今から60年前の今日・1954年4月26日に、世界の映画関係者に最も影響を与えた日本映画が封切られました。
『七人の侍』
ご存じ、黒澤明監督の代表作です。
当時としては破格の製作費2億円が投じられ、志村喬・三船敏郎・加藤大介・千明実らがサムライ役を、そして農民役にも左卜全や津島恵子など錚々たる役者さんが勢揃い。
戦国時代、野武士の略奪により困窮した百姓たちが、サムライを雇って彼らを撃退しようと画策。
その誘いに乗った七人の侍が農村を要塞化しての武士たちを迎え撃つ・・・という、奇想天外な物語。
後半には泥沼の中での格闘シーンがありますが、実はコレが撮影されたのは真冬の2月。
しかも撮影当日はロケ地に雪が積もっていたため、設定の9月に見せるため大量の水を撒いた結果の産物だったとか。
この事実を知ると、真冬に殆ど裸同然で格闘した役者さんたちの気迫が、一層画面から伝わってくる気がします。
当時のハリウッド映画では、決闘シーンといえば炎天下の中が当たり前・・・それが泥沼の中で行われたのですから、それだけでも欧米に衝撃を与えたとか。
そしてその決闘シーンだけでなく、この作品自体が映画界に大きな影響を与えたことは良く知られています。
『地獄の黙示録』・『ゴッドファーザー』で知られるフランシス・フォード・コッポラ監督は同作品から影響を受けたことを明言していますし、ジョージ・ルーカスは彼の代表作 『スター・ウォーズ』 シリーズを宇宙版七人の侍として再現したかったのだとか。
実際ジュダイの騎士は、七人の侍のキャラクターをちがモチーフなのだそうです。
そしてリメイク作品としては、『荒野の七人』 が有名ですょネ。
この作品も、ユル・ブリナー、スティーブ・マックィーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーンにロバート・ボーンと、これまたスターが目白押し。
しかも続編まで作られたわけですから、その人気ぶりが伺えます。
この作品以外にもアイデアをパクッた映画やドラマが何本もあるそうですから、その影響たるや相当なもの。
現在はCGや3D全盛ですが、映画の原点に立ち返るという意味からも、こういう古い作品の価値をあらためて見直したいところです。
途中インターバルを挟んで約3時間半もの超大作・・・ まだご覧になっていない方は、是非!