ダイニングバー
「ときたま」
3話 PM8時からは、
ナイトクラブ「ときたま」
4.パーティーだ。+.。ヽ(*>∀<*)ノ。.+。キャハッ
スポットライトが、オープニング曲のイントロと共に、照らし出したのは
ナイトクラブ「ときたま」の歌姫麻子
「アゼルバイジャンの夕暮れは、、、、、」
OPENである。
ミラーボールが回り始めた、ホールの中で、ひときわ目立つ女性は
着物の襟をシュッと抜いた、柔らか物の黒絹に、赤い帯を締めた月美。
今夜は、珍しく、照美も出張っている。赤い絹のドレスをまとい、
髪をまっすぐに下した姿は昼間の制服からは想像できない別人。
美しいいで立ちである。
「来てくれたのね、聖人。ご無沙汰だったじゃないの。どうしていたの
変わりはないのお仕事が忙しかったの
あ、七五三の季節だからね。
」
「おいおい、いきなり質問攻めとはかなわないな、、、。
俺は相変わらずだよ。兄貴は来てるのかな
月ちゃん。
しかし、今夜も大繁盛じゃないか、、、。
麻ちゃん歌またうまくなったな。」
カウンターに座る、襟足の素敵な男は、陣内聖人。
そう、物書きで、ときたま農園をやってくれている、陣内先生の弟である。
聖人は、兄が継ぐはずの神社を継いだ。
神様を瞬時に呼び出す達人神主である。
電車を乗り継いで2時間半ほどの場所に神社はある。
今夜は、陣内先生のお宅に泊まるのであろう。
ステージの麻子が4曲目の曲が終わるころ
陣内先生が入り口から入ってきた。
「オー。聖人も来てたか、、久しぶりじゃのう。
景気はどうだ、、、。」
「七五三、、、。」
「あー。そうか、そんな季節か、、、。」
仲がいいのか悪いのかは、知らない。
ただ、ひとつだけ同じ共通点があるんだ。
それは、同じ、いきあい、間合いで喋るのである。
「ジンリッキーと、解禁のボジョレー開けてくれる?」
ハイ同時。
月美は、兄弟の間のイスに腰かけた。
「あたしは、酒ライムを1杯、、。頂戴するわ。」
「今夜も素敵だねえ。和服姿とはまた色っぽいのう。月ちゃん。」
「まあ、いつもながらお上手だこと、、、。
麻ちゃんが今度、プロ歌手オーデションに出るの。
上手くなったでしょう、そしてきれいになった。」
「ほんとうだな、、、。実にいい。」
「今日も来てるな、月ちゃん。カウンターの端に座ったスーツ姿の女。」
「ええ。先生、たぶん芸能関係者よ、、。麻子を見に来ているの、今日で、3日目、、、。
」
「相変わらずだねお二人さん。仲がよろしいようで、、、。」
ワイングラスを一気に飲み干すと、聖人は、照美にダンスの誘いをしはじめた。
「ふうーっ、、、。」
月美は、長い煙草に火をつけた。
今日は満月
月のあかりが窓越しから差し込むころ
「常夜あかり」のイントロが始まった、
ダンスタイムがはじまった。
つづく。
心の処方箋。ナイトクラブOPENだにゃん。