僕は三十年以上、飲食の仕事を続けてきました。
こう言うと、「よほど意志が強いんですね」と言われることがあります。

でも、正直に言うと、僕はかなり飽きっぽいです。
興味はあちこちに移りますし、同じことをずっと同じ熱量で続けるタイプでもありません。自分でも少し面倒くさい性格だなと思います。まあ、自分の取扱説明書が分厚いタイプです。

それでも飲食を長く続けられたのは、この仕事が「同じようで毎日違う仕事」だからだと思います。

同じお店、同じメニュー、同じサービスでも、来てくださるお客様は毎日違います。天気も違います。スタッフの状態も違います。料理や飲み物を出すタイミングひとつで、お客様の印象が変わることもあります。

つまり飲食は、毎日が小さなライブのようなものです。
台本はあるけれど、完全に台本通りには進みません。そこが大変であり、面白いところです。

そして飲食の中には、接客、料理、ワイン、空間づくり、数字の管理、人材育成、メニュー開発など、いくつもの仕事が入っています。僕は飲食に飽きなかったというより、飲食の中で興味の場所を少しずつ移動してきたのだと思います。

飽きっぽいことは、必ずしも悪いことではありません。
見方を変えれば、変化に敏感だということでもあります。

大事なのは、飽きたからすぐ投げ出すことではなく、「今のやり方に飽きているのか」「今の見方に飽きているのか」を考えてみることです。

長く続けるとは、同じ場所で動かずに耐えることではありません。
同じ世界の中で、少しずつ見る場所を変えていくことなのだと思います。

僕の場合、その場所がたまたま飲食でした。
これからも飽きっぽいまま、新しい問いを探しながら、この面白い世界を見つめていきたいと思います。

 

今日の気づきの“裏側”は、Noteのほうで書いてみました。
よかったらのぞいてみてください

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