大河ドラマの解説コーナー⑬ #どうする家康 | わんわん物語

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~異界から目薬~

今回は4月2日の分、家康が上洛するお話です。

 

上洛、京都に行くことですね。

 

当時の武士たちは、京に近いとこに拠点があった人以外はほとんど京都に行ったことがありません。

どんだけ地方で大勢力を持って威張っていても都会を知らないわけです。

 

が、信長も尾張統一前にお忍びで京都に行って将軍に会った逸話があるように、少人数では行こうと思えば行けるのです。

ただ、行って京見物してくるだけっていう余裕はほとんどの武将には無いわけで。

 

京都に行くには目的がなければいけません。

 

家康は信長に呼ばれていきました。

 

当時、どのくらいの武将が天下統一を目指していたかは不明ですが、天下統一の方法は京都と京都に繋がる領地を制圧し、足利将軍を補佐(実際は傀儡)にして天下に号令、全ての武士を従えるということでした。

 

これを目指して畿内では将軍の取り合いをしてたし、地方では将軍の命令としてその土地の守護大名となって領地を広げていたのです。

 

で、信長は美濃(岐阜)を獲って上洛っていうビジョンを若い頃から持っていたので、桶狭間で今川を撃破しても西に向かわず、西は家康に任せて美濃を攻略、そして上洛したわけです。

 

一方、京都の混乱から脱出した将軍候補の足利義昭は越前(福井)の朝倉氏の元に身を寄せていましたが、朝倉氏は将軍を補佐して京都を制圧するっていうようなことはやりたがっていなかったので、義昭は目的が同じっぽい信長の元に移動します。

 

この義昭についてきたのが明智光秀ですね。

 

ということを、信長は家康がようやく三河を統一したくらいのところでやっていました。

 

で、信長は将軍を京都まで連れていくために、妹のお市を北近江(琵琶湖の東北側)の領主浅井長政に嫁がせて味方にし、南近江の佐々木六角氏をあっという間に撃破して大軍を率いての上洛に成功。

 

義昭を足利15代将軍にすると、正攻法で天下に号令、各大名に上洛を求め、応じない者を征伐するとしました。

 

正攻法ではあるけども、もちろん建前です。

いきなり新将軍になった足利幕府にそんなパワーはありません。

 

そういう大義名分で近隣諸国を切り従えていくわけですね。

 

で、呼ばれた家康。

ドラマでは京都見物なノリだったけど、もちろん何するために呼ばれたかはわかっていたはずです。

 

でもこのタイミング。

ちょうど今川を滅ぼして、武田と全面戦争が始まる前。

実際は境界地域ではちょくちょく小競り合いしてて、いつ武田が攻めてくるか、というところでのギリギリの上洛だったわけです。

 

何故家康がこのタイミングで上洛できたのかは疑問だけども、逆にこのタイミングでなければ上洛できなかったであろうとも思います。

 

ともあれ、ギリギリな感じで家康は上洛しました。

 

前置きはこんな感じですが、今回のツッコミどころとしては、京の状況でしょうか。

 

麒麟が来るではよく描かれていたと思うのですが、結構な荒廃ぶりだと思うのですよ。

戦で荒れ果て、信長が上洛してから1、2年でなおも三好の残党が襲撃してくる京。

 

いくらかは落ち着いたとはいえ、そんな華やかではなかったと思うし、南蛮人はいないわけではないだろうけどそんなに京にはいなかったのではないかと。

 

南蛮人が多いのは堺港で、フランシスコ・ザビエルが漂着以降は九州や堺の港で南蛮の品物の交易が始まっていました。

 

金平糖、カステラ、ワイン等はそういった南蛮渡来の高級品で、他にもガラス、ビロード、石鹸(シャボン)、オウム、タバコ等が入ってきたので、この当時に入ってきたものはポルトガル語由来の和製語になっています。

 

ただ、メインの交易品は鉄砲と、鉄砲打つのに必要な火薬、硝石です。

日本からは銀が輸出されました。

 

なので、菓子や嗜好品、贅沢品は主要な貿易品ではないと思うので、金平糖が欲しいとなると大変だったでしょうね。

 

織田家は津島や熱田からの貿易で莫大な資金を得ていたので、上洛後は琵琶湖の港や堺をゲットしようと動き、南蛮人が京にいたのは大口の商売相手である信長と面会が目的だったのでしょうか。

 

あ、五徳姫の「父上に言いつけちゃうよ」はフラグなので。

知らない人のために伏せますが、と、史実がどうかは別として物語的にはこれでとてつもない不幸が徳川家を襲います。

 

そして浅井長政。

 

ゲームでは近江の半分の領地を持っていますが、確定している領地は郡3つ。

そこまで大きな勢力ではありません。

 

が、岐阜から京までの道に必要な場所(佐和山)とその北を抑えているため信長には必要な人物だったのです。

浅井が敵になれば信長が京都に行っている間の岐阜の守りも心配です。

 

上洛にあたってお市を連れてきて、家康と市が面会というのはもちろんフィクションですが、市が抱えてる茶々は家康のラスボスなのでこれもフラグですね。

45年後に倒す相手だ。

 

次回は金ケ崎の退却戦になるのですが、信長陣営視点ではさも当然のように徳川軍が援軍に来て助けてくれて、でも徳川軍が活躍するシーンは姉川の戦いと合わせてもあまりやってもらえませんでした。

 

どんな感じに描いてくれるのか、迫力の戦闘シーンはあるのか、期待しております。

 

リアルタイムではもう三方原らしけど、、、

 

GW中にがんばって追いつく!

 

次回もお楽しみに!