わんわん物語

わんわん物語

~異界から目薬~

今年の大河も昨年に引き続きさっぱり詳しくない時代の話なので、感想的なことだけちょいちょい書いていこうかなと思います。

 

視聴率は初回最低記録だそうだけども、個人的には面白いんじゃないかと思ってます。

あまり知らない人物が主人公ということで昨年と共通なんだけど、「知らない」の内訳は真逆なんだよね。

 

昨年の紫式部は名前は誰でも知ってて源氏物語の作者であることも知ってるし、源氏物語の内容も密度は違えどあらすじ程度なら誰でも知っている。けど、紫式部自体はどんな人物でどんな生涯だったのかはほとんど知られていないという主人公でした。

 

今回の蔦屋重三郎は、もはや名前も知らないという人がほとんどではないでしょうか。

たぶん文系大学の受験勉強してても出てこなかった人物だと思います。

 

わんさんのイメージでも江戸時代の本屋ってことしか浮かびません。

TSUTAYAは蔦屋重三郎にあやかってつけたのかな、とかまさか子孫じゃないよねと思うくらいです。

ググったら違うみたいだけど。

 

ドラマを実際見てみるとかなりポップなノリというか、上品なネットのノリというか、だいぶキャッチーでわかりやすく描いていました。

冒頭からナレーター役の綾瀬はるかがでてきてスマホの地図アプリ使って位置関係を説明したり、主人公を江戸時代のメディア王と紹介したり、実際の用語を使いつつもわかりやすい言葉に置き換えたナレーションで意味がわからない歴史用語に煩わされることなく物語を楽しめますね。

 

なので、ドラマでは十分に紹介されなかった時代背景や吉原のことについて語ります。

 

時代背景、正月に暴れん坊将軍やっててガクトが大暴れしてたのですが、それが将軍在位14年って言ってたから1730年で、ドラマ冒頭の吉原の火事は1768年のだと思うので、あれから40年くらいあとの時代ってことですね。

 

余計わからんか・・・

 

1600年に家康が江戸に幕府を開き、1615年に大阪の陣で豊臣を滅ぼし、1636年の島原の乱を最後に大規模な戦が無くなると江戸の天下泰平の時代となりました。

江戸幕府による政治が盤石となるも、文化が発展して貨幣経済も発展すると米の年貢をメインの収入にしていた政治システムが財政難になっていきました。

具体的には米価の下落で、例えば毎年100石(100人が1年間食べる量)をもらっても換金額がどんどん減っていくって状態です。

そんな中で将軍直系の後継が途絶え、家康十男の頼宣の血筋の紀州藩から将軍が選ばれました。

これが暴れん坊将軍吉宗です。

 

吉宗は享保の改革で米の増産による財政建て直して税収自体は安定するけども、却って重税になったり、同時にやった倹約令が民の不満になったりで微妙な成果でした。

 

この次の時代がラストサムライ田沼意次が台頭する大河ドラマの時代です。

 

田沼意次は教科書に出てくるので文系の人ならどんな人かわかると思うのですが、イメージで言えば「お主も悪よのう」っていう人の大ボスみたいな感じです。

貨幣メインの財政改革を目指したものの、そのために商人との癒着が多くてもろもろ革新的な制度を作ったりしたのに悪いやつになってしまった、と。

 

ただ、それは後から歴史を見た上でのイメージなので、リアルタイムではドラマのように多くの知識を持ち、商人(庶民)と触れ合い、幕府財政を立て直すために幕府の制度に物申す偉人だったのかもしれません。

 

そういう時代の中で、蔦屋重三郎が衰退していく吉原を復活させようと走り回ってるのが3話目まで見た現在のところ。

 

吉原、NHKが大胆な、と思ったけど去年の大河もだいぶ大胆なシーン多かったわ。

 

吉原についてのわんさんの知識は、例によって隆慶一郎の「吉原御免状」と続編の「かくれさと苦界行」がソースになっています。

こちらの小説は江戸時代初期、吉原ができて数十年後くらいの話です。

数十年というと長い歴史があるようですが、江戸時代を通じて御免色里だった吉原なのでできて数十年後は初期ですね。

 

御免色里、そう、吉原は幕府に許可を得て作られた遊郭街なのです。

創始者は小田原の北条氏家臣で滅亡後は江戸の町人になっていたという庄司甚右衛門。

なぜそんな人が幕府の許可を得て遊郭街を作ることができたのか、許可状に秘密があってそれを奪えば幕府に脅しをかけられるのではないか、ということで許可状を巡る攻防を描いた小説が「吉原御免状」なわけですが、その中で吉原の基礎知識がいろいろ書いてあるので今年の大河の予習として読んでみるのも良いかと思います。

物語としても普通に面白いし。

エロいシーンもあるから子供向けじゃないけど。

 

で、幕府の許可を得ているから刀持って入っちゃダメとか独自ルールも行使することができるし、その延長でブランドを高めるための花魁との駆け引きのしきたりとかできるわけですね。

 

で、こういうところはいろんな見方ができるわけで、親が子供を売ったり、借金こさえてどうしようもなくなったり、家が潰れたり悲惨な理由で女郎になることもあれば、それが性分にあってたり、玉の輿を狙ったり、年季まで稼いで余生を悠々自適に暮らそうと思っていたりと自ら望んでくる人もいるし、時代が経てば生まれた場所が吉原って人も多くなる。

 

そして、女郎だけでなく、女郎屋の店主やスタッフ、吉原の街の運営スタッフ、客を案内する人、警備の人たちなどその生活を支える人々もいっぱいいるわけで、やむなく吉原で働いてる人もいればそこを自分の居場所として働いてる人もいるのですね。

 

ドラマでは説明が一瞬だったけど女郎屋の店主は”忘八”と呼ばれてまして、これは仁とか義とか礼とか人として大事な8つのことを忘れた人って意味です。正確なのはググって。

遠足におやつ忘れた人のことではありません。

 

華やかな街だけどももちろん悲惨なこともあって、悲惨なのは女郎の生い立ちだけじゃなく、売れなければ劣悪な環境での営業になるし、子供ができたり梅毒などの性病になったりもするし、当時は謎の病だった鉛中毒もあるし。

あ、漫画「JIN-仁」でおしろいに鉛が含まれてることが原因で女郎が鉛中毒になるって解明するシーンがあったけど、実写ドラマのヒロイン役も綾瀬はるかだった。

 

そんな女郎を扱う店の店主だから”忘八”なわけです。

 

なお、わんさんはそういうお店行ったことがないので小説と漫画での知識しかありません。

 

「薬屋のひとりごと」でも後宮の后が鉛中毒になって流産しそうなのを主人公が防ぐシーンがあるとか、そんな感じの知識です。

 

なので、女郎が病で寝込んでるシーンがあれば鉛中毒だと思って見ると悲惨な感じが強まります。

1話目でねえさんが死ぬシーンとか。

知らんけど。

 

まあ、そんな感じで独自のルールがあって華やかなのも悲惨なのも併せ持つ独自の世界が背景にあっての、逆にそれがアダになって未許可営業で安く気軽に行ける風俗店(岡場所)に客を奪われて衰退していく吉原を昔の活気ある街に戻したくて、いっぱい考えた結果、ガイドブック等の出版物を作って客を呼び戻そうと奮闘する物語です。

 

現代でも風俗店に関しては法律上のアウトなラインと実際に逮捕されるラインが曖昧だけども、それは江戸時代も同じで、”偶然茶屋で出会った男女が意気投合して個室へ”ってのは難しいからね。

 

岡場所への対抗策は「吉原御免状」にも描かれているから吉原初期のころからの悩みの種だったと思うんだけど、ってか脚本家の森下さんは「吉原御免状」読んでると思う。

 

前回大河の脚本を書いた「おんな城主 直虎」もすごく良かったので期待しています。

直虎も視聴率低かったけど。。。

 

役者がものすごく力を発揮する脚本を書くのね。

直虎のときの高橋一生なんてほぼ表情だけで演技してたし。

すでに横浜流星も花の井役小芝風花もすごいので、物語の展開や脚本もだけど演技力にも期待なのです。

 

話が進めばちゃんと教科書に乗ってたりなんでも鑑定団で紹介される人物が出てくるので、どんな活躍をさせてくれるか楽しみです。

 

というわけで、次回もお楽しみに!

 

やっとこさ最終回まで見ることができました。

 

毎年のことだけども、1月に始まった大河が12月に終わるのって、今年の初めは子どもだった主人公が年末に死ぬか老人になって終わるわけで、ハッピーエンドになることもあれば志半ばで無念に死ぬこともあるけども上手くまとまった最終回にしてくれるから自分が1年がんばってきたことに重なって感慨深いよね。

 

今年の大河も批評はいっぱいあるけども、わんさんは紫式部と源氏物語を使ったフィクションだと思って見ていたのでとても面白く見ることができました。

 

歴史学的なことは史料が乏しいところにスポットを当てたわけだけど、平安時代という時代的にみれば貴族の日記が多く残っていて、多くの日記を組み合わせることで立体的に見えてくる部分が多い時代でもあります。

 

貴族の日記、元々はカレンダーにスケジュールを書いていたことに対して後日どう過ごしたかメモ書きしたものが発祥だそうで、だから儀式関連や自分の家が受け持った役割に関することが多く記されています。

 

それを、藤原実資のように自分の感想を加えて書く人が表れて、読み物や史料として扱われるようになりました。

 

つまるところ、貴族の日記とはその家の仕事の秘伝だったりするわけで、それを受け継いでいくからこそ貴族が他の家の者に取って代わられることの無い家柄となることができるわけです。

 

ドラマの中で頻繁に「それは先例が無いからダメだ」というようなセリフが出てきますが、「先例が無い」と言えるのはそれまでの先例を細かく知っているからに他なりません。

 

ではなぜ先例に無いとダメなのでしょうか。

 

例えばあまり親しくないけど仲良くなりたいと思っていた人に「今日の君の服いいね」と言われた場合、次に会う時に敢えて全然違う系統の服装でいこうと思う人はいないでしょう。

