南禅院に行くと、まず分かる事。
まず一番に、身分の高い人が住んだ場所であろう事です。
これだけ立派な建物に住めるのですから。
次に、隠居した人が住んだ場所であろう事です。
現役バリバリが、こんな山のふもとには住みませんよね。
まずこの二つは、瞬時に分かるわけですね。
で、それが分かった上で。
で、次に、ここが大事なんですが。
つまり、隠居した人間が住んでるわけですから、そこまで庭にお金をかける余裕も無いし、必要も無いわけですよね。
なので、庭は最小限で良いんです。
かといって、建物が立派なので、あくまでそれに見合った最小限です。
南禅院が一番素晴らしいのは、その限られた最小限の中でのバランス取りの見事さです。
ドンピシャなわけですよ。
色々な意味で、丁度良いんです。
このバランスの取り方は、まさに絶妙です。
ただ、これだけ見事なバランスを取ると、ある意味面白みはありません。
あまりに正しくてバランスが良いものは、悪く言うとつまらないんです。
良く言うと、安心感があります。
つまりこの庭は、縁側で一日中ぼーーーっと出来る庭だという事です。
それが素晴らしいんです。
