大河ドラマの解説コーナー㉜ #どうする家康 | わんわん物語

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~異界から目薬~

小牧長久手の戦い後編の回のです。

 

武将たち、ものすごくかっこ良かった!

なんだかんだで戦は華々しいもの、命をかけて戦った先に大きな名声が得られるものという一面もあるのでああいう描き方をしてくれると嬉しいものです。

 

もちろん悲惨なものでもあるし、実際に参加してる人たちからすれば無いにこしたことはないことなのかもしれないけど、武功夜話等には戦に嬉々として馳せ参じる描写もあるし、華々しさというのも大事なことなんだと思います。

 

さて、冒頭は小牧山城の大改造と、睨み合いのままお互いの隙をうががうに際して秀吉の悪口を言い立てて挑発するシーンです。

 

榊原康政の「秀吉は野人の子~」は岡崎城の近くに立て札持った像があります。

 

何も人の悪口言ってる状態の像じゃなくても、と思いますが、圧倒的な力を持つ秀吉に臆せず堂々と悪口言う姿は、まあ、かっこいいのかな。

 

実際問題、戦に負けなくても和議の際の条件に悪口言った人の首ということにもなったりするし、降伏することになったら絶対殺されるし。

 

でもそんな挑発には秀吉は惑わされず睨み合いは続くわけですが、その間も小牧山大改造は続いていて、堀を深くしてると見せかけて城を出る際に敵から見えなくなる通路を作っていた、という説があります。

 

確定してるわけではないのですが、お互いの本陣が丸見えなのに「密かに城を出て」とあるので密かに出られるルートがあったのでしょう。

 

城から出るルートだけじゃなくて城から出た後も密かに行軍できるルートが必要だと思いますが。

 

あと、三河物語には小牧山大改造からの睨み合いではなく、小牧山城には柵も作らず敵に突撃しての小競り合いを繰り返してたって書いてありますが、こちらは否定モードですね。

 

小牧山城が大改造された跡もあるし、この戦は幕府が精査して顕彰してるので小さな小競り合いでも、あれば敵を討った者や負傷した者が記録に残るので。

 

で、ドラマでは諸説を上手い具合に組み合わせてました。

たびたびそういう組み合わせはやってたけど、完全フィクションのやつがひどすぎて一喜一憂なわけですが。

 

中入り作戦、秀吉軍の池田恒興と森長可が膠着してる戦線を迂回して家康領の岡崎を攻め落とそうという作戦です。

岡崎を落とせなくても、焦った家康が小牧山城を出れば池田隊と秀吉本隊で挟み撃ちにできる、と。

 

これが羽黒の戦いでの敗戦で功を欲した池田恒興の策なのか、秀吉の策なのかで、結果負けてしまって池田恒興は討ち死にしてしまったので、家康に負けたのはどっちだってことで汚名のなすりつけをやったわけだけど、ドラマでは池田恒興の献策で秀吉がそれにプラスした案を乗っけたのですが「池田の策だったことにしろ」って噂を広めてました。

 

実際のところは説が確定してませんが、秀吉は自分が負けたことにしたくない、でも後世の幕府としては家康が秀吉に勝ったことにしたい、で池田さんが上手く使われて曖昧になってるのですな。

 

秀吉と池田さんの関係も、秀吉の方が力が強いのだけど多くの織田家臣が秀吉に従っているのは信長の乳兄弟で美濃一国を持ってる池田さんがいるからっていう面もあるので、ドラマ通りの関係だったんだと思います。

 

そして、次回への伏線で石川数正が不穏になってるわけですが、三河物語ではこの頃既に秀吉と内通疑惑とされてます。

 

数正が出奔するのはこれより1年以上先ですが、ドラマでは突然の不穏さですが、史料ではもう伏線があるのです。

 

数正の件に関しては次回なので次回にしますが、戦国も終盤とはいえまだ国主が討ち死にするような戦が続くのですね。

 

小牧長久手の戦いもこれで終わったわけではなく、一番大きい戦闘は終わりましたが秀吉と家康の戦いの決着が着くまではまだまだかかります。

 

次回はどんな演出で決着をつけるのか、上田城の戦いはやるのか、乞うご期待です。

 

次回もお楽しみに!