できれば同じ系統で、なんなら全く同じ服でとなるのではないでしょうか。

 

友達や恋愛レベルの関係ならばちょっとチャレンジして失敗しても挽回できるけど、相手が自分の出世に関わる社長や取引相手だったら冒険はできないよね。

 

貴族の場合は、相手は神様です。

長い歴史の中で幾度も行ってきた儀式のやり方で、このやり方をしたら豊作になった、病が治った、このやり方をしたら水害が起こった、地震が起こったというのが記録されているのです。

 

もちろん現代の感覚なら非科学的な話なんだけど、それが信じられていた時代、先例に無いことをして万が一災害が起こってしまったらその責任は大変なことになってしまいます。

身分の低い人がやるなら個人やその家のみの処分で済むけども、権力がある人がやると政権交代レベルの混乱が起きて政治が乱れ、下手すれば地方で反乱が起こったりします。

 

だから先例は大事であり、先例を知ることのできる日記(過去のメモ付きカレンダー)を秘蔵していることが貴族の貴族たる根拠で、それぞれの儀式のそれぞれの役割の専門家であるから貴族でいられるわけです。

 

という前提を踏まえて藤原道長という人物を見ると、ドラマの中ではギリギリのところを巧みに攻めて権力の頂点に立った人だと言えます。

 

学校で習う誰もが知ってる人だけども、どんな人なのかは摂関政治を始めてこの世を我が物と思ったことくらいしか知らないのが一般的かな。

 

実は「御堂関白記」というSNSを残しているので結構性格もわかりやすく史料が残ってるんだけど、わんさんは読んだことがありません。

読んだことは無いんだけど、平安時代を扱った歴史博物館に行くと抜粋したものが展示されてたりして、ちょっとだけどんな感じか見たことがあります。

 

スケジュールを見るとかなり多忙で、よくイメージする平安貴族の優雅に歌会してたりするのとは差異があったりもします。

 

ただ、日本史の中で教科書に記されるような改革をしたわけではなく、政界の中で大暴れしてトップに立ったけど悪政をしたわけでもないし、かと言って特筆される善政をしたわけでもありません。

それでも有名なのは、枕草子や源氏物語が成立したり多くの寺院が建立された平安文化の円熟した時期に、外戚として盤石たる権威をもって国風文化を発展させるのに貢献したからでしょう。

 

ドラマの中では民の安寧を願って理想の政治を行おうとするまっすぐな人物に描かれていましたが、その点においてはこれまたドラマの中で自身のセリフで言った通り何も変わってない、というのが結果で、政治で何かを成したというよりは文化を発展させた人であると言えます。

 

なので、ドラマで道長をこんなに良い人に描いていたのは画期的だと思いました。

政敵を払いのける権謀術数も全部道長が悪くならないようにしてた。

 

いっぱい史料がある道長に対して紫式部の方は、著作物は残っていても人物像はなかなかわからないのでたくさんのフィクションが詰め込まれています。

 

幼い頃に道長と出会っていたっていう無理設定のためにかなり奔放にしたり、源氏物語のエピソードの元ネタになるようなシーンを取り入れたり、いろいろ膨らませてるけど無理がありすぎた部分が批判の対象になるわけね。

 

なので、今年の大河は紫式部の名と源氏物語を使った架空のキャラの目線で藤原道長を描いたもの、として見れば十分に楽しめました。

 

最終回、こちらも中途半端な感じの終わり方にネットでざわついていましたが、藤原道長のドラマならば、その死後衰退していく藤原氏と武士の時代の予感という時代の変わり目を表したものだと思うのだけど、まだまだしばらくは武士の時代にはなりません。

 

道長の死後にすぐ平忠常の乱というのが関東で起こるので、双寿丸が向かうのはその戦場ということになりますが、その後はまた20年戦の無い年が続きます。

 

935年~940年平将門の乱、939年~941年藤原純友の乱の20年後に生まれた道長の時代は戦の無い時代でした。

まあ、全く無かったわけではないでしょうが、日本史の年表に乗るような大きな戦はドラマ終盤に描かれた刀伊の入寇くらいです。

 

で、平忠常の乱は道長の死後すぐ。

 

あれだけドラマで「武力を使わずに」と言っていたのが、死後すぐに崩れてしまうのですね。

 

平忠常の乱の20年後に前九年の乱、後三年の乱が起きて、奥州藤原氏が東北地方を支配するようになります。

源義経を匿って頼朝に滅ぼされる奥州の藤原氏ね。

道長の娘の彰子は前九年の乱と後三年の乱の間の期間に亡くなりました。

 

武士の時代とはっきり変わっていくのは道長の死後100年以上経ってからの1156年保元の乱、1159年平治の乱からなので道長のやってきたことと武士の時代への変遷は関係無いかな。。。。

 

長い目で見れば、道長が藤原北家を強大にしすぎたから子孫たちが跡目争いをし、天皇は権力を取り戻そうとし、上皇制ができたりしてその争いの過程で武士が力を持つようになっていったわけだけども。

 

武士の時代を予感させるラストだったけど武士の時代はまだあと150年くらい来ないぞ、と。

 

まあ、なんだかんだで恋愛モノとサスペンスを混ぜた感じの大河で、面白かったのよ。

 

来年の大河もさっぱり詳しくない蔦屋重三郎が主人公なんだけど、小説作家の話の次が出版社の話とはまた繋がってるような、時代的には飛びすぎなような、でも戦の無かった時代というところでは共通しているような。。。

 

戦の無い時代に文化が発展するってことかね。

 

というわけで、来年も感想のみになると思うけど、思ったことはちょいちょい書いてみようかな。

 

その前に、途中になってる源氏物語の読書感想文も終わらせねば。

 

ひとまずは、来年もお楽しみに!

 

 

 

今年もやって参りました!

わんさんが1年間に取得した文化を発表するコーナーだ文化。

 

毎年やってるので、過去の文化の日ブログを続けて読むとぐんぐん進化するわんさんが見えてくる文化。

 

語尾が文化になるのは冒頭だけです。

 

 

さて、今年ゲットした文化で一番最初に挙げるべきは、ボーカルでライブができた件でしょう。

 

昨年からベースボーカルにチャレンジしていて、詳しくは昨年の文化の日ブログに書いているけども目的は新ボーカルを探すにあたって自分がイメージする歌を伝えられるようにするためでした。

 

だけどもやっていくうちに、これもう自分で歌うのが一番良くね?って思うようになって、本格的にボーカルとしての練習をするようになりました。

目標は、ライブをすること。

シンデレラキャッスルライブ活動再開!とまでは準備が足りないのだけども、なんとか1回でもライブがしたい、と思って歌の練習はもちろん、ベースボーカルだと振り付けがほぼできないからダンサーを入れたスタイルを模索し、ライブやるなら音源出したいし音源出すならMV撮りたいってことでバタバタでした。

 

その流れの中で向上した自分の歌を鍛えるための技術もあるんだけど、何を隠そう、ってか隠してないけどわんさん大学の時は合唱部だったのです。

 

なんで合唱部だったのかというと、入学式の日がライブで、楽器持って入学式行って式終わったらスーツのままライブハウス行ってしまったのでサークルの新勧に乗りそびれてしまったのです。

 

やっぱ一番激しいのは入学式の日で、翌日には軽音サークルは新入生同士既に仲良くなっていて入り辛い。。。

と思っていたら合唱部に勧誘されて、話聴いたら面白そうだし、サークルじゃなくて大学公認の部でキャンパス内に部室があるとのことなので入ることにしたのでした。

 

私設サークルだと食堂に集まって活動してたりするのでね、部室があるアドバンテージはでかいな、と。

授業の後にスタジオでも部室に楽器置いておけるし、終電逃しても部室に泊まれるんだぜ。

 

で、合唱部、ガチなやつだったので指揮者はプロのオーケストラで指揮してる人だし、トレーナーも指揮者のお弟子さんがきてボイトレしてくれるし、練習は週4だし、合宿も1週間泊まり込みだしで、結構ちゃんとやったのです。

合宿の途中でライブあって1回帰ったりしたけど。

 

なので、歌はあんまり上手くないんだけど、歌の練習の仕方は知っているのです。

というか、合唱部4年やってこれかい、っていうのがあったから今まで自分でボーカルやろうと思わなかったんだけども。

 

だけども、楽譜があってちゃんとピアノで音取りながら練習すればある程度歌えるようになるんだぞ、と。

 

ある程度でどのくらいかというと、東京文化会館(上野公園にあるアレ)でオーケストラと共演したり、テレビCMの合唱BGMに参加したり、現代音楽の作曲家に依頼して合唱曲の新曲作って初演を音源化したり。

あなたの学校の合唱部もわんさんの歌聴いて練習してるかもしれない!

