兼六園といえば、この灯篭です。
徽軫灯籠(ことじとうろう)と読みます。
さて、この灯篭は、現場でじかに見ると、あまり大したことがありません。
そして、大したことがないという所に、この灯篭の凄さがあります。
そもそも灯篭とは何ぞや!となるのですが。
灯篭とは、基本的には「あかりを入れるもの」です。
灯篭の世界でのビッグネームは、「春日灯篭」と「雪見灯篭」ですよね。
そのうちの一つ、春日灯篭は春日神社にある灯篭で、これは庭の世界の為に作られたものではなく、神社であかりをともす為に作られたものです。
あかりが、一種の「魂」というものの比喩というか、「神」の比喩であったわけです。
庭の世界とは全く無縁な「神社」という世界の灯篭が、庭の世界でスタンダードになっているのは面白いですよね。
つまり灯篭は、そもそも庭の世界の為にあったわけではないという事です。
「あかり」という要素を、庭に取り入れようとした時に、一番風情があったもの。。。それが即ち「灯篭
」だったという事でしょう。
庭に灯篭を組み入れようとしたとき、灯篭はあかりを入れるものから、灯篭自体が庭に溶け込むような形を求められました。
が!
日本庭園というのは、そもそも「自然を良し」としているのです。
そこに、灯篭という明らかな人工物が、違和感無く混じるというのは、非常に難しい事なのです。
そこで、徽軫灯籠(ことじとうろう)です。
水の景色に、ほぼ完璧にマッチしています。
違和感がありません。
この違和感の無さが、とても素晴らしいのですね。
