ショートステイの受け入れ どうしていますか | ホームホスピス われもこう

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熊本にある介護施設「ホームホスピス われもこう」のブログです。


 ホームホスピス《われもこう》に限ったことではないのですが、ショートステイの扱いはむつかしいですね。老健施設などで、ショートステイを受け入れているところは少なくありませんが、入りたい時に入れるとは限らないのです。小規模なホームホスピスではなおさらです。そのような需要があることは分かっていても、それに応えてあげることは容易ではありません。

 ショートステイの潜在的需要はたしかにあるのです。例えば、要支援の1か2くらいの高齢者で、家族と同居している人の場合。ふだんは、家族と同居し、認知症が軽度の場合、日常の生活動作は単独では難しいけれども、家族に少し支えてもらいながらならなんとかできる、というケース。

 家族に突発事が起こらなければこれでなんとかやっていけます。しかし、遠方での冠婚葬祭に子夫婦とも出席しなければならない場合などには、たちまち困ってしまいます。

 こんなケースも。認知症がまだそれほど進んでいないので「老健施設には入りたくない」という意思を明確に持っていて自宅で暮らす高齢者。身体介助が必要ですが、家族と同居していて、介助可能な人が家族内に複数人いるという例。旅行に連れて行くのは無理な状態。このような高齢者をひとり家に残して、一年に一度の旅行にも行けない、というケースもあるのです。

 これら以外にもいろいろなケースがあります。

 このような需要があるのを知っていても、自宅のような雰囲気をもつホームホスピスが、ショートステイを受け入れるのは容易ではありません。その理由は、ショートステイを受け入れるには、ショートステイ用の部屋スペースを空けておかなければならず、利用料のみでそれを維持することは、施設の運営の観点から決して楽ではないからです。

 「特別な」介護料を制度化してもらわなければ、必要な時にいつでも利用できる制度にはならないでしょう。つまり、サービスの安定供給はむつかしいでしょう。
                                       (南風)