 

つまり、ちゃんと練習すれば、団体の中でだけどもギャラが発生するクオリティは出せる、んだと思う。。。

 

というわけで、ひたすら練習した、、、とも言えないか。

ライブ前はMVやライブの演出の準備でバタバタだったし、最近もゾンビロリータのミックスで10月はほぼ個人練できてないし、練習できないともどかしくなるね。

 

だけども、スタジオは毎回撮ってるのでちゃんと上手くなってるのは実感できてます。

ピッチの安定感や声の出し方は良くなっていってるので、配信ライブを楽しみにしててくださいませ。

 

音楽以外のところでは、まあ、例によって転生する感じの小説読みまくってます。

さっぱりマンガ読んでなくて、せっかくピッコマでポイ活して貯めたポイントが消失してしまうという。。。

1万ポイントくらいあったのに。。。

 

小説家になろうの完結してるランキングで、30位のとこまで読みました。

途中で完結したのがランキング上位に食い込んできたりするけど、完結後の後日譚が追加されることが多くてそっちも面白いから半年くらい経ってから読んでます。

 

おすすめなの挙げておきますね。

 

・ゴブリン令嬢と転生貴族が幸せになるまで

すごくベタな展開なんだけど、描写が上手くてキャラの魅力が引き立ってます。

書き方が下手でも世界設定がぶっ飛んでて人気が出る小説が多い中、シンプルに楽しめる小説でした。

ネットで見れるのは最低限必要なストーリーで書籍版は倍くらい文量があるとのことで、全3巻だけど買ってもうた。

小説家になろうは全話のトータルのいいねやお気に入りでポイントが付いてランキングになるので、この話数で上位はかなりすごいんじゃないかと。

 

・最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い~帝位に興味ないですが、死ぬのは嫌なので弟を皇帝にしようと思います~

この小説は、とてもかっこいい。

主人公はチートキャラでめちゃめちゃ強いんだけど、上手く無双しすぎない設定があって、対人間と対モンスターとの戦いも両立させつつ、権謀術数や戦での戦略等良く作られていました。

なにより、キャラのセリフがめちゃめちゃ激熱でかっこいいこと言うのよ。

途中で敵に包囲された砦に兵糧を運び込む戦があるんだけど、家康の大高兵糧入れを彷彿させるような戦略性と、ガンダムでいたるところでエースパイロット同士が競り合ってるような機動性ある描写が最高でした。

 

・サイレントウィッチ

もうすぐアニメ化します。

ドラゴンを倒したチートな魔法少女が主人公なのにまさかの学園恋愛モノ、と見せかけて王位争いの権謀術数の中を戦い抜く話、と見せかけてやっぱり恋愛モノ、だったり。

主人公がとにかくかわいいのです。

外伝が本編の倍以上あるという、ドラゴンボール状態でした。ドラゴンボール集める話が終わってからが本番、みたいな。

 

他にも面白いのあったけど、この3つは特にお気に入りです。

割と長いのが多いからなかなか読めないのよね。

「転生したら剣でした」なんて1300話だし。

 

読んでるうちにランキングに完結したのが食い込んでくるから結構楽しめる読み方だと思います。

無料だし。

 

なので、源氏物語の読書感想文、今年中に終わるのか・・・?

大河ドラマはとても素敵なストーリーになってるけど、源氏物語、須磨から帰ってきてから後があんまり面白くないんだもん。。。

 

宇治の源氏物語ミュージアムはとても面白いので行った方が良いよ。

 

というわけで、最後に去年の11月から今年の10月まで行ってきた城と寺社と博物館を。

 

国立歴史博物館の陰陽師展

航空科学博物館

新勝寺

忍野八海

浅間神社

富士山大社

松坂城

松坂神社

伊勢神宮

猿田彦神社

興福寺

東大寺

国立科学博物館

大通寺

長浜八幡宮

長浜城

石山寺

大津大河ドラマ館

宇治大河ドラマ館

源氏物語ミュージアム

亀戸天神

二条城

晴明神社

阿弥陀寺

下鴨神社

東京国立博物館 法然展

竹島/八百富神社

竹生島/竹生島神社

日牟禮八幡宮/近江八幡城

大阪城

高幡不動

関ケ原古戦場

 

3つ目の越前の大河ドラマ館はカニ解禁になったら行ってきます!

来年の文化の日ブログは越前からだね。

 

京都が外人だらけでめっちゃ混んでて迷走観光になってました。

物価も高騰してて軽く昼食が1000円超えるので大変よ。

ご飯屋さんも混んでて空いてるとこ探して歩いてたら二条城まで行ってしまった(3.6キロ)という。。。

 

ま、今年も良い文化ゲットしたぜ、ということで。

 

お待たせしました!

まずは動画をご覧ください。

 

 

 

 

レコーディングの勢いでMVも撮ろうって決めてバタバタの日程になったのですが、素敵な映像が撮れました。

 

初ボーカルでの映像でやりたいことをふんだんに取り込んだ映像です。

やりすぎて怒られるんじゃないかとドキドキしています。

 

まずはドキドキしてるわんさんです。

 

 

気合い入れて準備したので、映ってないけど桶はこれ。

 

東京国立博物館の法然展に行って買ってきました。

極楽浄土桶。

桶から気合い入っているのです。

撮影後はメンバーに持って帰ってもらいました。

 

準備も大変だったんだけどね、なんとか撮影当日までに小道具揃えて段取り整えて、いざ撮影ってところで、あれ、おれ楽器持たないで歌ったことないんだけど楽器持ってない時何すればいいんだろ、と。。。

 

そのあたりの謎な動きのところは早送りになってるっていう神編集です。

 

もう何度もMVお願いしてるAto4サウンドファクトリー様、ツーカーでいろいろやってくれるのです。

ツーカーって死語?

 

映像の脚本を考えるにあたってはかなり悩みました。

ライブではたくさんの人が楽しんでくれる曲なので、絶対に面白いものを作りたい、と思って、お風呂の曲ならば例えば銭湯借り切って撮ってる人もいるからそういう風にしようかなとか、五右衛門風呂をなんとか調達してキャンプ場でレンタルしてるとこやドラム缶から作る方法探ってみたりとかいろんなパターンを模索してみました。

 

が、ひらめきは突然です。

 

スタジオ終わってガジーさんとトリキで釜飯食いながら撮影の相談してたらば、ガジーさんが「五右衛門風呂って、これじゃね?」と。

 

 

というわけで釜飯パーティする映像になりました。

 

脚本の流れとしては、がんばってスタジオで練習→汗かいてお風呂入る→釜飯パーティで、お風呂が沸くメロディがモチーフになってる曲だから、やっぱり自宅のお風呂が一番良いって思って、スタジオと自宅でロケです。

 

じゃあ、お風呂は洗うとこから始めよう、と思って洗剤確認したら「まぜるな危険」って書いてあったので、混ぜよう、と。

 

なお、映像で混ぜてるものの中身はオレンジジュースとミルクです。

歌詞が「夕日に向かい走りだした」なので、夕暮れ時に混ぜるものはオレンジジュースとミルクに決まっているのです。

 

って言ったらカメラマンさんは「BLANKEY JET CITYじゃん!」って即座に反応してくれましたが、皆様お気づきでしょうか?

スタジオの部分の映像でバサッシーがたまに赤いタンバリンを持っていることを。

そして、翔右ちゃんが押し入れで弾いてるギターがグレッチになっていることを。

 

なので、このMVだいたいBLANKEY JET CITYです。

 

高校生の時に何度も弾いた曲だけども、実際にオレンジジュースとミルク混ぜてるMVは、、、他にあるかな?

 

なお、ちゃんと美味しくいただきました。

 

洗剤のラベルは渾身の力作だけど、あまり映ってないのでこちらをじっくりご覧ください。

 

 

 

混ぜた後の侍メルヘンはこちら。

 

 

わんさんのアー写の爆発、どんなシーンだよと思った方も多いと思いますが、正解は「正義のニンジンで悪を断っているところ」でした。

 

Bメロ風呂モッシュのシーンはいろんなとこで撮りたくて、いろんなところで撮りました。

スタジオの外だったり、家の外だったり、もう車通ったり人通ったりしてるっていう。

 

あ、家は大吉アニバーサリーに引き続き自宅です。

隣の部屋でお父さんとお母さんがテレビ見ながらお茶飲んでる状態で撮影しております。

場所は特定しないように。

 

そして釜と、アクリルスタンドと見せかけたラミネートスタンド。

こちらも気合いの一品です。

 

 

釜高え。

1個5000円したわ。

4つ揃えて2万円です。

 

でもトリキと同じのが良かったので気合いで購入。

 

ラミネートスタンドも大変だったのよ。

ググったらローソンで写真を2Lサイズでプリントできるってあったので、家からちょっと遠いんだけどローソン探していったらコピー機古くて対応してなくて別のローソン行ったり、ラミネート失敗してもう1回ローソン行ったり、このあたりで前回ブログに書いた当て逃げにあったりしています。

 

そう、釜飯の釜で五右衛門風呂を作るという、工作をしていたのです。

曲のテーマの大事なところよ。

 

あとこの釜に入るサイズのニンジン探すのも大変だった。

 

そして釜飯作るならわんたろうクッキングしたい、と思ってやってみたんだけど、撮影するところで思わぬハプニングが。

 

おれ、釜飯の作り方知らねええええええ

 

トリキで出てくるやつは火をつけて待ってるだけだし、釜飯の素の箱に書いてあるのは電子ジャーに入れてスイッチオンだし、はたして米と具と釜飯の素を釜に入れて適当に水入れて火をつけるだけでできるのか。。。。

 

できた!

 

というわけで事なきを得たのです。

 

まあ、脚本上もわんたろうクッキングやるとしか決めてなかったので、撮影はアドリブです。

編集の仕方が神。

 

釜飯は撮影中と撮影後に美味しくいただきました。

いや、ほんと美味しかったのよ。

でも食べてるシーンで普通にこぼしてます。

 

この映像で一番かっこいい「好きでもいいですか」のシーンも、あんなかっこよく撮ってくれるとは思わなかったよ。

絵コンテこれだもん。

 

 

わんさんがイメージする一番かっこいい告白の仕方がこれです。

想いを詰め込んで狙い撃つ弾丸。

違う曲の歌詞だけど。

 

このピストルが釜飯に火をつけるライターです。

 

風が吹いて髪が揺れるのは奇跡。

 

 

お風呂のシーンも、ギリギリのところを上手い画角で撮ってくれました。

マジでギリギリ。

 

あの英語なんなの?とちょいちょい聞かれるんだけども、

 

baby be brave in bath

 

”湯さ入って湯~者になれ”っていう、和訳するとダジャレが出てくる仕様です。

 

湯気と書いて湯~気(ゆーき)と読む。

 

一番のツッコミどころであろうラスサビの裸ベースはね、割とありきたりな発想だとは思うんだけど実はわんさんしかできない唯一無二の映像です。

 

アングラ界隈ではライブで全裸ギターとか全裸ベースの人はいるけども、まずそういった人はそういう状態でMV撮らない。

お風呂の曲で入浴シーンがあっても楽器を弾きながら歌うボーカルじゃないと水着かモザイクが必要。

 

つまり、お金をかけてしっかりしたMVを撮る活動をしていて、お風呂の曲があって、楽器を弾きながら歌うっていう3つの条件をクリアしなければならないんだけど、それクリアできるのたぶんわんさんしかいない。

 

すごいだろ。

 

苦労話はまだまだいっぱいあるんだけども、とりあえずはこんなところかな。

 

最後になりましたが、商用映像なので株式会社ノーリツ様に映像を確認してもらって問題が無いか問い合わせたところ、給湯器のリモコンから流れる「お風呂が沸きました」の音声だけ、音声の制作会社が著作権を持ってるから自作した方が良い(メロディはクラシックなのでOK)とのことで、製品の映像を使用する許諾をいただきました。

 

この場を借りて御礼申し上げます。

 

音声は撮影時には実際にお風呂が沸いた音声撮ってたんだけど急遽自作することにして、「お風呂が沸きました」の声はジャケットを描いてくれた旧馬の人に電話して「ちょっと、お風呂が沸きましたと言ってみて」って言って勝手に録りました。

 

電話越しの声が機械から出てるっぽくなってちょうど良いからね。

 

ちょっと怒ってたけど。

 

そんなわけで、いろいろ大変だったMVだけど、無事に公開になりました。

好き勝手やってるけど広い心でお楽しみください。

 

この後は数日後にショート版を各SNSに投下します。

ショート版が盛大にネタバレするのでフルバージョンが先にしたんだけども、ショート版は派手に歌詞テロップのエフェクトかましてくれてかっこよくできてるのでそちらもお楽しみに。

 

そして、気合いの初ボーカルMVなので、皆様拡散よろしくお願いします!

