不 発 | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

正月早々、縁起の良い話・・・と言い切るのは躊躇してしまいますが、今から55年前の今日・1959年1月2日、あやうく空中爆破されかけながらも無事着陸を果たした、


 『全日空機爆破未遂事件』


が起こりました。


同日午後、大分空港から大阪空港に向かう全日空64便(DC-3)が中継地である岩国空港に着陸しようと降下中の上空1,000mで、突如乗客の一人が後部ドアを開けて機外に飛び出したのです。

DC-3は全日空発足当時の主力旅客機で、同社初のスチュワーデスが乗務していた最新鋭機。

飛行中の旅客機のドアが開いたら、さぞや他の乗客も機外に吸い出されて大惨事に・・・と思う方もいらっしゃるでしょうが、当時の飛行機は現在の旅客機のように機内が与圧されていない旧型機であったため、最悪の事態を招かずに済みました。


マット・デイモンが主役のCIAエージェントを演じた映画 『グッド・シェパード』 (2006年米公開) のラスト近くで、息子のフィアンセが結婚式に向かう機内から男たちの手によって飛行中の旅客機から放り出されるシーンがありますが、まさにアレと同じような感じだったのでしょう。


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         <全日空DC-3 同型機>


この映画ではドアは蹴破られてフッ飛びましたが、この事件ではドアは機体にくっついたままで、しかも閉めることが出来ず。

もし風圧等で後ろに飛んで尾翼にぶつかると操縦不能となり墜落する危険があったため、機長はギリギリまで減速し、ドアが開いたまま岩国空港に緊急着陸に成功。

乗員・乗客は、飛び降りて行方不明となった乗客を除き全員無事でした。


飛び降りた男性は大分県在住の31歳の男性で、前年に結婚した19歳の女性と新婚旅行で広島・宮島に向かう途中。

新婦は睡眠薬を飲まされていて、新郎が飛び降りた事を知らなかったとか。

幸せの絶頂であったはずなのに、なぜ飛行機から飛び降りたのか?・・・そんな疑問は、機内の捜索でますます深まりました。


現場検証の結果、機体後部のトイレ便器から、ダイナマイト25本が発見されたのです。

男性が行方不明のため詳細は分かりませんが、彼が他の者にダイナマイトを盗ませたことや、彼と新妻2人に200万円の生命保険がかけられていたことから、航空機事故に見せかけようとした計画的な犯行とみられました。


しかし保険金詐欺を狙ったとするならば、何故彼自身が飛び降りたのか?

本人が行方不明のため、真相は永久に藪の中。


ハイジャックもまだ発生しておらず、乗客の手荷物検査もない牧歌的な時代ならではの犯行ですが、何とも謎多き事件でした。


新婚早々にとんでもない事件に巻き込まれた新妻が、その後気持ちを切り替えて幸せな人生を送ってくれていればいいのですが・・・果たして?うー



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