1 Double Edge Flip | TUNのブログ

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ブログの説明を入力します。

http://www.randelshofer.ch/rubik/revenge/U010.01.html
で、Pretty Patternsがたくさん紹介されていますが、1エッジ反転のパリティパターンも「1 Double Edge Flip」と名付けられて、手順が6通り紹介されています。
 それに触発されて、WEB上で気づいた限りの手順も併せて列挙整理してみました。
 以下、www.randelshofer.ch式の記述法をこのブログでこれまで使ってきた記述法でかつ反転エッジの箇所をFRからFUに改めて手順を記述し直します。(MD->r MU->l ML->d L->D R->U B->B F->F)

#1
 最初に挙げられている、Maneuver Mark (Cubeman) Longridge
MD2 (L2 MU)2 L MU' MD' ML2 MU MD L' MU' MD' ML2 B2 MD B2 MU' B2 MU B2 MD2 (23 btm)を書き直すと、

(1) r2 (D2 l)2 D l' r' d2 l r D' l' r' d2 B2 r B2 l' B2 l B2 r2 (23 btm)

 この手順の意味はすぐには分かりませんでしたが、3つに分割し、かつ繋ぎ部分を補って考えると分かりやすくなります(連続すると補った部分は消し合います)。
(a) [r2 (D2 l)2]を、[r2 (D2 l)2 l' r2]
(b) [D l' r' d2 l r D' l' r' d2]を、[r2 l D l' r' d2 l r D' l' r' d2 r']
(c) [B2 r B2 l' B2 l B2 r2]を、[r B2 r B2 l' B2 l B2 r2]
 (a) はセンターの2面×2互換を伴うエッジ4点移動
 (b) はセンターの2面互換
 (c) はセンターの2面互換を伴うエッジ3点移動
 ということで、11年12月07日に書いた4点移動×3点移動系だということが分かります。
 ところで、中間の(b)を除いた、(a)(c)の手順
[r2 D2 l D2 r' B2 r B2 l' B2 l B2 r2] (13 btm)
 は、4点移動×3点移動で、センターの2面互換を伴う2点互換(1エッジ反転)になります。このセンターの2面互換は、よく知られている(だろう)10手の手順で、戻すことが出来るので、同じ23手で次のような手順も構成できます。

(2) [r2 D2 l D2 r' B2 r B2 l' B2 l B2 r2] [U2 E' l E l' U2 l E' l' E] (23btm)

 4点移動×3点移動系は、
http://reddragon.nce.buttobi.net/
「キューブの迷宮」にも出ています。
 4点移動の手順も3点移動の手順も既出ですが組み合わせ方がちょっと違います。
Rw2 Dw2 Rw2 (u')
u' R2 u' R2 u' R2 u' R2 u' (u) L2 d R2 d' L2 d R2 d'
Rw2 Dw2 Rw2
 操作性重視でFRの反転になっているのでしょうが、一応他との比較のためにUF反転の持ち替えなしに記述変更したものを書いておきます。

(3) (Uw2 r2 Uw2) (l' F2)x4 l' (D2 r U2 r')x2 (Uw2 r2 Uw2) (23btm)

 (l' F2)x4 l' は、既出の4点移動の手順系。
 (D2 r U2 r')x2 は、既出の3点移動の手順系。
 この2つを併せて、対面2エッジ同列の互換(UF-r<->DF-r、センター同色移動)、それにUw2 r2 Uw2(Uだとセンター同色移動が他色移動になる)の前処理で、1エッジ反転に変えています。

 11年12月07日のブログ「4x4異順(続)」に書いた手順は、
http://homepage3.nifty.com/shyu/cubu/revenge/index.htm
 ルービックリベンジ解法(2001年はばつば式)にもありました。

(4) Rw2 S (r'U2)x4 r' S' Rw' R' B2 r F2 r' B2 r F2 r2 (22btm)

 その記述によると、この手順について(多分)、「2001年8月でも,最後の修正方法がインターネットで流れていました」となっています。

 何故か、どこにも載っていない我流の手順も書いておきます。先日のブログではl'のがlになっていたり、3点移動の「逆」が抜けている等のミスがあり修正しました。

(5) [r2 U2 r U2 r2] [l2 U2 l' U2 l2] [r2 U2 r U2 r2] [r B2 r F2 r' B2 r F2 r2]
r2 r の箇所は合わせてr'なので、都合、23btm)

 私は習慣上、最後のB2、F2の所は、U2、D2となるように持ち替えて動かしています。というより、私の中では一つの手順という意識は希薄で、二つの手順の組み合わせなのです。

※『頭を鍛えるルービックキューブ完全解析』(2005年10月、宝島社発行)に、REVENGEの解法が載っていますが、これは、『Here's the solution RUBIK'S CUBE REVENGE』(82年12月、ツクダオリジナル発行の解説書)の解法とほぼ同じものです(細かくチェックしてはいませんが)。完全2面→中列エッジペア→中列エッジ位置→中列エッジ方向→中列センターの順序です。当然、中列エッジ方向で、パリティが出てきますが、センター揃えの前なので、センター色移動ありの手順で17手です。ツクダ本には他に20手の手順も参考として紹介されています。
 ツクダ本では[r2 U2 r U2 r2]の手順がペア作りの箇所に出てきていますし、参考手順として、3点移動の[r B2 r F2 r' B2 r F2 r2]も[R2 u' L2 u R2 u' L2 u]の形で載っていますが、それを合成した[r2 U2 r U2 r2] r [B2 r F2 r' B2 r F2 r'] r' (13btm)は使われていません。違いは3点移動を同一面の3点に変える発想だけなのですが。