 

というわけで言い訳編です。

 

ライブは自分的には大成功だけども、それまでには本来の準備の他にトラブルがどどーんと重なりまして、余裕を持ったスケジュールにしたのに限界を超えることになりました。

 

重たい話もあるし、本来は書くべきではないかもしれないんだけど、書いてライブまでの苦労話としてまとめておかないとまだトラブルが続きそうな気がするのでね、書いてトラブルはこれで終わり!としておきたいと思います。

 

先に書いておくけども、こんなに大変だったんだぞーってことを言いたいんじゃなくて、これだけトラブルが続くのもレアな話だから残しておこうっていう意図です。

いくらわんさんでもこんな短期間にこんなにトラブルありません。

 

年1,2回くらいです。

 

と、ここまで書いたところで既に次のトラブルが見え隠れしてきたので早く書かねば!

 

余裕を持ったスケジュールと言いつつも、5月の連休明けにレコーディングした勢いのノリでPVも撮ろうということになったのでライブの準備とPVの準備が同時進行になってバタバタしていた6月、最初の事件が起こります。

 

なお、ライブの準備、初編成でのライブだからそれはそれは大変で。

まずは何準備すればいいかまとめるところからだし。

 

・曲を決めて中村さんとベティーに資料を渡す

・資料を渡すために振り付けがわかりやすい動画を準備

・リハ日程を組んでいつまでにどのくらい覚えてもらえばいいか指示

・ダンサーの衣装の準備

・告知用画像の作成

・自分の歌の練習 などなど

 

PVの方も

・脚本、絵コンテ作成

・小道具準備、買うものと作るもの

・ロケ地セッティング

・当日のタイムテーブル作成 などなど

 

脚本のイメージ作るところから撮影まで1ヶ月ってなかなかのハードスケジュールなんだけども、撮影の1週間前には準備の目処がついて(準備はまだ終わってない)、当日は車でメンバー乗せて移動するから洗車しとこうかなと思って2週間ぶりくらいに駐車場に行ったらば、

 

 

当て逃げされとった!

 

ドライブレコーダー調べたり警察呼んだりで1日消化してもうたわ。

結局ドライブレコーダーに映ってなくて、取説読んで衝撃感知の設定を調整したり修理の手配したりで余計な手間が増えていく。。。

 

傷修理ってすごく待つのね。

修理の大手の大きい車屋が不祥事でいなくなってるからだと思うけども、なんとか7月頭に手配できました。

もう直ってます。

 

で、PV撮影は6月22日に無事に終わって、7月からはメンバー全員集合でのリハになるからその前に配信ライブしようってことで6月27日に配信ライブやったんだけども、見てくれた皆様は途中で楽器のケーブル抜けてたの見てたと思うのですが、あれ、絶対に抜けないケーブルなのですよ。

 

差すとカチッとロックがかかるやつで、ボタンを押しながらじゃないと抜けないの。

もちろんカチッとなるまで差さないと音は出ないわけで。

 

実は配信ライブのスタジオに出かける前、母から叔父と連絡が取れないから家まで行って様子を見てきて欲しいって言われていたのです。

 

一人暮らしで病気で退職して年金もらえるまで退職金で暮らしていたんだけど、スマホは電源入ってなくて家の電話も出ない、と。

 

だけどもこれから配信ライブって時に言われても困るので「次の休みの時に行くよ」と言っておいたんだけども、まあ、抜けないはずのケーブルが抜けたら「明日行こう」ってなるよね。

 

死後2週間でした。

 

そこからが超絶のバタバタで。

 

うちは父方の親戚はいなくて母方の親戚が青森に大量にいるんだけども、亡くなった叔父だけが唯一東京に住んでるから対応は全部うちでやらねばならなくて、親戚が多すぎて連絡来まくるし警察や叔父の家の不動産屋からの連絡もあって母のスマホが鳴り止まないっていう。

 

死後2週間だと本人確認も大変で、DNA鑑定になって本人確認できるまでは叔父の家に入ったり葬儀したりもできず数ヶ月かかるって言われてたのが急に数日で指紋取れて確認できたからいつでもOKとかなったり、家入れるなら清掃業者入れる前に大事な書類とか財布や高価なものは取りに行こうって家まで行ってどえらい臭いになってみたり。

 

すごく悲しいは悲しいんだけども、大変なのと臭いのとで悲しいのぶっ飛びますわ。

 

その状態で、7月頭、当て逃げされた車を修理に出すっていう。

 

いやもう、叔父はオヤジギャグばかり言って人を笑わすのが好きな人だったのでネタにしてブログに書くのも供養だと思って書いてますが、親戚の間では寒いギャグだったのが職場では大好評だったらしく、葬儀には退職して何年も経っていたのにたくさんの元同僚の方々が来てくれました。

 

そんなことになると思ってなかったから家族葬で集まれる親戚だけの葬儀にしてたんだけども、叔父は医療関係の仕事してて、亡くなった時に見てくれた監察医が知ってる人だったってところから元職場に伝わったので賑やかな葬儀になりました。

 

そこまで偉いポジションだったわけではないんだけど、今偉くなってる人が若い時によくお世話になったそうで、医大の教授からたくさん花が届いて、こちらは偉い順番がわからないから花の並べ順どうしようってあたふたする羽目になったのでした。

 

そんなこともあって葬儀の当日はちゃんと悲しんで青森から集まった親戚と宴会してたのがゾンビロリータのゲネプロリハの前日7月6日。

 

なんだけど、その2日前、今日からシンキャスメンバー全員集合リハって日に、余裕持ってスタジオ行けるように早めに作業終わらそうと思って焦って仕事してたらば、20キロくらいの物を置く時に、降ろす直前の10センチくらいの高さのところでツルっと滑って指の上に落としてしまって、挟まった指の腹がべろんとめくれてもうた。

 

近くにいた人に「メルヘンが止まらねー」とか一通りネタをやりながら流血した指を見せてから写真撮って、メンバーに「病院行くから遅れる」って写真を送りつけときました。

葬儀に集まった親戚にも見せときました。

 

その写真、グロいもん見る覚悟のある方はURLクリックしてみてね。

https://zombielolita.com/chimidoro.jpg

 

なお、痛くないので安心してください。

 

ただ、痛くなくても楽器弾くと血が止まらなくなるのでしばらく中指を使わずに弾いてました。

 

……誰も突っ込んでくれないから自分で言うけど、瞬時に指使い変えて弾くって凄くね?

しかもベースボーカルしながらだから手元見ずによ。

わんさん天才だからできることよ。

 

しかしながら、ゲネプロでゾンビロリータの方のフレーズを中指使わずに弾いてたら人差し指と薬指がとても痛くなってしまったので、病院でギブス作ってもらってギブスの上から弾くようにしたのでした。

 

それも凄くね?

包帯ぐるぐる巻きの指で普通に弾いてるって結構絵面がアホっぽかったよ。

 

現在傷は塞がってかさぶたも取れたけど、傷のところが水ぶくれになって逆に痛くなってるのでまだギブスです。

※追記 8月4日の柏のライブでギブス割れました。

 

で、ゾンロリゲネプロも終わったライブ1週間前からさっぱり間に合ってないシンキャスのライブ準備を夜な夜なやって、7月11日シンキャスゲネプロに気合で準備を間に合わせ、ライブ2日前の12日の深夜、時間で言えば7月13日のAM3時、ライブに向けての意気込みのブログを書いてるところでゾンビロリータメンバーの訃報が届いたのでした。

 

こちらはライブ後にゾンビロリータのオフィシャルから発表したのでご存知の方もいるかと思いますが、新メンバーの蘭呪が亡くなりまして、こちらに届いた第一報は蘭呪の友人からSNSでメンバーに伝えられたものでした。

 

もう意気込みブログ書ける状態じゃなく、深夜だったので起きてるメンバーで対応したけども本格的な対応は明けてから、ライブ前日に検討することになりました。

 

ここで、めちゃめちゃ熱い対応策ができます。

蘭呪は新メンバーでライブ初出演だけどもリハには春頃から参加していて、ライブをすごく楽しみにしていました。

7月7日のゲネプロの時も楽しく練習して、リハ後はスタジオのロビーでわいわいだべって、ライブ楽しみーって言って帰ってったのに。

 

だから、そのまま出演させる、と。

 

ライブの演出や脚本はそのままで、新メンバーとして紹介し、蘭呪がメインでやる曲は、出だしのセリフはリハで撮った動画から音声を抜き出したものを流して曲が始まったら全員でアタック。

 

ゾンビロリータにしかできないやり方で出演してもらいました。

 

訃報の発表はライブ後にして、葬儀の後になってしまうけど団長がイラストを描いて、今後もイラストで参加していくっていう声明と一緒に出したのでした。

 

ともあれ、ライブ前日、初ボーカルやるにあたってここまでいろいろあったから体調整えたり軽くスタジオで歌調整したり精神統一したりしたかったのに、わんさんのメンタル。。。

 

とどめの、夕方に出演バンドがコロナで1バンドキャンセルでタイムテーブル変更っていう連絡があって、当日のシンキャスの入時間とかメイクの段取りとか組み直しっていうのもありました。

 

長々書きましたが、ライブの前にこれだけのトラブルがあったのですよ。

 

だからライブ前は本来のライブの準備とは別にいろいろドキドキしていたんだけども、よく考えたらライブで不安があるのは自分の歌だけだし、シンデレラキャッスルは多少ボーカルがヘマしたってばっちり楽しいライブができる曲とステージングがあるのでね、今まで積み重ねてきた部分には絶対の自信があるから当日はなんとか自分を取り戻すことができました。

 

さらに、先日のブログでも書いたけどみんなが楽しんでくれたからかなり救われました。

 

もろもろのことが無ければちょっと物販用意したり、もっと告知用にSNSでいっぱいアピールしたりキャスしたりしたかったから、やろうと思ってたことができなかったのは悔いがあるけども、やれる限りの全力は尽くしました。

 

もうこれ以上のトラブルは無いと信じて、次回に向けてまたがんばろうと思います。

だから皆様、応援よろしくお願いします!

