心の処方箋。今日も誰かが傷んだ心でやってくる。 | 心の処方箋

心の処方箋

日々、笑っていられますように…。なぜ私は生まれたの。何の為に…。

同じ時おなじ時間に、それぞれの時が流れる。

大切な時間の使い方を、、。

人は、人になるために生まれてきた、、。

そして、あなたは今、、、?

ダイニングバー

「ときたま」

2話

お昼ご飯と酒と占い

8 陣内先生とお酒

 

毎日、3回「ときたま」に顔を出すお客さんがいる。おいで

 

陣内先生だ。!!

 

陣内先生の朝は早い。あしあと

 

日の出とともに、「ときたま」菜園に向かう。あしあと

 

お昼までに、「ときたま」で使う無農薬野菜の栽培を任されている。星ルンルン

 

今日もかごにいっぱい取れたてのじゃがいもを持って来た。!!

 

「おーい。大和さんや、今日は旨そうなじゃがいもが収穫じゃよ。」ハート

 

「ありがとうございます。さっそく」ラブラブ

 

大和は、陣内先生のいつもの注文を、カウンターに急いで出した。アセアセ

 

陣内先生のごちそうは、ビールなのである。祈る人

 

キンキンに冷やした黄金色の液体と、爽快なのどごし。

 

夏でも冬でも年中ビールを必ず一杯飲むのである。キラキラ

 

畑で汗をかいた後は、生ビールと決まっている。!!

 

生ビールに、フライドポテト。夏でも、冬でも関係ない。!!

 

陣内先生は、ビール命である。!!

 

陣内先生曰く、おいで

 

「酒知らず、情けも知らん、世渡りは、人の非道と同じことなり」!!

 

酒を飲むことを知らない人は、人生の半分損をしている。

というのが、陣内先生の自論である。あしあと

 

私的には、お酒が飲めない人も世の中にはたくさんいるのだから、

いっぺんとうには、言えないとは思うが、

先生は、お酒を飲むことが、美徳と考えている。

 

こんなことがあった。

 

夜のナイトクラブで騒動が起きた。

酒の飲み方もろくに知らない若者たちが、

一気飲みを、クラブの女の子に面白がって強要した時のことである。

 

陣内先生は、一喝した。

 

時・処・位をわきまえよ。!

ここは、騒がしくして飲む場所ではない。!!

頭に氣をあげて酒を飲むべからず。!

ここはどんな人たちが来て、

どんな場所か、

あなたがたは、学生さんじゃろ、

ここで飲むのは、百万年早いのう。!!

騒いで、ゲスな飲み方がしたいなら、

通りの向こうの安居酒屋で好きなだけのめばいい。

酒は、肚でのむものじゃ。!!

天地の神様にありがたいと祈りながら、

憂いを祓い飲むものなんじゃ。!!

酒は、森羅万象の力で出来ておる。!!

感謝をしながら飲まずして、罰が当たるわい。!!

 

「金払えば文句ないんじゃないの?」

ひとりの坊ちゃんふうの男が、小声で言い返した。

 

陣内先生の顔色が変わった。

すかさず、先生の前に、

月美が腕組みをして

鬼の形相で仁王立ちした。

 

「みんな出ておいき。飲んだ勘定は結構よ。

そのかわり、

皆様に一言お騒がせしました。と

お詫びをしてから帰りなよ。

そして、先っきの先生の言葉を覚えておきなさい。

このことだったんだって、思い出す日が来るよ。

とっととお引き取りを、、、。」

 

酒は憂いを祓う珠(たま)ぼうき、、、。

 

粋ないいまわしだねえ。

 

月美さんも陣内先生もさすがの日本人。

 

平等院鳳凰堂には、この珠ほうきが、展示されているという。

 

今日も陣内先生の鼻歌が、「ときたま」菜園から聞こえてきている。

 

つづく。

 

 

心の処方箋。陣内先生大酒のみだにゃんラブラブ