舞台「夜想曲集」観て来ました | 明るいワラビネーゼの生活

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自称ご近所に住む漫画家北川玲子/きたがわれいこが、毎日のちょっとした出来事や楽しみごとを書いて見ました。
週末は長年習っている大人のクラシックバレエのことを4コマ漫画にしてアップしています。

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天王洲銀河劇場でカズオ・イシグロ原作の
「夜想曲集」観て来ました

原作が好きだったので
行ってみたんですが

きたがわ、おばさんなんで知らなかったんですが
主演のチェリスト役の東出昌大さん

人気ある俳優さんなんですね


カズオ・イシグロの世界にぴったり

立ち振る舞いも
チェロを弾く姿も
とてもすてきでした

原作、しぶいわりには
若い女の子いっぱい来てたような


舞台装置もすてきです


お話の舞台である
ベネチアの街とホテルとレストランを
組み合わせて表現した
白い舞台

すてきだと思ったら
美術は現代美術家の
やなぎみわさんでした



お話なんですが


う~ん



いまいち(言っちゃった)


あくまできたがわ的になんですがね


原作は5つの短編が
集まった本なんですが


ここで舞台化されてるのは
そのうちの3話
「老歌手」
「夜想曲」
「チェリスト」


で正直いうと
この「老歌手」「夜想曲」は

そもそもきたがわには
あんまりおもしろさが
わからなかった話なんですよ


で、やっぱり
おもしろくなかった(笑)

なのになんで観にいったかというと


きたがわ漫画家だし


どんなふうに舞台化するかは
興味あるでしょ?


で3話目の「チェリスト」


これはけっこう好きだった話なんですが・・・


実はこの短編集はみんな
もやっとしたものを
読者に残すお話なんですよね


そのもやもやを自分なりに
見つめるのが快感というか・・・


お芝居が終わった時後ろの席の女性が
「何が言いたいか、よくわからない」
と言ってましたが


もともと原作が
そういうお話の集まりなわけで


でこの「チェリスト」というお話は
原作5話中


一番意外な展開と
ビターなオチが待っている
エキセントリックなお話


なんですが
万人がわかりやすい
感動ものの方向に
しめられちゃってる


感動ものというのは
一番無難なまとめかたなんですが

ちょっと原作のよさを損ねているような?


原作を読んでない人のほうが
素直に舞台の世界を
受け止められたかもしれません


とはいえ
お芝居はとてもていねいに
作られて
劇中のチェロをはじめとする
楽器の演奏もすてき


東出昌大さんが好きな人は
観に行く価値あると思います


舞台の情報はこちら↓


http://hpot.jp/stage/nocturnes



で原作ですが
カズオ・イシグロさんって
世界的な作家ですが


日本ではあんまり売れないそうです

エンターテイメントとは
言えないんですね


「夜想曲集」は
音楽をモチーフに
人生と夢を考えさせられる
ちょっとビターな味わいもある

若い方よりは
ある程度人生を重ねた人のほうが


刺さるところのある本では
と思います


好きな話も読む人の人生と
立ち位置によってちがうのでは思います


きたがわが
好きなのは「チェリスト」と
「モールバンヒルズ」

あなたが気にいるお話はどれでしょう?


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