 

ちなみに、これ書いてる途中で足の小指の爪が剥がれました。

 

 

なんやねん!

 

これも別に痛くないからいいけど!

 

 

ほんとはもっと早く感謝のブログを書きたかったし、ほんとはライブ前に7月14日のライブへの想いを書きたかったんだけどもね、マジでこの短期間にこんな事件いっぱい起こるかってくらい色々あって対応に追われて遅くなってしまいました。

 

改めましてライブにお越しのなでしこ改の皆様、見てくれた皆様、応援してくれた皆様に感謝の気持ちを伝えたいと思います。

 

すごくドキドキだったのよ。

誰も来てくれないんじゃないか、来てくれても上手くできなくて失望されてしまうんじゃないか、上手くできても前と違う形になってしまって楽しんでもらえなくなってしまうんじゃないか、などなど不安でいっぱいでした。

 

だから、絶対に楽しいライブになるように真剣に考えて、音源作ったりPV作ったりダンサーお願いしたり、たくさんトピックを用意したんだけどもそれは不安の裏返しなのでした。

 

セットリストも、

 

1.燃えろ俺の本能寺

2.動かざること大和撫子

3.斜め上から恋の手裏剣

4.越後屋は悪くない

5.五右衛門FLOW

 

という、この中の1曲でもあれば掴めるっていうのを5曲とも盛り込んだ最強セットリストで。

 

歌はね、じたばたしても急には上手くならないから、練習は全力でやるとしても上手くできなくても楽しいライブになるように、と思って構成をイメージしました。

 

みんなを元気にするバンドでありたいのでね、練習するたびに「これでみんなを元気にする歌が歌えてるだろうか」って自問しながら、途中から上手く歌うよりも楽しく歌う方向にシフトしてみたり。

 

だから、来てくれる人がいて、楽しんで見てくれて、ライブ後には楽しかったって感想を聞いてほんとに嬉しかったのよ。

 

オープニングのSEはこちら、できたてほやほやのゾンビロリータの音源から。

 

 

インスト音源だけども、ボーカルがいる時はイントロの後のブレイクで「ママには言えない 呪いのリボン」とセリフが入ります。

 

なので「ママには言えない侍メルヘン」と言ってみました。

自宅でPV撮影してママの目の前で侍メルヘンしたのに。

 

ゾンロリメンバーがライブ見てくれるっていうから、とりあえずこれでゾンロリメンバーは笑わせられるぞ、と。

 

ここは今まで通りのスタンスで、対バンの人たちもPAさんやバーカンの人とかライブハウスのスタッフさんたちも含めてその場にいる人全員楽しませるって気持ちで臨んだのでした。

 

というか、バンドのメンバー構成やステージでの編成は変わったけども、目指すところややりたいことは変わってないのです。

 

みんなを元気にするバンドをやりたい。

 

「みんな」ってのはお客さんはもちろんだけども、メンバー、スタッフ、関係者もろもろ全員で「みんな」だ。

 

だから中途半端なことはしたくないし、できるだけ楽しいものを作りたいから全力を尽くしたいわけよ。

 

もちろんクオリティが目指すところに追いつかない部分も多々あるし、ライブの映像を見返すとボーカルとしては反省点がいっぱいあるんだけども、ライブめちゃめちゃ楽しかった!

 

ライブまでにトラブルは多かったけどもできる限りの全力は尽くしたと思ってるし、それでライブを見てくれた方々に楽しかったって言ってもらえて、色々救われました。

 

無事にベースボーカルとしての第一歩を踏み出せたので、次はクオリティ(主に自分の)を上げつつ2回目のライブのチャンスを伺おうと思っています。

 

こうやってすごくノリノリで次の計画を立てていけるのも、楽しんでくれたみんなのお陰です。

ほんとに、ほんとにありがとう!

 

さしあたっては8月15日に21時からツイキャスで配信ライブやるので見てね。

無料ですよ。

 

そして、ちょいちょい書いてるトラブル、トラブルって言うには重い内容だけどもこれだけ連続するのはかなり稀有だと思うので、言い訳編としてブログも書いておこうと思います。

 

というわけで次回ブログは言い訳編です。

 

 

源氏が失脚(?)して京を離れている話の部分の感想文です。

とりあえず、この感想文にはネタバレを含んでおります。

 

失脚(?)なのは、ただの自爆っていう、何なのこれ。

 

源氏物語の中では、源氏はイケメンで芸術に優れているだけでなく、政治家としての能力も天才で王の器みたいなことを書かれていますが、具体的にどんな政治をしたとかは書かれていません。

 

たぶんこれは書かなかったんじゃなくて書けなかったんだと思うんだけども、紫式部自身が政治について詳しくなかったか、女性が政治について文学作品の中であってもアレコレ言うことが好ましくなかったのか、ともかくも源氏がどんな感じで政治家的に優秀だったのかはわかりません。

 

ただ、現代の政治家と同様に女性関係で身を崩してしまうわけです。

 

なので、読んだ感じだと具体的な政治面での活躍の描写が無いからひたすらに女遊びを続けて、手を出しちゃいけない子に手を出してバレて、周囲を巻き込まないようにするために京を離れた、という呆れた感じになってしまうのだけども、この部分を悲壮感漂うように読むには妄想を膨らませないといけないわけですね。

 

何をやらせてもイケメンで完璧な源氏だけども、その才能とは裏腹に正妻を亡くし、想い人も出家してしまい、傷心の末に帝の妃候補と新たな恋を見つけていたところそれが露見し、更に自分を傷つけるように京を去る、と。

 

一生懸命悲しさ増し増しで読みます。

 

で、須磨ってどこだ、とググってみると、兵庫!

 

近っ

 

ただ、当時の感覚で言うとものすごく遠いのでしょうか。

 

源氏物語における須磨の感覚を調べてみたところ、畿内で最も京から離れた地ということで、近年「天下」は畿内のみを指すっていう説も強くなっていることから、現代の感覚だと、、、わからん。

 

須磨についての源氏や周りの人たちの反応はというと、めちゃめちゃ田舎で、何も無く不便で、貴族が行くような地ではなく、とてもかわいそう、みたいな反応なんだけども、直接は書いてない雰囲気だと更に加えてもう都での栄達は望めない、帰って来られるかわからないから一生その不便な地で暮らさねばならない、ちょっとした病ですぐ死ぬ時代だからもう二度と会えないかもしれない、といったことが感じられます。

 

このあたりは京の貴族の感覚としては興味深いところで、どこまでがセーフなラインなのかが面白い。

 

須磨は摂津国なので京がある山城の隣国なんだけど、同じ隣国でも奈良がある大和や琵琶湖がある近江は旅行で遠出するところだからセーフ、丹後も日常品の生産地や隠居した貴族が住んでたりするからなんとなくセーフ、でも摂津はアウトっていう感覚ね。

 

横浜や箱根がある神奈川はセーフ、ディズニーや幕張がある千葉はセーフ、埼玉もまあなんとなくセーフ、山梨って東京の隣なの?みたいなところでしょうか。

 

でも山梨だと関東じゃないので、ギリ関東のとこだと、八王子?

 

こんなこと言ってるとそこに住んでる人に失礼でしょ、となると思うんだけども、源氏物語を読んでも須磨や明石、周辺キャラが赴任する地方とか結構失礼な書き方になってるんだよね。

 

京だけが人の住む地で他は野蛮な地、京の貴族はそういう感覚だったって知ると他の時代の歴史の味方も変わってくるのね。

 

鎌倉時代も戦国時代も貴族たちにとっては野蛮人同士の国盗りで自分たちにはあまり関係無いな、と見ている人が多数で武士たちにいくら武力があっても官位欲しさに金をよこす存在だったっていう感覚を前提に置くと、考察の幅が広がるのです。

 

そんで江戸幕府ができて禁中並公家諸法度が定められた時の衝撃の度合いとかね。

 

話を源氏物語に戻します。

 

須磨に行くにあたって、ファンサ的に登場人物オールスターに挨拶シーンがあります。

 

最近読んでる転生するラノベでも次の街へ旅立つ時には今いる街でお世話になったキャラと挨拶するシーンがあって、主人公がいかにすごかったか褒められたり次の街で役立つアイテムもらったり旅の助言をもらったりして、そういうシーンでサブキャラにも愛着が増したりするわけですが、源氏物語でもそういう感じかな。

 

遠くに行ってしばらく会えない、悲しい、寂しい、そういう会話をいろんな人としていくわけです。

 

自爆失脚しての隠棲の割にはずいぶんのんびりした出発だと思うんだけど、貴族の時間の感覚はこういうものなのかね。

 

従者を整理して、隠棲先の住居を整えて、持ってくものを選んで、残すものを整理して、みんなに挨拶。

 

