満 期 < 上 > | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

先日は新社会人の方々のためにお酒の経験談をご披露しましたが、今回はもっと大事な〝お金〟のお話です。

就職してしばらくの間の私は、正直社会人としては半人前以下・・・お金に対する認識が甘過ぎました。

毎朝出社して日常業務をこなしていれば毎月給料がもらえる、という能天気な日々を送っていたわけですが、そんな私の目を醒ましてくれる事件が起きたのは、入社して数年目・・・まだヒラ社員の頃のこと。

当時は積立型保険の販売が盛んで、1年に最低2回はキャンペーンが行われていました。

そんな中、ノルマ達成のために必要だったのは、満期を迎えたお客様に引き続き契約を更新していただく、いわゆる〝満返(※満期返戻金の略)回収〟。

回収率100%が理想ですが現実にはなかなかそうはいかず、更新していただけないお客様もいらっしゃいました。


5年前に200万円コースに加入された、都内で小さな会社を経営されていたD社長さんも残念ながらその部類のお客様で、契約更新をお願いしたのですが 「今回で終わりにします。」 とつれないお返事。うー


仕方なく満期返戻書類に署名捺印をいただき、内務担当の女性社員にそれを回したのですが・・・その満期日当日にトラブルが発生したのです。

それはD社長さんから午後1時過ぎに入った、1本の電話からでした。

「はい、渡辺ですが・・・。」

そう言い終わらないうちから、D社長の怒鳴り声が耳に飛び込んできたのです。


       ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-電話

「おいっ、今日振り込まれるはずの満期金200万円がまだ入金になっていないが、どうなっているんだ?

ウチは、その金を銀行への返済に回す算段になってたんだ。
入金がなかったら、不渡りを出して会社が倒産する。


もしそうなったら、どうしてくれるんだ!」 怒         


物凄い剣幕でまくし立てるD社長に、

「わ、分かりました。 とにかく至急確認して、折り返し電話します。」


と言って受話器を置き、書類を渡したその年入社したばかりの女子社員を見ると・・・彼女は泣きそうな顔で私を見ているではありませんか。

「すみません。 まだ書類を事務センターに送っていませんでした。」


一週間以上も前に渡したのに、何で?・・・と声を荒げようとした私ですが、既(すんで)のところで言葉を飲み込みました。

(新人の女の子に渡したまま確認しなかった自分も悪い。 それよりこれからどうするか、だ。)


運悪く、その時課長を始め先輩社員は全員外出中・・・もちろん当時は携帯電話なんてありませんから、すぐに報告も相談も出来ず。ダメだぁ顔


タイムリミットは、銀行が閉店になる午後3時までの2時間弱。

手元に残った書類を、呆然と眺める私・・・果た
して、D社長の不渡り・会社倒産を防ぐことができるのか?


                ・・・・・To be continued!



            ペタしてね