終 夏 | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

昨日の朝、出勤しようと自宅のドアを開けたら、玄関先にアブラゼミが仰向けに〝寝て(落ちて?)〟いました。


猛暑の中、連日懸命に鳴いていた内の一匹が、遂に力尽きたのでしょうか。


ご存知のように、アブラゼミは(3~)6年間も土の中で幼虫として過ごし、羽化して成虫になると寿命は僅か7日程といわれています。


短い一生を終えたアブラゼミを、せめて土の上に移してあげようと右手でつまもうとしたら、なんと


「ジジジ、ジジジジシ・・・」


と激しく羽と足をバタつかせて抵抗するではありませんか。


(あっ、まだ生きてる!)


それならコンクリートの上じゃ可哀想、近くの木に掴まらせてあげよう・・・もう一度捕まえようとすると、やはり激しく鳴くのです。


しかし彼にはもう飛び立つことはおろか、仰向けの姿勢を変える力すら残っていないようでした。


(無理に捕まえると、かえって抵抗させて寿命を縮めてしまうのではないか?)


私は暫し迷った末、そのまま寝かせておくことに。


・・・そして夕刻帰宅すると、彼は朝と同じ位置に仰向けのまま。


           ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-セミ


人差し指でソ~ッと突ついてみると、今度はピクリとも動かず。

残念ながら、彼は息絶えていました


私は一旦着替えた後、小さなシャベルで土を掘り彼を埋葬しました。

正直、蝉の死骸を埋めるなんて小学生の時以来、何十年ぶりのこと。


飛べなくなってもなお、捕まるまいと必死に抵抗するいじらしさ・・・生きることへの執念を感じた私は彼への敬意を込め、そうしてあげたかったのです。


葬儀屋である前に、それを見届けた者として。笑3


今日は〝処暑〟・・・もうすぐ、夏も終わろうとしてます。




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