そんでひたすら悲しい悲しい言いながら旅立って、須磨に着いたあともずっと悲しい悲しい言ってる。

 

自爆して自分で須磨に隠棲って決めて旅立ったのに、女々しいわ。

あと挨拶無かった末摘花うける。

 

でもやっぱり隠棲先で無双する源氏。

ひたすらイケメンパワーを発揮して、悲しい悲しい言いながら評判を高めていくわけですね。

 

で、嵐が来て怖いから明石に行こうってなるわけですが、途中でファンタジーになって龍を撃退(?)みたいなことするんだけど、このシーンは何でしょう。

 

須磨で悲しみながら芸事してる→海見ながらやってみよう→突然嵐が来るけど不思議な力で乗り越える→嵐怖いから明石に引っ越す→明石で新たな女ゲット→帝が夢で源氏を京に戻せと言われて復帰

 

源氏遊んでただけで京に帰れたよ。

 

この間2年なわけですが、隠棲先で源氏が手柄を立てたり伝説的な活躍したりしたわけでもなく、かと言って朝廷に働きかけたり陰謀の手を回したりして復権の策略をしたわけでもなく、帝が夢を見て京に帰ることになったのでした。

 

これが最近の小説ならば、隠棲先で盗賊団を壊滅させたり悪徳領主の不正を暴いてやっつけたりして評判となり、都でなぜこんなすごいやつを追い出したんだ、今すぐ呼び戻そうってなるんだけども、そういうことも無く。

 

なのでファンタジーなシーンを作って源氏を呼び戻す流れを作ったわけですね。

 

で、ここで出てくる煮えきらない女、明石。

 

源氏が好きなのか好きじゃないのか、嫁ぎたいのか嫁ぎたくないのか。

でも子供生んで紫の上にライバル認定されてしまう。

 

京に戻れることになったけど更なる火種を抱えてしまうのでした。

 

女性問題で失敗して隠棲したのに新たな女性問題抱えて帰ってくるという、源氏すげえよ。

 

この先は、復権した源氏に逆らえる者は無く再びの栄華となります。

源氏物語にラノベ風タイトルをつけるならば、

 

「自虐的なイケメンチートが鬱々と女遊びをしながら栄華を極める」

 

かな。

 

というわけで、次回もお楽しみに!

うおおお 3月全然ブログ書いてないー

というわけで久しぶりの読書感想文です。

早く書かないと読んだとこ忘れそう。

 

とりあえず、このブログにはネタバレを含んでおります。

 

今回は若紫と出会ってから須磨に隠棲するまでの間の部分の感想文です。

ここでようやく設定でありつつも具体例の少なかった源氏のプレイボーイっぷりが描かれていきます。

 

末摘花については前回までの感想文でも触れてるけど、個人的にはこのキャラかなり好きですよ。

いや、別にブスキャラが好きなわけではないんだけど、末摘花と絡む時は完璧イケメンな源氏の調子が狂わされてるシーンが多くて人間味が出る感じが好きなのです。

 

源氏のイケメンパワーも高レベルの美女向けなので、クオリティの高い歌に対する返事がどうしようもないものだったり、めちゃめちゃ雰囲気良くしてイケメンなセリフを言っても返事がごにょごにょしたものだったり、センスの良いおしゃれな格好して会いに行ったら「お前いつの時代の人やねん」っていう服装で待っていたりして、想像の斜め上なのか下なのかをいく末摘花にさっぱり上手く対応できなくなるのです。

 

それでもそもそも末摘花に手を出した理由が、「落ちぶれて貧乏なとこにすむ令嬢がグッとくる」っていう話を例の雨夜の品定めで男子トークの中で聞いて、そういうの見つけた!ってことだったんだけど、しっちゃかめっちゃかになるのが笑えます。

 

そして、それでも美人かもしれない、と思って明るい時に顔見てみたら赤鼻のブサイクだったー、じゃあ赤鼻と紅花をかけて名前は紅花の別名の末摘花だ、ってなんじゃそりゃ、って話なわけですよ。

マジうける。

 

この話を書いた時の紫式部の気分はどうだったんでしょうね。

源氏の笑えるうっかりエピソードとして書いたんだと思うんだけど、それでも源氏は手を出した以上は責任持って面倒見る誠実な人ってところに落ちつけて次の話にいきます。

 

で、次の話が源氏のイケメン部分を最も際立たせた話、ってのもウケる。

 

紅葉賀という巻ですが、場面は朱雀院って人の50歳の誕生日式典で、源氏は青海波という舞を従兄弟で親友でもある第二のイケメンキャラ頭中将と共に舞い、ものすごくかっこよく描かれます。

前話であんなんだったのに。

おそらくここが源氏物語全話の中で最も源氏がイケメンに描かれてる部分かと。

最後までまだ読んでないからわかんないけど、今読んでるとこだと源氏30代になっちゃってるので。

前話であんなんだったのに。(大事なことなので2回言う)

 

大河でも五節の舞をきらびやかに演出してたけど、ほんとに当代の粋を集めた一流の芸術イベントだったのでしょうね。

 

で、この舞を見て感動した源氏の本命で父の後妻である藤壺がようやく源氏の手紙に良い返事をして、翌年源氏によく似た男子が産まれる、と。

 

更にこの紅葉賀の後半では源典侍(げんのないしのすけ)という人が出てきて、次の話で尚侍(ないしのかみ)という人が出てくるのでまことにややこしいんだけど、源典侍、男好きの年増という設定で源氏とも関係を持っています。

 

源典侍は年増、若作りの年増ってたくさん書かれるのですが、年増って言っても当時の年増だから20代後半から30代くらいだろうって思ってたんだけど、後の方で50代って出てきてびっくらこいたわ。

この時の源氏18~19歳です。

相手が30歳年上でも他の女子と平等に扱える源氏すげえってリスペクトだよ。

 

で、次の花宴ではさきほどの尚侍と出会います。この人は名前がころころ変わるのでこの人のことを指してるって気づかずにしばらく読んでました。

花宴では右大臣の六の君(6番目の娘)という呼び名で登場します。

現在のところの一般的な呼び名は朧月夜ですが、作中で呼ばれてたかな・・・?

始めは誰とも知らずに飲み会で出会ってヤって別れるのですが、後日右大臣家の宴会で再開して、右大臣の六の君だとわかる流れです。

ところがその右大臣の六の君は時期帝への入内が決まっていて、禁断の恋になってしまいます。

 

と匂わせておいて、次の巻で全く別のところで大波乱。

源氏の本妻と元本カノがばったり会ってガチ喧嘩してしまうという。

 

タイトルは葵という、初期から出てる源氏の本妻なのにやっとここで名前がタイトルになったっていう巻です。

 

賀茂祭での禊に源氏も供奉するところに多数の見物人が集まったっていうシーンなので、祭りでのパレードをイメージしてますが、その見物の中に源氏の本妻の葵の上と本カノ六条御息所の牛車がいて、六条御息所の方は葵の上の牛車がいることはわかっていたのだけども葵の上の方はそうとは知らず、場所争いとなってしまうのです。

で、葵の上の家来が六条御息所の牛車を蹴散らしてしまい、六条御息所は相手がこちらが誰だかわかってなかったと知っていながらも恨みを抱いてしまうのです。

 

一方そのころ源氏は仕事を終えて紫の上を祭りデートをしていたのだけども、混雑してて場所取りが上手くできないところを譲ってくれた親切な人がいて、お礼を言おうと牛車を覗いたら源典侍だったという、何このエピソード。

 

知らないうちに本妻と本カノが喧嘩してて、新本カノとデートしてたら浮気相手と会ったって。

しかも源典侍は無害なのでデート中に会っちゃったからといって何も起こりません。

いるのかこの部分。

 

なお、この時点での源氏の女性関係は、

本妻:左大臣娘の葵の上 妊娠中

元本カノ:六条御息所 娘が斎宮に

本命:藤壺 父の本妻で源氏の子産んだ

新本カノ:紫の上 引き取ったけどがんばって口説き中

 

浮気相手

1 夕顔 死んだ

2 空蝉 人妻、旦那の出張で遠くに行った

3 末摘花 忘れそう

4 源典侍 無害な年増

5 右大臣六の君 本妻家のライバルの家なんだけども、新天皇の妻

 

まだ物語序盤だけども、源氏と関係を持つ女子は半分以上登場しています。

空蝉と間違えてヤっちゃった軒端荻も含めると10人ですね。

若紫以降でラッシュですね。

 

紫の上とデート中に源典侍に会っちゃった方は何事もなかったけども、葵の上と六条御息所の方は悲劇になってしまいます。

葵の上の妊娠して体調が悪いところに六条御息所の生霊が現れて更に体調を悪化させてしまい、葵の上は出産こそ無事にするものの体調が回復せずに死んでしまうのです。

 

しかも、六条御息所の方も葵の上が使った魔除けの芥子の匂いが自分についたことで、葵の上を殺した生霊が自分だったと知り、意識してないのにそんな怨念出しちゃう自分を嫌悪。

でもその後も生霊キャラになるので、1000年の読者から最初の夕顔殺害容疑もかけられることになってしまいます。

 

で、興味深いのは通い婚だった当時のならわしで、葵の上が死んでしまったら左大臣家との関係がすごく薄くなっちゃうのね。

 

それまで源氏は自分の家っていうのは左大臣の家っぽかったんだけど、生まれた子供の養育を左大臣家に任せると出ていってしまって紫の上に与えてた家が自宅となります。

 

それでもあまり帰らずにいろんな女子のとこに行くんだけど、本妻から解き放たれた源氏は紫の上を本妻格(形式上は本妻ではない)として口説き落として無事にゲットできました。

 

が、次の話は紫の上とラブラブな話ではなく、他の女子との話なのですが、それまで源氏は保護者で恋人目線じゃなかった紫の上がちょいちょい嫉妬のセリフを言うようになってかわいくなります。

 

六条御息所の娘が斎宮としていよいよ伊勢に行くことになり、御息所もそれについていくことになって元本カノとの別れを惜しむのと、父が死んでフリーの未亡人(?)になった本命の藤壺を口説くのと、新たにゲットした浮気相手の内侍(朧月夜)とイチャイチャする話ですね。

