大阪市:職員のメール調査 通知せず2万3400人分昨年、Googleストリートビューが憲法の問題の題材になりましたが、
これも憲法上の問題になりそうなところが多い気がします。
公務員の政治活動
通信の秘密
表現の自由
プライバシー権
部分社会論 など。
憲法の訓練に、ちょっと考えてみました。
そもそも職場での電子メールのやりとりに、通信の秘密や、表現の自由といった人権の射程が及ぶのか?
メールの仕組みをちょっとでも知っている人なら、組織が管理するサーバ上にメールが一定期間蓄積されていて、その内容をみようと思えば簡単に見れるわけだから、「通信の秘密」はもちろん、「プライバシー権」が保護されていると考えるのは全く根拠のないことのように思われます。
「表現の自由」を「コミュニケーションの自由」と捉えたとしても、職場の財産であるサーバやネットワークの管理権を無視してコミュニケーションをする自由まで保障されると主張することは難しいでしょうね。
また、職員については部分社会論の適用によって、内部的規律が優先され、司法判断が回避されるということもありそうです。
メールの相手方のプライバシーが問題になるかも知れませんが、第三者適格の問題もあるし、これもそもそも人権の保護範囲外という反論ができそうです。
そこで原告側としては、職場のメールを自由に使うことはあきらめて、「いくらなんでも事前告知なしにいきなり調査をするのは酷いじゃあないか」 という主張にもっていきたい。
つまり、自由なメールのやり取りを黙認しておいて、いきなり調査をして不利益処分を課す(実際に調査しただけで不利益処分には使用したわけではないですが)というのでは、どのような行為が監視されているかわからず、政治に触れるような行動は一切できなくなってしまうじゃないかと。
いわゆる萎縮効果が強すぎるという主張です。
そして、公務員の職務執行の公正・公平という目的達成のためであれば、事前に告知をすれば足りるだろうと。
市側としては、「公務員の政治活動は地方公務員法で禁じられている。今まで調査してなかっただけで、職場のメールでこんなやり取りをするのはそもそも違法だ。」といった反論が考えられます。
自分の意見としては、メールでやり取りすることは、集会に参加したりすることと比べると「市民における公務員の職務執行の公正に対する信頼」を害する程度は、一般的には低いと思うんですよね。
なので、調査結果をどう使うのかという点と、実際にメールでやり取りされた内容や、それまでの職場におけるメールの運用の実態など、具体的な事案を検討した上で、結論としてはどちらもあり得るのかなと。
・・・と、現実逃避はやめて、そろそろ刑法の勉強に戻らないと。。