幻のウル・ルービックスマヌーバー | TUNのブログ

TUNのブログ

ブログの説明を入力します。

 いわゆる「ツクダ式」の解法で、ルービックスマヌーバーとして紹介されている手順は、
(1) M' U' M' U' M' U2 M U' M U' M U2 (12btm)
となっています(U'の箇所はUでも構いません。最近のスピードキューブ系ではUを使う人の方が多いようですね)。
 でも、私がルービックスマヌーバーを初めて知ったのは、多分週刊誌か新聞の記事だったと思うのですが、私の記憶でも当時のメモでも、
(2) M' U' M' U' M' U' M' U2 M'U' M' U' M' U' M' (15btm)
なのです。
 そして、現在のルービックスマヌーバーは、私のメモでは、15手だったこの原(ウル)ルービックスマヌーバーを12手に改良した「ルービックスマヌーバー改」なのです。
 最近、気になって「ルービックスマヌーバー」で検索したら、
http://www.geocities.jp/rubikcube27/others/maneuver/maneuver.html
に「更に、結果は同じなのですが、速く回す為の手順で“マシンガンマヌーバー”というのもあります。」として、
(3) U M' U M' U M' U M2 U M'U M' U M' U (15btm)
という手順が紹介されていました。これだこれだと思ったけれどもよくみると違いました。単にUから始めているというだけではなくて、中間がU2ではなくてM2だという決定的な違いがありました。この手順は最初のUを省くと最後がU2となって、手順は1手減って、反転箇所がURとULになります。
M' U M' U M' U M2 U M'U M' U M' U2 (14btm)
 この手順が「速く回す為の手順」なのならば、(2)もまた速く回しやすいのでしょうか?

 (2)の手順の第一印象は、えらく長い手順だなでしたが、その仕組みを知ったときには、感心しました。
(M' U')というのは、8周期の――8回繰り返すと元に戻る――手順です。そしてその半分の(M' U')^4では、U面がL字型の隣接エッジの反転、D面がI字型のエッジ反転になってます。そのままさらに、(M' U')^4とすると元に戻る訳ですが、この中間地点で、さらにUを90度回すと、後半の操作でのU面の反転が前半と90度ずれているため、U面の反転はI字型が残ることになります。
(ついでに言えば、この4回目のときに90度戻すと反転の位置が180度ずれて4エッジ反転になります)

 この手順を知った後に、(1)の手順にたどり着くのにそれほど時間はかかりませんでした。
 (M' U')の何回かの操作の後に、後半を(M U')にして折り返すとどうなるかという発想で試してみました。3回目で折り返すのが、
(M' U')^3 U' (M U')^3 U'
 これが、ツクダ式のルービックスマヌーバーですが、繰り返し1回の
(M' U') U' (M U') U'
は、周知の、中列エッジ同位3点移動です。繰り返し2回も興味深い移動です。
(M' U')^2 U' (M U')^2 U
で、エッジの反転3点移動です。
このままでは、実際的には使いにくいので、前にU又はU'を付けて、
(a) U M' U' M' U2 M U' M U' (U' M' U' M' U2 M U' M U) (9btm)
とすると、中列エッジの転位3点移動です。
 この手順は、ひろとルービックキューブを楽しもう
http://www12.atwiki.jp/hiro/pages/9.html
でも紹介されていまが、中列エッジの動きに慣れてきて、エッジの位置と方向を同時に見分けられるようになると便利な手順です(場合によっては、前後にB2を付けます)。

※(R U')^n U' (R' U')^n に関心を持つのも、自然の流れでしょう。それは次の機会に。

 ところで、私の記憶を検証しようと昔のメモやスクラップ(コピー等)を探索したのですが、目当てのものは出てきませんでした。
 代わりに出てきたのが、デイリースポーツ81年2月3日の記事です。第1回全日本キュービスト大会チャンピオン北島秀樹クンの完成法の説明です(北島秀樹氏は2010年8月30日に行われた「メガハウスカップ」にゲスト参加されているのですね)。

TUNのブログ-北島式

 完成法の概略は、完全2面から中列というツクダ式と共通していますが、最後の、2エッジ反転の手順は、ルービックスマヌーバーではありません。
 使われている手順は、
U2 M' U2 M U S' U' F2 U S U' F2 (12btm)
※ この後半の(b) U S' U' F2 U S U' F2 は、上記の(a)と同じ移動なのですね。8手です。
 完全2面目のエッジ揃え手順も、ツクダ式とは違います。もっと簡単な、3点同位移動(S U2 S' U2)の応用系(L S U2 S' U2 L')です。
 こうした解法が、新聞に掲載されるのですから、「ツクダ式の解説書」は、この時期にはまだ発行されていなかったということでしょう。多分ルービックスマヌーバーもまだこの段階では、日本で紹介されていなかったのだと思います。
 原(ウル)ルービックスマヌーバーは、まだ幻のままです。

 ちなみに、私がルービックスマヌーバーを知る前に、たまたまこのパターンに出会った時は(最終面のエッジ揃えは位置と方向とを同時に揃えていたので出会う確率はそんなに高くなかった)、
Rw U R' U' M U R U' R' (u') M' U' M U2 M' U' M
※(u')はそれまでのL面をF面とする持ち替えです。
という9+7の16手という組み合わせで対処していたと思います。