 

斎宮というのは、今も伊勢神宮の近くに斎宮という駅と斎宮跡がありますが、初代は天照大神を祀る地を、諸国を巡って、調査して、ふさわしい地を決めて、伊勢神宮を作った人で、その後は伊勢神宮で天照大神に奉仕する役割を担う役職です。

 

六条御息所は生霊の件もあって都を離れたいと思って伊勢についていったんでしょうね。

 

なので本妻に続いて元本カノもいなくなってしまったのですが、ここで父が死んで本命がフリーになるという、源氏が暴走する案件となります。

 

が、それも藤壺が拒み出家するというこちらも暴走状態。

 

出家って、戦国時代になると結構気軽にやって頭丸めるだけでそのまま大名や武将としての地位を維持してることが多いんだけども、それは領内の寺社勢力を味方につけるためだったりとか、早めに家督を子に譲ってお家騒動を防ぎつつも勢力が弱くならないように後見するためだったりの便宜的な目的だったからで、当時の出家はほんとに俗世を切り離されるものだったようですね。

 

こちらも大河では花山天皇を騙して出家させて、頭丸めたらもう俗世に帰れないっていう、そういう大変なことに描いてました。

 

源氏物語でも藤壺の出家で大騒ぎだし、出家についていった家人ももう出世は諦めたみたいな、実際の距離は遠くなくても精神的な距離はすごく離れてしまった感じに描いています。

 

で、源氏は最新の浮気相手の尚侍との関係にはまっていくわけですね。

 

そんで「バレたらやばいよー」とか言いながらいちゃついてるところをバレてしまい、源氏を失脚させたい人たちがこれをネタに攻撃してくるのをかわすために、源氏は須磨へと隠棲することで逃れる、という話の流れになります。

 

なのに須磨に行く前の、バレちゃったどうしようの段階で別の女子が登場します。

設定的には物語には今まで出てこなかったけど結構昔からの彼女だそうで、名前は花散里。

 

タイトルも花散里なのでこの人メインの話なんだけど、伏線を張る回ですね。

だからこの時点でかなり後半までの構想はできてたんだと思うんだけど、現段階ではあんまり関係無いちょっとした浮気相手に会いにいく話です。

 

だけども途中で中川の女という人の家の前を通り、「あ、ヤったことある女の家だ」と気づいてスルーするのもどうかなって手紙を送るんだけど、瞬殺で拒否られてしまいます。

もう何やってんのかわかりません。

 

中川の女でググるとその人は空蝉っていうのも出てくるんだけど、謎の人みたいね。

 

で、諦めて花散里のとこに行っていちゃついてきます。

 

何やってんのほんとに。

 

次から尚侍の件で大変なことになって須磨に行くことになるわけですが、ここまででいろんな女子と遊びまくってその中でいろいろ事件があって、ついに大事件起こして都を追われるっていうところで一区切りなので、今回はここまでです。

 

葵までは源氏のイケメンぶりが颯爽と描かれているのに、そのイケメンぶりを伏線として賢木からダメ人間になりますね。

イケメンぶりもたくさんの女子を優雅に落としていくのも、元が母を失った孤独と届かない恋の相手である母に似た藤壺を想う屈折した感情からなので、良い方に作用している時はかっこいい源氏だけど悪い方に作用するとダメ人間になるっていう二面性を描きたかったのかな、と思います。

 

次回はピンチの源氏からです。

次回もお楽しみに!

 

まあ、ケガや体調不良で上手くライブができないのは恥なんだけど、上手くライブできたら武勇伝だからね。

たいていのピンチは乗り越えたら武勇伝だ。

 

というわけで自分で言うわけだけども、昨日は結構やばかったのよ。

 

朝から大騒ぎしてメンバーには迷惑かけてしまったんだけども、肩の筋肉を酷使しすぎて右腕が激痛だったのです。

 

トラブルがいろいろあったりそもそもハードな負けられない戦いがあったりその間でシンデレラキャッスルの配信ライブしたりして腕痛いなーくらいだったのが、ライブの前日には力を入れるとかなり痛くなるようになって、例えば運転するのにハンドルの上に手を置いてれば問題無く運転できるけどウインカーまで動かすのとウインカーからハンドルに手を戻すのがめっちゃ痛いってなってたの。

 

他にもPCで作業するのにマウスは大丈夫だけどそこからキーボードに手を動かすのがめっちゃ痛いとか。

 

でも筋肉が固まってるわけではないので左手で右腕を持ち上げて運べば大丈夫、みたいな。

あと指や手首を動かすのは全然問題無い。

 

だからライブも右手の位置は固定なので大丈夫、と前日の夜まで思っていました。

 

が、朝6時半ごろに右肩が痛くて起きて、起き上がるのもめっちゃ痛かったけど気合いで起き上がって、これは救急車呼ぶやつか、と思ったけど耐えられない痛さじゃないからとりあえず二度寝しようと思ったら横になるのも痛くてなれなくて、しばらく日曜日やってそうな整形外科調べてからの気合いで二度寝で。

 

たいていの病院は9時からだったから8時に起きて、いろいろビビる事態になってることに気付く。

 

着替えられない。腕が痛くてシャツが脱げないしもちろん着れない。ズボンと靴下も大変だったけど片手でなんとか。

 

財布をいつも入れてるズボンの右後ポッケに入れられない。財布開けられないし開けても保険証出せないからテーブルに置いてあらかじめ必要なもの出してバッグに入れておく。

 

歯磨きも左手で。食事は元から左で大丈夫なので問題無い。トイレは大変。

 

前日夜は大丈夫だったPCの操作ももう右腕ダメだったので左手のみでやって病院の連絡先出して問い合わせ。

日曜やってる病院や救急も近場で行けそうなとこは整形外科はやってないとのことで、自転車やバイクはもちろん無理だし車もダメそうだから父に車運転してもらって整形外科やってるところへ行くことに。

 

そのあたりで入りに間に合わなさそうだからメンバーに連絡。

 

ライブができないってことは絶対に無いけど、ライブハウスまで辿り着くのが大変、着いても着替えやメイク、楽器のセッティングが大変、だけど右手が使えるかわからないから最悪左手だけで弾く、と。

 

わんさん左手だけでも結構な音量出せるからズクズク刻むのはできないけど重低音支えるのとブイブイうねらすのは大丈夫なの。

右肩がダメなのは今回が初だけど右手がダメな時はちょいちょいあるからそれでごまかしてたこともあるし。

 

で、病院行ってみたらネットには書いてなかったけど日曜は整形外科休みって言われて痛み止めだけもらって帰宅。

 

こうなったら、もうライブハウス行こう、と。

 

いつもの荷物は持てないから機材も楽器本体とチューナーだけにして、衣装は着替えるの大変だから家から着てコートを羽織る。

後はメイク道具だけ持てば良いんだけど、楽器ケースを背負えないので父に駅まで車で送ってもらう。

 

駅からは楽器ケースは左手で抱えて、メイク道具が入ったバッグを首にかけて移動。

周りの人にはすげえ効率悪い持ち方してんな、と思われたことでしょう。

 

あれね、肩が痛いのは見た目でわからないから大変ね。

三角巾で腕吊ってたり包帯巻いてたりすれば周りの人も気を遣ってよけてくれるんだろうけど。

松葉杖で楽器背負ってた時の方が楽だったわ。

 

そんなわけで病院ダメだったからリハも間に合い、楽器は床に置いてストラップをくぐれば大丈夫なことを確認。

あと、右手で弾くのも問題無かった。

スラップは痛いけどギリできた。

腕上げるパフォーマンスは無理なので左で代用できるとこも確認。

 

リハ終わって楽屋に移動するところで、よりによってこの日に靴のかかとが剥がれる。

なんで今日やねん、って思ったけど衣装用の靴で変な荷物の持ち方で変な歩き方したからね。

 

コンビニでアロンアルファ買って楽屋へ。

 

本番まで6時間くらいあったけど、メイクに時間かかりそうだからさっさと塗る。

 

右腕は動かないけど左手でメイクは危険なので、右手を固定して顔の方を動かして塗りました。

目とかを描くのは団長がやるので白塗りできればOKなんだけど、眉毛剃れなかったから昨日の写真には眉毛がうっすら見えてます。

 

カラコンは両手使わないといけないから諦め、髪を結ぶのも諦め。

 

で、なんとか早めに準備できたんだけど、準備が早く終わると欲が出てくるわけですよ。

 

腕上げられないけど上げた方がかっこいいよな、と。

死ぬわけじゃないし痛いだけだからライブ1回分ならできるっしょ、と思って上げられそうな角度を探す。

 

最初はステージングはできなくてもとにかく気合いで弾く、とだけ思ってたんだけど痛み止めも効いてきたのもあって普通に全開でいこう、痛いくらいで日和ってたらかっこ悪いと思ってきたわけです。

 

ここまで既にさんざん騒いでメンバーに気遣ってもらってたんだけども。

 

かっこいいライブができれば後のことはどうでもいいし。

 

そう思ってライブした映像のスクショがこちらです。

 

 

腕が上がらない分は体を反る。

 

たぶん普段と遜色無いかっこいいライブができたんじゃないかな、と思います。

 

ってかちゃんとできて良かった!

自分が納得できないライブとか後悔するライブにならなくて良かった。

 

そのためにがんばって練習してるんだし、負傷してるとはいえ全力出さなかったら何年経っても後悔するからね。

この腕の高さがおれのプライドの高さだ。

 

もちろんライブ終わったらビールも飲む!

