読書感想文 源氏物語 与謝野晶子訳① | わんわん物語

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~異界から目薬~

来年の大河ドラマの予習として源氏物語を読み始めました。

 

一般教養としてあらすじは知っているのと古文の授業や受験勉強等で一部は原文読んだことはあるんだけどちゃんと読んだことはなかったので改めて読んでみることにしたのです。

 

てっとり早くマンガっていう手も考えたんだけど、たくさんある源氏物語の中でも一番原本に網羅してるという「あさきゆめみし」でも作者のオリジナルストーリーが追加されたりしてるとのことで、だけども原文を読んでたら一生読み終わらないと思って現代文訳を探しました。

 

で、与謝野晶子訳がキンドル定額で無料で読めるのね。

 

定額で無料とはいかに、ということなんだけど、定額読み放題に釣られてキンドル加入するとわかるんだけど、定額でほんとに読み放題なのと更に課金が必要なのがありまして、与謝野晶子訳のは読み放題になってるのです。

 

源氏物語、1000年前の平安時代中期に書かれた長編小説で作者は紫式部。

紫式部が来年の大河の主人公ですね。

 

同時代に藤原道長、安倍晴明、清少納言といった有名人がいまして、安倍晴明がユースケ・サンタマリアっていう朝倉義景だったらどうしようっていう配役です。

 

源氏物語は歴史的にも文字の読める階級の女性のバイブル的な小説で、昨年の大河でも女性キャラはみんな読んでるという設定でしたが、それでも内容の解釈は数多あり、注釈書も多数、源氏物語の講釈で生計を立てた人も多くいたくらいなので、読み解くのは大変なのです。

 

余談だけども、戦国武将の細川藤孝、「麒麟がくる」で登場してたキャラですが、彼は公家の三条西家に伝わる古今伝授という古今和歌集の解釈の秘伝を三条西家の跡取りが幼かったために中継ぎとして継承していて、関ケ原の戦いの際は田辺城に東軍方として籠城して西軍に包囲されますが、朝廷は細川藤孝が討ち死にして古今伝授が失われてしまうことを恐れて命を救うよう勅命を出しました。

 

それくらい古書の解釈というのは大切なもので、三条西家は実隆、実枝2代にわたってそれぞれ源氏物語の古注釈も書いています。

 

まあ、どういうことかわかりやすく例えると、銀魂っていろんなネタを盛り込んだマンガなんだけどネタ元がわからないと面白さ半減じゃん?

 

その元ネタを解説してくれたりしてくれるわけです。

 

源氏物語の中にもロマンチックなシーンを「昔の小説みたい」と表現してあったり、ところどころで挿入される和歌も本歌取り(既にある有名な和歌をモチーフにした作品)をしていたりして、元ネタがわかれば文面や文脈以上の意味が含まれていることがわかるってことですね。

 

だけども目的は来年の大河の予習なのでそこまでの理解は求めてません。

 

というか、その部分、紫式部がどんな生き方をしてこの小説を書いたのかっていう部分が醍醐味のドラマだと思うので解釈の部分はドラマに任せようと思います。

 

それにあたって、「あさきゆめみし」は原作を補填するシーンを追加してるとのことなので、マンガよりも現代語訳の方がいいかな、と。

 

例えば、光源氏の父である天皇は桐壷という身分の低い女官にベタ惚れして光源氏が生まれるわけですが、その出会いやどういった流れでベタ惚れになったかは原作にはなく、「あさきゆめみし」では創作して描かれているとのこと。

 

物語に入り込むにあたっては、現代的にはもちろんあった方が良いのですが、原作に無いのは当時の人々にとってそこはそれほど大事じゃなかったのか、そのシーンよりもさっさと光源氏が生まれて話を進めた方が良かったのか、もしくは天皇が身分の低い女官に惚れる理由なんて言わなくてもわかるくらい決まりきったお約束があったのか。

 

出会いのシーンを書かないことでイメージされる、皇后になるような高い身分の女性をすっとばすぐらい抜群に美人であるとか、ものすごい才女であるとか。

 

基本、貴族というのは権力にモノを言わせて美人を妻にするので代を重ねるごとにどんどん美形になるし、教育も身分が高い方が高度の教育を受けられるので身分が低い者が身分の高い者より優れた知能を持っているならば才覚が優れている、もしくは努力して才覚を伸ばしたということになります。

 

つまるところ、パンくわえて走ってたら出会い頭でぶつかって恋に落ちたわけではなく、桐壷がめちゃめちゃ容姿端麗で優れた人物であったということを、書かないことで表現してたんじゃないかな、と。

 

そんな女性との間に生まれた光源氏もまためちゃめちゃ美形で天才であったと。

 

古注釈は読んでないから誰か既に注釈に書いてるかもしれないけど、誰も書いてなかったらわんさんの注釈ということで。

 

なお、与謝野さんの現代語訳もけして読みやすいわけではなく、現代的な言い回しにはせずに古文の授業でやるような訳し方なので現代文でもなかなか内容を理解するのが困難です。

 

固有名詞がある登場人物は少なくあだ名的な呼び名で同じ人物でも呼び方が頻繁に変わるし、”宮様”という呼び名の人が複数いるし、誰のこと言ってるのかがなかなかわかりにくい。

 

頭使いながら読む感じです。

 

今回は読書感想文①ということでストーリーに入る前に源氏物語自体の個人的イメージで終わりにしておきますが、次回からストーリーを交えた感想文にしていこうかと思います。

 

なかなか読み進まないけど今現在”葵”のとこまで読みました。

 

キンドルの表示は15%になっています。

年内に読み終えるのは無理だな。

 

というわけで進捗に合わせてゆるゆると書いていこうと思います。

 

次回もお楽しみに!