夜中から降り始めた雨が、止んだり降ったりの1日です。
【タイトル・私の車窓から】
暗い空だけれど、日差しが強い日々で疲れた目には心地がよくて、冷た過ぎない風と温度とちょうどいい湿度が最高で、今日は何度、外に出て深呼吸をしたかわかりません。
雨の少ない街なので、外の植物達だけでなく、人間も気持ちがいい。
日本だと、雨ですね、はどちらかと言うと残念なニュアンスが多いように感じるけれど、ここでは、雨だね、というと、Wee need this! とか I like this! と返ってくることが多いです。
今夜はまたとない天体ショーがあるそうだけれど、今夜から明日はずっと雨の予報。
私は、満月に雨や曇りというのが結構好きです。
なぜなら、「見えないけれどあるんだよ」を練習できるからです。
宗教を考えると、それは少し簡単です。
見えない存在を信仰する時、仏像というものを作り出すことで、見えないを見えるに具現化できる。
満月や新月を心のリセットのタイマーとして活用する人も増えたように感じるけれど、それが雨や曇りで見えない時こそ、自分としっかり向き合うチャンスのように思います。
見えないものを見えないままで感じとるということは、日常を豊かにします。
誰かのひっそりとした優しさや思いやりの行動に気づき感謝できる力になります。
言葉にならない誰かの気持ちをくみとることのできる強さにもなります。
愛は言うに及ばず。
次女が先月の満月の夜、メッセージをくれました。
夜シフトの店じまいの頃、ゴリゴリのパンクなお兄さん達の1人がお店の前で、月がきれだなー、と言ったそうです。仲間のお兄さんが、ホントだな、と返したそうです。
バイト帰りの電車のなかで、OLのお姉さんが、今夜は月が綺麗だよ、と隣のお友達に囁いていたそうです。
次女は、そんな会話を聞くことができる日常が幸せってこういうことなのかな、と書いていました。
いろんな気持ちで月を見上げたことを思い出しています。
たぶん、誰にもそんな風に、いろんな月の景色があるのだろうと思います。
月は見えても見えなくて、心になにかを訴えかけてくる強さがある。
太陽は土砂降りの日でさえもそこにあることがわかるけれど、
月はそうもいかなくて、ただでさえ真っ暗な空に雲がかかれば全く見えなくなってしまう。
見えないを感じる練習にはもってこいの夜です。
そして、自分の本音を試すにもいい夜です。
「溶かす」、melt する、という言葉をこの数日で何度も耳にしました。
以前、マッサージのトレーニングをしてくれた人の言葉を今も時々思い出すことがあります。
自分の腕や指を、ちょうどよく温めたバターナイフだと思うといいよ。
かたい体は冷えたバター。
そこにあたたかいバターナイフをそっと置いてじっと待つ。
あとはバターがゆっくり溶けていく。
Put
Sink
Melt
自分の中に固いバターのような気持ちがゴロンと存在しているのなら、そこにあたたかいバターナイフをそっと当てて、じっと沈んで溶けていくのを待ってみる。
ちょっと寒い、見えない月を感じながら、昔聞いたそんな言葉をおさらいしてみています。
月蝕の蝕はなんだかこわい漢字だけれど、
天体が天体に溶け込んでいくように私には見えます。
月はバターのような色だし、
月蝕は私にとっては、自分の難しい部分が一旦じんわり溶け崩れて、ゆっくりとまた自分へ戻っていく様子。
急がずに、Meltしていくままにしておく。
冷蔵庫から出したバターは、室温に戻してからでないと美味しいパンにもお菓子にも加工できない。
心も体も、抗わずにメルトするままにしておく。
それが、ハートをオープンにする秘訣だよ。
昨夜友人がそう言ったので、なんとなく書いてみたくなりました。
心も体も、バターナイフ・マッサージの夜。
よか雨の1日でした。
みなさんの、よかお月見をお祈りして☆★☆★
Kiki
マントラはいくつか歌えるのですが、
これは職場で聞いて好きになったもの。
静かな夜にはぴったりです。
単調なものを繰り返すって、集中と解放を助けてくれるように思います。
ぜひお月見に。
タイトルですでに優しい。
心が静かになります。
月夜の思い出の曲はやっぱり。
シンプルで沁みます。



