ハリーの鬱(うつ)体験記 (その2) 鬱への道まっしぐら | ハリー・ヨシダの楽しい終活日記(ハリー爺ちゃん随想集)

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もういくつ寝るとあの世かな。
☆剣道 教士7段 、剣道コーチ
☆Harry's フォトスタジオ枚方 代表
☆催眠誘導心理カウンセラー
☆貿易アカデミー 講師
☆財務分析セミナー講師
☆元 関西外語専門学校 講師
☆元 JETRO認定貿易アドバイザー

うつ体験記 その2


 

鬱(うつ)からの脱却、生還への道のり


 


< 鬱への道まっしぐらの巻>


 

海外での経験、英語、中国語、国際感覚、貿易実務の知識、画期的事業開発など創造力、独自の発想、クリエイティビティーがが強みであった私が、昇進して新たに与えられた職務は、東北支社管理部部長であった。

 

そこは、私のそれまでのキャリアや、自分の強みのほとんどが役立たない世界でした。

 

私が望んだ職務ではなく、会社から一方的にあたえれらた職務でした。私には、何の興味もない仕事内容でした。自分のジョブ・キャリアの希望からは全く180度違う場違いな人事でした。

 

そして、私は、 陸に上がったカッパ状態に成っていきました。


 

そこで求められるのは、幅広い一般常識と、社内業務経験と知識でした。

 

人事、総務、財務、審査、施設管理、コンプライアンス、社内展示会運営、ISO、環境管理委員会の業務、取引先との各種会の運営、行事準備、債権管理、与信管理、倒産対策、そのほか、雪かき、雑草取りまで、幅広い管理業務であった。

 

 そのほとんどがルーティンであり、私には初めての事ばかりで、それに使うパソコンの検索画面、目の前を通る各種の伝票や、稟議書、報告書は、ほとんど見るのも初めてという状況。

 

本来であれば、管理部門へ配属され、人事部、財務部、審査部、などの配属経験を踏んで、やがて管理部長となるのがふつうであるが、ハリーなら、出来るだろう、と潜在能力ありと会社は判断したようでした。


 

まあ、いわば、ランボーの活躍を見て、問題解決能力あり、として、いきなりどこかの会社の管理部長に就任したようなもので、さすがのランボーも、畑違いの新しいビジネスオフィースに座らされ、目の前に積み上げられる稟議書や報告書を読んでも意味が分からない上、考えたり、相談したりしているうちに、処理が追い付かずどんどんと書類が目の前にたまっていき、決裁、判断を急ぐ営業部から、「急いでください!間に合いません。!早く、! 判断できないのですか?」と叫び声か上がり始めます。 


 

そう、判断できないのです。 だって、知らないことばかりですから。


 

一つの事を考えている間に、つぎつぎと相談、問題が飛び込んできます。ぱっぱっぱっぱと処理して行かねば、稟議や押印書類が止まってしまうのです。

 

そんなところへ、『手形が不渡りになりました、どうしましょう。』

 

 『こんな問題が起きました、どうすべきでしょうか?』 

 

『会社の規程のどれに抵触するでしょうか?』

 

どれも、即決が必要な案件です。

待ったなしの緊急重要案件が矢継ぎ早に飛びこんできます。 

 

しかし、経験の無い私には、事態を理解したり、書類を紐解いたり、専門家へ相談したりする時間が必要でした。

 

でも、その時間はありません。

 

 戦場でいえば、ドンパチがはじまって、砲弾や爆弾があちこちから飛んでくる状態です。そこで50名の部下たちから、「どうすればいいですか?」、本社からは、各関係部署幹部から「状況を報告せよ! 君の意見、判断は何か? 遅い!」と矢の催促です。


 

このプレッシャーはものすごいものでした。


 

赴任前から、役員トップ直々に、「無理なミッションであることは分かっている。だが、今、管理部門の人材が足らず、君以外にはいない。乗り越えてほしい」との言葉をもらって、単身で東北支社へ赴任したのであった。


 

まさに、ランボーのごとく。 鉢巻き締めて、孤軍奮闘が始まったのです。


 

こんなむちゃくちゃなミッションではありましたが、社内でリストラの嵐が吹き、私の年代の社員の多くが肩たたきを受け離職をもとめられている一方で、私がそのような昇進を与えられたことは、私の潜在能力に会社経営陣が期待したことであり、地位が上がり給与は増え、光栄なことととは知りながらも、さて、実戦が始まると、もう、どうしようもないくらい気分は落ち込んで行きました。

 

仕事を覚えよう、たまった案件を処理しようと、土日は朝から晩まで、会社へ行き、過去の稟議書やデータを書棚から引っ張り出して片っ端から目を通し、どっさりある社内規程集の読みこみ、各部署から要求されている提出資料の作成、そのための調査と、働きづめに成っていきました。 一時も休まる時がありません。

 

やがて、精神的にも肉体的にも限界が訪れます。

 


 

よく言われる、「昇進うつ」の典型でした。

 


 

その時の事を、私は、当時私の心理カウンセリングをしてくださった、NLPセミナー講師であり、心理カウンセラー、ヒプノ・セラピストの川村幸恵先生に、こう語りました。


 

「例えて言うならば、そうですね、こんな感じなんです。 

いままで陸軍歩兵だった私が、ある日、海軍の軍艦の艦長に抜擢されて、出陣。

いきなり初日から敵艦隊と遭遇。 

砲撃戦が始まった。

部下からは、館長に ご命令を!と戦略を求められるが、私としては、まだ、自分の戦艦の大砲の弾の飛ぶ距離も知らないし、戦艦の戦術も知らない。 

だから、「各自、判断して戦え!」としか言えないのです。 

組織が機能しなくなっていき、壊滅的状況に陥っていくのが分かります。毎朝、目覚めた時、今日はやっていけるだろうか、と不安と怖さに襲われます。」と。


 

(その3)に続く

http://ameblo.jp/wakuwaku-seminar/theme4-10057941087.html
 


 

 

< 鬱への道まっしぐら>