 

で、来る時はそんなに動けないから汗あんまかかないと思って衣装で来たのに、汗でびしょびしょの衣装で帰る羽目に。

 

帰りの駅から自宅はタクシー乗ろうかと思ったんだけど、ストラップをくぐる要領でやったら楽器ケース背負えたので、タクシー乗るのにまた降ろすのめんどいと思って徒歩で帰りました。

普段10分ちょいだけど動きがスローで30分くらいかかった。

 

と、長々書きましたが、おれ痛い中がんばったかっこいいというのを言いたかったんじゃなくて、まさかの、今日起きてたら治ってたんだよねー

 

帰りに楽器ケース背負えたのも、例のライブやったら治ったっていうやつだった気がする。

 

たいていのライブ前の体調不良はライブ終わったら治ってるっていう、バンドマンあるあるです。

 

そもそもライブに万全な体調で挑めるってことは滅多になく、普段の仕事や普段の活動、ライブの準備などなどでヘロヘロな状態でライブの日を迎え、本番までにコンディションとテンションを整えるんだけど、それでもどうしても体調が良くない(風邪とかじゃなく)時があって、でもライブ終わると治ってるという。

 

たぶんライブ中に無意識に自分にベホマ使ってるんだと思う。

 

というわけで、もうあんま痛くないなと思いながら病院行ったんだけど、先生に「昨日すげえ痛かったんです、ここが痛かったんです、マジでこのお財布ポッケに入れられなかったんです」と大したケガじゃないのに騒いでる人になってしまったので、その思いをぶつけようと思ってこのブログを書いた次第です。

 

一応検査して、肩腱板炎症ってことで針がとても長い注射してもらって、痛み止めと湿布もらって来週また行くことにはなったんだけど、1週間くらい前から痛くなって昨日は激痛だったのにライブやったら治ってるってどういうことよ。

 

まあ、まだ右手だけで楽器持ったりはできないくらいは痛いので救いはあるんだけど、日常生活に全く問題無くなってもうた。

 

せっかくあんだけ痛かったんだから三角巾で腕吊ったりして何日か怪我人してたかったのに。

 

腑に落ちないケガの日記でした。

 

次回のライブ、3月15日はもう平気になってるから心配しないでOKよ。

 

あと、心配かけて気遣ってくれたメンバーとスタッフとファンの皆様、なんかすみません。

いろいろ考察が膨らむ巻なので若紫だけ

 

※このブログにはネタバレを含んでおります

 

 

若紫と出会う巻で、ふらふらといろんな女性と遊び回って勝手にトラブルに会う源氏物語に方向性ができる巻ですね。

 

だが、その出会い方!

 

例の「雀の子を犬君が逃しつる」って若紫がパタパタと走ってくるのを遠くから目撃するのが源氏が若紫を初めて見るシーンで、教科書的には子供らしく無邪気な感じで登場する若紫のかわいさを良く表現しているとか解説があるわけですが、源氏は死んでしまった夕顔を弔うために悲しみに沈みながらも寺に行って供養してきた帰りなわけです。

 

それまで体調も壊すほど悲しんで落ち込んでいたところに、無邪気な幼女を見て急に萌えはじめるっていうこの展開。

 

結局そんなもんか!と思うし、源氏がめちゃめちゃ落ち込んでるのも目の前で死なれたのがショッキングだっただけで別に夕顔本人にそこまで思い入れがあったわけではないのではないかと感じてしまいます。

 

この出会い方、というか一方的に源氏が若紫を見つけるだけで出会ったわけではないのですが便宜的に出会いということにして、この出会い方自体は少女漫画的でとても良いのですが、その時の源氏がその場所にいた理由がね、不謹慎すぎると思うのです。

 

このあたり断片的な知識では知り得なかったことなので、ちゃんと読んでみてショッキングな出会い方でした。

 

ま、でもストーリー的にはこういうのがないと源氏が立ち直るきっかけができないからしょうがないのかなあ。

 

そして、幼女を自分好みに育てて妻としようという発想はどうなんでしょう。

 

今までなかなか思うようにいかなかったけど、そうだ!幼女から育てたら自分の理想の女性になるはずだ!

 

って、どんな精神状態よ。

 

とか言いつつわんさんは自分が作ったバンドでは理想のメンバーに出会えなかったから初心者から育てようとしまして、ものの見事に失敗してるのだけども。

 

話を戻して若紫、幼女という設定で源氏が若紫の祖母の尼に若紫を引き取りたいと伝えても幼いからダメ、と言われておりますがそこまで幼女ではない模様。

 

てっきり5歳くらいなのかと思っていたけど、10歳くらいらしい。

途中で物語の中の記述に矛盾が出て年齢がはっきりしなくなるんだけど、出会った時は10歳くらいの設定で、当時の結婚ならもう5年ほどで十分結婚適齢期、早い人なら数年だし、婚約ならば幼すぎるってことでもないでしょう。

 

源氏の年齢も18歳なので離れ過ぎなわけでもないし。

 

現代の感覚ならアラサーとJKくらいな感じでしょうか。

 

なので、祖母の尼が渋ったりするのも現代でアラサーとJKが結婚を前提に付き合い出すのに反対するくらいの感覚なんじゃないかと思います。

 

ただしアラサーの方はアイドルを経て政界に出馬して閣僚入りした大富豪なわけだけども。

男子高校生が女子小学生拐おうとしてるのとは違うのです。

 

この巻はちゃんと読んで背景もwikiを参照にするくらい調べるとそれまでのイメージと違ったことがわかって良いですね。

 

イメージと違うと言えば、イヌキよ。

 

かわいい女子が大切にしてた雀を逃がしてしまうのだから、好きな子をいじめる感じのやんちゃな男の子かと思いきや、女子みたいね。

 

確かに漢字で犬君ならば、「君」は女童につけられる呼称なのでそう言われれば女性だよな、と。

 

ただ、主人公の源氏からして”光る君”と呼ばれていることからして「キミ」と読む場合は男性の場合が多いけども、もともと「君」は君主のことだから女主ならば淀君のように女性でも有りうる可能性もあるし、平安時代後期の「虫愛づる姫君」のように主でなくとも女性に「君」を付けたりもします。

 

ところで犬君を「イヌキ」と読むのは何か根拠があるのでしょうか。

 

源氏物語では他にも「あてき」という女性が出てきますが、こちらは平仮名です。

犬君もどこかに平仮名で書いてあるものが無いと読みは確定できません。

 

結構人物名は読み方論争があって、織田信長ですら名字は「おだ」じゃなくて「おた」っていう論争があります。

 

こういうのはどこかに平仮名で書いてある書状等があって読みが確定するわけで、論争になるのはその史料の信憑性や書状を書いた人が読みを間違えていた可能性等があるからで、本人の署名なら間違いありません。

 

ただ、犬君の場合は架空の人物なので、紫式部が直接カナを振っていなくても近い時代の人物ならば人名の慣例で犬君の読みをわかってる可能性が高いので、そういった人物が書いたフリガナがあれば良いのだけども、まあ、長年イヌキと読まれてきたのだろうからイヌキなのでしょう。

 

で、犬君が何者か、というのもググればいろいろ出てくるわけですが、直接登場はしていなくて紫の上のセリフの中で「犬君が雀の子を逃がしちゃったの」「厄払いだと言って犬君が雛遊びの道具を壊してしまったの」と2回だけなのでそこから推測するしかありません。

 

雀の子を逃がしてしまったことに対して乳母の少納言が「例の心無いヤツがまたそんなことをして叱られて、ほんと困ったヤツね」(わんたろう訳)と答え、雛遊びの道具を壊してしまったことに対しては源氏が「ほんとにひどい、人の仕業だね」(わんたろう訳)と答えています。

 

さて、源氏は人と言っていますが、乳母は人とは言ってません。

 

犬君が犬という説はいかがでしょうか?

 

源氏は犬君を見たことが無いので人だと思ったのかもしれないし、セリフの方も読点の位置から”ほんとにひどい人の仕業”ではなくて”ほんとにひどい、人の(ような)仕業だね”かもしれない。

 

雛遊びの道具を壊した時に「厄払いだ」と言ったというのも、おままごとなのでわんわん吠えながら壊したのを紫の上の想像上のセリフで補ったのかもしれない。

人形でおままごとしてたら犬が来て「厄払いだー」って壊しちゃったの、と、おままごとの最中に犬が乱入してきたらいきなり現実に戻らないで設定を維持することもあるでしょう。

 

根拠は、その家の姫である紫の上に対する行為が女官見習いにしてはひどすぎる、ということです。

 

祖母の尼は犬君がひどいことをしたのに対して紫の上が子供っぽいことを指摘してもっと大人になりなさい、と諭します。

 

乳母が犬君を心無いヤツ、粗野なヤツと言っているのに対して祖母は孫がひどいことされてもお咎め無し、ということは犬君は身分を超越してるんじゃないか、ペットの犬じゃね?と思うわけです。

 

つまり、犬君を現代風に読むと”わんちゃん”だ。

 

ちなみに、人であった場合の考察をすると、おそらく本名ではありません。

源氏物語では人名に本名がほぼ出てこないので、セリフの中に2回出てくるだけの名前が本名である可能性は低いのと、やっぱり犬君の”君”の部分が気になるので。

 

犬にゆかりのある、見た目か性格か、住んでる地名か建物か出身地か、そういったことを由来に女童によくある”君”をつけて犬君と読んでいたのだと思います。

 

犬という名前ならば織田信長の妹にお犬の方という人がいるので有り得ないことは無いけども、源氏物語の登場人物の名付け方からすると、通称なような気がします。

 

これが女童(女官見習い)ならば、主の孫であり将来の主である紫の上に対する行為はめちゃめちゃ怒られるわけで、ただの女童だとは思いづらいところです。

 

犬でないならば、最初に書いた実は男で、近所に住む身分が同じくらいの遊び友達でなんかいつもいじめてくるっていう関係っていうのも有りかな、と思います。

 

また、女子ならばやっぱり近所に住む身分が同じくらいの遊び友達なんだけど、無意味に乱暴じゃね?と思います。

やっぱり女童で乳兄弟という説もありましたが、それなら源氏と結ばれたあともついてきていないとおかしいので、そんないろいろぶっ壊すキャラの強さならもっと登場しないといけません。

 

だから、やっぱり犬かな。

 

というわけで、インパクト強すぎ犬君の考察でした。

 

ここから後は源氏が紫の上をゲットしようとしながらも他の女子に手を出す話が続きます。

似たような話が続いていくのでペースアップできるかな。

 

次回もお楽しみに!