンパに向け離陸。
墜落する約1年前に撮影された同機
当然機体には着氷が・・・しかし駐機中の除雪作業が不十分だったこと、エンジン始動時のチェックでアンチ・アイス(防氷装置)の項目を機長がOFFにするミスを犯してしまいます。
更に滑走路で順番待ちしていた際、マニュアルの指示とは逆に前の旅客機のジェット噴流で融雪しようとして逆に着雪を促進する結果に。
そして滑走路を走り出してから,副機長は異常に気付きながらも機長は離陸を強行。
結局揚力不足で機体は離陸直後、ポトマック川に架かる橋に激突し、墜落。
乗員・乗客79人の内74人、更に橋の上を走行中の自動車に乗っていた4人の計78人が死亡。
客室乗務員1人と乗客4人が救助されたのは、不幸中の幸いでした。
※事故を起こしたフロリダ航空は、2年後に倒産。
凍りついた川に投げ出された生存者をヘリで救出する様子はニュース映像で流されましたから、ご記憶の方も多いと思います。(↓)
https://www.youtube.com/watch?v=I5nTuEzMpzo&t=229s
そしてもうひとつ、この救出劇の中で美談がありました。
墜落から20分後にヘリが到着した時、当初男性の乗客に命綱が渡されましたが、彼は2度にわたりそれを近くにいた女性に譲ったのです。
2人目の女性は手が凍えてローブを手放してしまいますが、それを岸から見ていた男性が飛び込んで助け、彼女は無事救出。
しかしヘリが3回目に戻った時、女性にロープを譲った男性は既に力尽き、水中に沈んでいたのです。
この騎士道精神に溢れた男性は、アーランド・ウィリアムス。
46歳の銀行監察官でした。
後日、彼には危険を顧みず救助活動を敢行したヘリの乗員2名と共に自由勲章が授与され、衝突された橋の名が “Arland D. Williams Jr. Memorial Bridge ” と命名されました。
また彼の故郷・イリノイ州には、彼の名が冠せられた小学校も新設されたとか。
まさに〝地元のヒーロー〟ですょネ。
レディー・ファーストが当たり前のアメリカとは言え、自分の命が危ない時に女性を先に救おうとするなんて、中々できることではないでしょう。
貴方は、できますか?
私は、その女性が美人だったら救おうとするでしょうが、女房だったら・・・。