#2
 www.randelshofer.chの次の4つはT perm応用系ですが、3つは単に記述の違いや逆順などで、実質は2通りです。
 T permの手順で中列に適用可能なものを単純に適用する(R->r、Lー>l)と、対面1列エッジの入換と上下センターの入換になります。この手順の前処理・後処理として、l2 B2 U2とU2 B2 l2を付加すると、センター移動は同面の180度回転となり、エッジ移動は隣接移動に変わるというわけです。
 ここで使われているT perm手順を、中列l-UF<->l-UBの互換に統一して記述すると、
r U2 r' F2 l F2 U2 l U2 l’U2 (l)
r' U2 l U2 l' U2 F2 l' F2 r U2 (l)
の二つです。
 この他にも、適用可能なT permでは、
l F2 l' F2 r U2 B2 l B2 r' U2 (i)
r B2 l' D2 r D2 B2 l U2 r' U2 (l)
等も考えられますが、おそらく回し易さの観点から採用されていないのでしょう。
 また、これらの手順は先頭のr、r'を最後尾に移した手順も有効です。
また前処理としてr2 B2 U2を付加すると上記の右手順を使うことになります。

(6) r2 B2 U2 l' U2 l F2 r' F2 U2 r' U2 r B2 r2 (15btm)
(7) r2 B2 U2 l U2 r' U2 r U2 F2 r F2 l' B2 r2 (15btm)

 また、B2ではなくてF2を使うとエッジ反転箇所がUFではなくてUBになることも容易に分かるでしょう。また、前後処理のU2の箇所も上下のセンターの色を同じにする意味ですから、B2でもいいのですが(実際そういう手順を載せているサイトもありました)、F2だと核手順の前後どちらかにあるF2と消しあって、2手減ることになりますから敢てB2を使う意味は少ないと思います。
 このように、T perm応用系はさまざまな類型が構成可能ですが、代表的な手順として、rの操作が多い方の手順(6)(7)がポピュラーなようです。

 ところで、この前処理・後処理をT permの段階で適用すると、その移動は、隣接コーナーの捩れ(転位)互換(URF<->FLU)とエッジ互換(UR<->ULの)になります。「転位(OLL 23)・F Perm」という言い方があるのかどうか、F Permも、OLL 23もSpeed solving.comのネーミングですが……。
 従ってまた手順全体のR、R'、L、L'の箇所をRw、Rw'、Lw、Lw'にすると、それにエッジ反転が加わったパターンが出来ます(後出)。
 最終面をエッジ・クロスから作っていく方法ならば、1エッジ反転に、このw手順を使うことも可能です。

#3
さて、残りのもう一つ。
Maneuver Frédérick Badie
MD' R2 MU F2 MU' F2 MD2 R2 MD R2 MD' R2 F2 MD2 F2 (15 btm)を書き直して、

(8) r' U2 l F2 l' F2 r2 U2 r U2 r' U2 F2 r2 F2 (15 btm)

 この手順は、r=R、l=Lとしてみると、
R' U2 L F2 L' F2 R2 U2 R U2 R' U2 F2 R2 F2
 これは、T Perm応用系ではない直接の「転位F Perm」です。
 これまで、T Perm応用系と書いて来ていましたが、それも含めて「転位F Perm」系と総称するほうがいいのかもしれません。
 この手順もその成り立ちからして当然、Rw、Lwとして操作可能です。

 wだけで構成された手順としてYouTubeで公開されている手順も、転位F perm系のようです。
http://www.youtube.com/watch?v=dQhu93Nf_aw
Rw U2 (r) Rw U2 Rw U2 R'w U2 Lw U2 R'w U2 Rw U2 R'w U2 R'w
 これを持ち替えなしにして、wを外すと、
R U2 R F2 R F2 R' F2 [R U2 R' U2] [R U2 R' U2] R'
 これでは、中列3点移動が残るので、2箇所ある[R U2 R' U2]のどちらかを[Rw U2 R'w U2]のまま残す(通常の記述では、L F2 L' U2)必要があります。
R U2 R F2 R F2 R' F2 [L F2 L' U2] [R U2 R' U2] R'
([ ]の2箇所は交換可能)
 これを普通に中列に適用すると、

(9) r U2 r F2 r F2 r' F2 [l F2 l' U2] [r U2 r' U2] r' (17btm)

#スピードキューブ系の方たちは、操作性重視で、ここにあるような手順をいかに速く回せるようにするかの方に関心があるようですが、私は「手順の秘密」や手数短縮に関心を持ってしまいます。現在15手の手順は多く知られていますが、15手より短い手順はあるのでしょうか? それともこのパターンの最少手数は15手であるという証明があるのでしょうか? ご存知の方は教えて下さい。

#ここでは同じ操作の繰り返しをx4などと掛け算にしている箇所とxなしと両方使っていますが、置換積なので繰り返しは4乗なので符号を入れるとすれば正確には^4とすべきなのでしょうね。以前の表記では掛け算の意味で*を使っている箇所もあります。
 以前の記述の不統一で言えば、逆順の意味で、~(チルダ)も使っています。昔使っていたIBMのMSDOSパソコンのフォントではチルダは上付きの直線で、マイナス乗という表記にふさわしかったのです。