奴隷貿易に関する世界遺産 アフリカ編⑥ | 世界遺産・世界遺産検定をきっかけに、いろいろ知りたい私のまとめ

世界遺産・世界遺産検定をきっかけに、いろいろ知りたい私のまとめ

世界遺産。なんとなく味わうのもいいけど、どうせならクリアに自分の知識にしたい。「勉強」って空気感、嫌いじゃない。
ということで、地味に自宅ノートにまとめているものを公開してみることにしました。2014年9月スタート

シリーズ最終!
「奴隷貿易に関する世界遺産 アフリカ編①」 であげた9か所の、9個目です。

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タンザニアにある
◆キルワ・キシワニとソンゴ・ムナラの遺跡群 

公式テキストでの扱いは控えめで、観光に行く人も(特に日本人では)少ないようで、情報があまりない!

つまり、そんなに掘り下げなくても、例えば、世界遺産検定の点取りのためならスルーでいいんじゃない? 
というような感じも最初はうけましたが、

いやいや、こういうマイナー物件(失礼)にこそ、浪漫があるのよ~

ということで、雑学まじえながら勉強していきたいと思います。


"キルワ・キシワニ""ソンゴ・ムナラ"は、どちらも島の名前です。
大陸にかなり近い所にあり、ロドリゲス(コチラ参照)のような孤島ではありません。
小さい島で検定テキストの地図ではわかりにくく、インターネットの地図で探してみると、2014年10月現在、googleMAPの地図は曖昧で、島の形もよくわかりません。
yahooの地図だと、島の輪郭がはっきりわかります。参考まで。

どちらも小さな島で、5kmほど離れて隣り合っています。
特に ソンゴ・ムナラは、直径1.5kmほどのいびつな円形の島で、地図をいっぱいいっぱい拡大して、「これかぁ~」という感じ。


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1981年 登録
2004年 危機遺産リストに登録される
【理由】熱帯特有の気候や植生によって遺跡の侵食や破壊が顕著な反面、それへの対策が不十分なため
2014年 危機遺産リストはずれる
【理由】政府による管理と保護策が向上したということを評価

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"キルワ・キシワニ"

・8~15世紀 金、鉄、奴隷、香辛料、象牙等の交易などで栄えた。

・12世紀末~ 
 主にジンバブエ産出の金→ソファラ(モザンビークにある南部アフリカ最古の港)
 →アラブ・ペルシャ地域への中継港として発展  

 13世紀には、東アフリカ沿岸部最大の都市に

都市国家キルワは、
イブン=バットゥータ(700年ほど前に、世界大旅行をした人)が、以下のようにほめまくっていますので、相当すばらしい都市たったのでしょう。

 
「様々な都市の中で最も華麗な町の一つであり、最も完璧な作りである。」
 「世界で一番美しい整然とした町の一つで町全体のつくりが上品である」
 などなど、おそらくは、訳の違いでいろんな表現あり。

 (イブン=バットゥータが訪れた1330年頃、キルワはこの地域最大の都市)

金金金 
・ジンバブエのモノモタパで産出される金の貿易を独占して栄える


・1498年 バスコ=ダ=ガマ船団の進出。キルワの交易権は次第に奪われる
・1505年 重要な港ソファラをポルトガルが占領
 →徐々に衰退

・1512年まではポルトガル支配下
・1512年 アラブ人が奪回

・1569年に訪れたイエズス会の神父の言葉
 「かつては町に人々があふれ繁栄していたが今は貧しく権力も失われてしまった。」

 (ここらで少し盛り返す・奴隷貿易も行われていた)

ミルトン(イギリスの、17世紀の詩人)「失楽園」に登場

・1840年 島自体打ち棄てられる

★代表的な建物は 大モスク跡・ムクティニ宮殿跡


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"ソンゴ・ムナラ"

・記録はほとんどなく、14世紀から15世紀頃に繁栄していたらしいということが分かっているのみ
・ソンゴは海面、ナラは塔という意味らしい


◆キルワ・キシワニとソンゴ・ムナラの遺跡群 
 登録基準は、わかりやす~い。
(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠


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★★★おまけ★★★

イブン=バットゥータ
(1304-1368) について
・現在のモロッコでうまれた イスラム法学者・旅行家
約30年に渡る大旅行をした

ラクダ
 
北アフリカ、イラク、ペルシア、アラビア半島、ソマリア、スワヒリ海岸
 黒海沿岸地区、中央アジア、インド、東南アジア、中国
 北アフリカ、スペイン、西アフリカ
 (一部 行っていないとされる地域もある)
月の砂漠

・マルコ・ポーロ(1254?-1324)と並び称されているが、日本では、黄金の国ジパングをヨーロッパに紹介したことでマルコポーロのほうがはるかに有名
 …生没年から考えると、マルコが亡くなった時 イブンは20歳。
  翌年 1325年 イブン21歳の時に旅立ち、その後30年各地を旅行しているので、彼もジパングの噂はどこかで聞いたかな?


・1355年 当時のマリーン朝の君主の命で口述を行い
     『諸都市の新奇さと旅の驚異に関する観察者たちへの贈り物』 完成
     通称リフラRihla
     日本語では『大旅行記』『三大陸周遊記』と訳されいてる。


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さらにおまけ 

「ワクワク伝説」
 中世アラブの伝説
 ワクワクに関する現存最古の文献は、9世紀半ばのもの
 東方の彼方にあり、黄金に富むと考えられていた土地。
 ワクワク島・ワークワーク・ワク などと呼ばれる。
 日本の「倭国」に由来するとする説が有力